3種類の異なる出力特性、旅性能はトップレベル

インディアン’19チーフテン ダークホース試乗インプレッション

INDIAN CHIEFTAIN DARK HORSE

インディアンの“サンダーストローク111”エンジンが、’19年モデルで3種類から選べるライドモードを追加。その実力を「チーフテン ダークホース」で確認した。

ルックスはよりモダンに

INDIAN CHIEFTAIN DARK HORSE

【INDIAN CHIEFTAIN DARK HORSE】主要諸元 ■全長2506 全幅– 全高– 軸距1668 シート高650(各mm) 車重361kg(装備) ■空油冷4ストV型2気筒OHV2バルブ 1811cc 15.4kg-m/3000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量20.8L ■ブレーキ F=Wディスク R=ディスク ■タイヤ F=130/90B19 R=180/60R16 ●色:黒、白、ブロンズ ●価格:415万円

INDIAN CHIEFTAIN DARK HORSE

チーフテンは”酋長”を意味し、バリエーションは4種類。ダークホースは主要パーツをブラックで統一する。新型はウインカー一体型のテールランプとなり、リヤシリンダーの気筒休止システムも追加。

’19年モデルは外観/内部をブラッシュアップ

INDIAN CHIEFTAIN DARK HORSE

’13年に発表、’14年モデルから搭載された1811ccのサンダーストローク111。サイドバルブ風の空冷49度V型2気筒はOHV2バルブで、カムシャフトは3本。小さなオイルクーラーを前方に備える。

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(左)アルミダイキャスト製のダブルクレードルフレーム。エンジンはリジッドマウントで搭載される。(右)ホイールはフロント19/リヤ16インチで、フロントフォークはφ46mm正立式、リヤはエア調整式のモノショックを採用。

INDIAN CHIEFTAIN DARK HORSE

(左)市販車で最大となる液晶ディスプレイは、ライドコマンドと呼ばれる多機能メーターパネル。標準装備のオーディオはツイーターがミッドレンジスピーカーから独立し、さらに高音質に。クルーズコントロールを装備するほか、ブルートゥース接続にも対応する。(右)’19年モデルの目玉がライドモードの追加だ。ツアー、スタンダード、スポーツから選べ、最も穏やかなツアーの特性が’18年以前とほぼ同等だ。

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(左)’19年型からローグ・ガンファイターと名付けられたスマートなシートを採用。座面の高さは650mm。(右)外観の変化に大きく貢献したのがサドルバッグだ。スマートキーと連動しており、開閉操作が容易。

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ガンファイターシートは腰のサポート感が良好で、広いフットボードは足の置き場所の自由度が高い。足着き性はご覧の通り優秀だ(身長175㎝ 体重62kg)。

(○)従順なハンドリングと重厚なトルク感に酔う

ハンドルマウントのフロントカウルにサドルバッグを備えるインディアンのチーフテン。直接のライバルと思われるのはハーレーのストリートグライドで、車重は1kgしか違わないなど両車のスペックはかなり近い。

まずはエンジンから。3000rpmで最大トルクを発揮する空冷49度V型2気筒は、’19年型で出力特性を3種類から選べるライドモードを追加した。最も穏やかなツアーモードは’18年以前のエンジン特性に近いとのことで、スムーズなレスポンスと大排気量Vツインらしい蹴り出しの強さ、巡航時の豊かな鼓動感など、実によく調教されている。

これがひとつ上のスタンダードモードになると、スロットル開度に対するパワーの出方が鋭くなり、特に追い越し加速で恩恵が感じられる。さらにスポーツモードでは突進と表現できるほどパワフルになり、音量も明らかに大きく変化する。それでいてどのモードでもパーシャル時にギクシャクしないなど、セッティングにも感心しきり。クラッチ操作は重すぎず、シフトフィーリングも良好。そして、49度というやや中途半端なVアングルとリジッドマウントを採用しながら、体に伝わる不快な振動がほぼ皆無という点は驚くしかない。

ハンドリングも非常にいい。アルミダイキャストフレームにエンジンをリジッドマウントしているため全体の剛性が高く、入力に対して遅れることなく倒し込みや切り返しが決まる。そして、フロントカウル内の重量物がステムに近い位置にレイアウトされているからか、見た目から想像できないほど舵角の付き方が速くてスムーズだ。何より感心したのは、パワフルなスポーツモードにおいても車体や前後サスに不足を感じることがなく、またコントローラブルかつ強力なブレーキのストッピングパワーも余裕で受け止めること。気が付けば375kgの車体を振り回しながら峠道を楽しんでしまった。

電動可変式スクリーンを備えたカウリングの防風効果は高く、より高音質になったオーディオと合わせて巡航が非常に楽しい。総合的なツーリング性能はドイツ車に比肩するほどだ。

(△)ライバルよりも高いが、それを補う魅力がある

先にも記したように、スペックや装備はハーレーのストリートグライドに近いが、車両価格はチーフテンのほうが100万円ほど高い。とはいえ、クラシカルな見た目とは裏腹に走りは最先端であり、そこにハーレーでは超えられない壁がある。

こんな人におすすめ:ハーレーでは物足りないと思っている人へ

オフロードビークルやスノーモービルで有名なアメリカのポラリス社で生産されているインディアン。先人に敬意を払いつつも、過去に縛られない新しい技術を導入して作られたチーフテンは、多くの人に知ってほしい秀作である。

●写真:飛澤 慎
※ヤングマシン2019年2月号掲載記事をベースに再構成

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大屋雄一

大屋雄一

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紙面版にて厳正なる新製品テストを担当するベテランジャーナリスト。

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