マシン・オブ・ザ・イヤー2018
カワサキがミラノショーで正式発表

カワサキ2019新型Versys1000/SEは、上級グレードに電サス投入

カワサキは、ミラノショーで4台のニューモデルを発表。まずは3代目にモデルチェンジしたアドベンチャーモデルのVersys1000/SE(ヴェルシス1000/SE)を紹介しよう。

3代目は電子制御を充実させ、走りを拡張

ヴェルシス1000は、Ninja1000/Z1000系の1043㏄並列4気筒エンジンを搭載したアドベンチャーモデル。そのエンジン型式や前後17インチのキャストホイールなどから、アドベンチャーのなかでもオンロードツーリング寄りの性格が濃かったマシンだ。発表された2019モデルもその基本コンセプトはキープ。新たに電子制御スロットルと慣性計測ユニット(IMU)が採用されたことにより、その走りはさらにスポーティさと安心感の両面から拡張されたという感じだ。スタイルもそれを強調するように、Ninjaシリーズを思わせるシャープなものに変化している。また、2019モデルからは新たにセミアクティブの電子制御サスペンションであるKECSやコーナリングライトを装備した上位バージョンのSEも設定されたのが大きな特徴だ。

【KAWASAKI Versys1000SE 2019年型欧州仕様】最新型のニンジャ顔を踏襲した並列4気筒エンジンを登載したクロスオーバーモデル。2019年モデルでは上級グレードのSEが新登場した。写真のカラーは、Emerald Blazed Green×Pearl Storm Gray(エメラルドブレイズドグリーン×パールストームグレー)だ。


【KAWASAKI Versys1000SE 2019年型欧州仕様】写真のカラーは、Metallic Flat Spark Black×Pearl Flat Stardust White(メタリックフラットスパークブラック×パールフラットスターダストホワイト)だ。SEには、図で着色された部分に小傷を自己修復するコーティング塗装が施されている。

【KAWASAKI Versys1000SE LT+ 2019年型北米仕様 価格:17999ドル(約204万円)】アメリカではSE LT+という名で片側28Lのパニアケースが標準装備。カラーは、Metallic Flat Spark Black×Pearl Flat Stardust White(メタリックフラットスパークブラック×パールフラットスターダストホワイト)だ。

【KAWASAKI Versys1000 2019年型欧州仕様】スタンダードグレードはコーナリングランプの部分がカバーが覆われている。写真のカラーは、Candy Steel Furnace Orange×Metallic Spark Black(キャンディスチールファーナスオレンジ×メタリックスパークブラック)だ。

【KAWASAKI Versys1000 2019年型欧州仕様】写真のカラーは、Pearl Stardust White×Metallic Spark Black(パールスターダストホワイト×メタリックスパークブラック)だ。

LEDライトのニンジャ顔はH2のようにチンスポイラー付き

スタイルは、2眼ヘッドライト下にチンスポイラーを持つNinjaシリーズを彷彿とさせるシャープなものに。そのヘッドライトはLEDとなり視認性を向上。欧州仕様はテールランプやウインカーもLEDとなるが、米国仕様についてはウインカーがバルブタイプとなる。スクリーンは前方にある2つのノブを操作することで、シートに座ったまま工具なしで高さを調整できる機能付きだ。タイヤはオンロードでのグリップパフォーマンス向上を狙って、ブリヂストン製バトラックスT31となった。

ヘッドライトやテールライトまで灯火類は全てLEDを採用’(欧州仕様)。コーナリングライトは傾いた方向へ角度によって上から1灯ずつ、計3灯が点灯する。

写真はSE。最新のNinja250/400系と思われるデュアルヘッドライトに、H2 SX SE譲りのコーナリングライトが組み合わされる。大きなスクリーンとブッシュガードで冬でも快適なツーリングができそうだ。

