2019年シーズンから始まるモトE選手権(モトGPと併催される電動バイクのレース)に車両を供給するエネルジカと、スマホ業界などで覇権をねらうサムスンが手を組んで提案するのは、スマートライドと呼ばれるシステムだ。
スマートデバイスとNFCなどで接続
ボリッドE(BOLiD-E)は、そのスマートライド用に考案されたプロトタイプ。ライダーが身に着けたスマートデバイスのギャラクシーウォッチとNFCまたはブルートゥースで接続し、ヘッドアップディスプレイとして通常のミラーの位置にサムスンのギャラクシーAシリーズを2機搭載する。
これにより、自車の位置を地図上に表示、また平均電力消費、走行距離、走行性能(速度や出力の使用状況)を把握することが可能。さらには、危険な状況を警告したり走行中の映像を記録してシェアしたり、車両から離れても愛車の位置を追跡できたりもする。
エネルジカのEva EsseEsse9をベースに新システムをビルトイン
スマートライドはバイクの始動方法も変化させた。ギャラクシーウォッチをタンクの近くに置き、NFCを利用するのだ。また、仮想キーを作成することで誰かとキーを共有することも可能。ミラーレス化で搭載するディスプレイにより、ブラインドコーナーや歩行者、旅に役立つ情報なども見逃さないで済む。さらには近くにACまたはDCの充電ステーションがあるかどうかも確認できるという。
モトEマシンはストリートバイクがベース
Moto E選手権で使用する車両は、ストリートバイクのEGOをベースとしたEGO Corsa。モーターは油冷式で、約163psを発揮トルクは20.4kg-mというモンスターだ。そして最高速度は270km/h。フレームはスチールバイクを採用している。
こちらは市販を前提としたEVハーレー
プロジェクトライブワイヤーとして’14年に発表されていたコンセプトモデルが、ついに欧州で2019年の発売が正式発表となり、その名もライブワイヤーとなった。プロジェクト版とはフレームもスイングアームも少しずつ異なっており、クラッチレスの走行感覚や俊敏なハンドリングと高い安全性に磨きをかけている。充電はタンク上の差込口から行う構造だ。気になる日本への導入については、2020年登場と公式HPで発表している。
ARCのマシンはウエアともリンクする電脳SS
センターハブステアにカーボンスイングアームなど、先進の技術とマテリアルで製作される電動カフェレーサーがベクターだ。驚くのは、Knoxとコラボ制作したジャケットに3つの走行モードを持たせ、バイクと連動させる機能だ。アーバンモードでは死角から接近する車両を、肩を叩くようにして知らせる。そしてスポーツモードでは限界が近いことを知らせ、ユーフォニックモードでは音楽の重低音と連動して振動する。価格は約1300万円。
ネオクラや、ゆるEVも急増中
今回のEICMAの特徴としては、様々なタイプのEVが提案されていたことが挙げられる。左のようないかにもバイクらしいネオクラ路線のものや、シティコミューター、なかでも3輪のものが多く見受けられたように思う。そして、これらのEVを発売または提案しているのは小回りの利く小さなメーカーが多い。大メーカーは完成度が高まるまでは発売しない傾向があるが、それでもBMWやKTMなどはスクーターやオフロードバイクをしている。さて、日本は?
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ロードレースを追いかけること20年以上のフリーライター・佐藤寿宏さんの「寿(ことぶき)通信」をお届け。国内外、レースの様々な現場から届く「寿通信」は、日本人選手の動向を中心にレポート。今回は、今週末に[…]