電制スロットルとIMUを新装備

エンジンはNinja1000/Z1000系の1043cc水冷並列DOHC4バルブ4気筒。ETV(Electronic Throttle Valves)と呼称する電子制御スロットルシステムが新たに組み込まれた。このことにより、特に低中速域を中心にレスポンス向上とスムーズなパワーデリバリーを両立。最高出力や最大トルクは従来の120ps/10.4kg-mと同等だが、より走りに磨きがかかっているだろう。また、ETVの採用によって電子制御クルーズコントロール機能も搭載されることとなった。

2019モデルではさらにIMUを追加したことでコーナリング中の車体状況に応じてパワーデリバリーとABS機能であるKIBS(Kawasaki Intelligent anti-lock Brake System)の効き具合を制御するKCMF(Kawasaki Cornering Management Function)が導入された。従来型から採用された2段階トラクションコントロール=KTRC(Kawasaki TRaction Control)や2段階パワーモードといった電子制御機能も、もちろん健在。つまり、よりスポーティに、そしてより安心感のある走りが可能になるというわけだ。

STD、SEとも、IMU=姿勢角センサーを採用することにより、ブレーキや旋回、立ち上がりにいたるコーナリングの全ての局面で電子制御のアシストが受けられるようになった。

2019年モデルでフロントはモノブロックのラジアルマウントキャリパーのブレーキにアップグレードされた。リヤは、1ポッドキャリパーで変わらずだ。

フレームは従来譲りのアルミ製ツインチューブ。足まわりは前後ともに見直され、SEのリヤショックはSHOWA製バランスフリーショックである“BFRC lite”を採用。STDはリヤのプリロードをリモート調整(左上)できるようになっている。電サスのSEは、電気調整式だ。

SEは電サス&コーナリングライト装備が目玉

上位バージョンのSEは、2019モデルから新登場。前後サスにセミアクティブサスのKECS(Kawasaki Electronic Control Suspension)を採用し、リアルタイムでダンピングを自動調整してくれるのが最大の目玉。ZX-10R SEに使われている同機能と同じくストロークセンサ―を内蔵しているのが他社製品と大きく異なる点だ。なお、KECSには、1)ライダーのみ、2)ライダー+荷物、3)ライダー+パッセンジャー+荷物の3モードをベースにそれぞれ前後5段階ずつ微調整できる機能が備わっているほか、パワーモードやKTRCと統合してモード管理できるようにもなっている。

次にSEのみの特徴2つめとなるのが、サイドカウルに埋め込まれたコーナリングライト。IMUと連動し、車体のバンク角に応じて縦3連のLEDライトが上から順番にコーナーの奥を照らしていくものとなっている。ほかにもアップダウン両方向対応のクイックシフターや、小キズを自動で修復する特殊塗装のハイリー・デュラブル・ペイントといったものがSEのみとなる装備。アナログタコメーターと、速度計ほかを表示する液晶ディスプレイの組み合わせとなる新型メーターも、SEでは液晶部がフルカラーTFTとなっているうえ、ブルートゥースでのスマートフォンコネクト機能を備えており高級感が増している。

最新の電子制御技術を投入したことによりツーリングアドベンチャーとして磨きをかけた2019モデルのヴェルシス1000だが、このSEによって、さらに上質な魅力を加速させていると言ってもいいだろう。

SEのKECS一式。フロントは通常のカートリッジ式フォークを電子制御式減衰力可変としたSHOWAのEERA Cartridge Damping Forceがベースとなっている。リヤのプリロード調整もモーターで調整できる。

SEのスマートフォン接続は、Kawasaki Rideology Appで可能となる。各種電子制御のセッティングやライディングログ、オイル交換間隔などをスマホ画面で調整・確認できる。メーターはフルカラーTFTで、表示もツーリング(下中央)とスポーツ(右下)から選ぶことができる。

STDのメーターは、白文字の液晶表示となる。基本レイアウトはH2 SXと同じだ。

SEにのみ、アップ&ダウン対応のクイックシフターが装備される。

「2019新型W800 CAFE(カフェ)とW800 STREET(ストリート)がLEDライトで復活」記事はこちらへ。

ミヤケン

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天然のヤング脳を持つ伝説の元編集部員。現在は超フリーライター。

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