2018年7月16日、ヤマハがタイでハイブリッドシステムを搭載したスクーター、GRAND FILANO HYBRID(グランドフィラーノハイブリッド)を発表した。その詳細をホンダのPCX HYBRIDを比較しながら解説しよう。
タイでヤマハとホンダのハイブリッドが同時に登場
2輪としては世界初となるハイブリッドモデルについては、2017年10月の東京モーターショーでホンダがPCXハイブリッドを参考出品し、2018年7月6日に国内で正式発表した。その一方でヤマハもハイブリッドの開発を行っており、タイで7月16日にグランドフィラーノハイブリッドを発表した。その後、8月2日にホンダもタイでPCXハイブリッドを発表し、タイにおいてはヤマハとホンダが2輪ハイブリッドモデルをほぼ同時に発売することになった。
両車のハイブリッドシステムは基本同じ
そこで、タイでヤマハとホンダがリリースする2輪ハイブリッドはどのようなシステムなのかを解説するとともに比較してみたい。まず、ハイブリッドシステムについては基本的に同じと言っていいだろう。両車ともアイドリングストップ(ヤマハはストップ&スタートシステムと呼称)機構をベースにしており、充電とエンジン始動を行う「スマートモータージェネレーター(ヤマハ)」や「ACGスターター&アシストモーター(ホンダ)」が加速時にアシストを行うというもの。共に追加のモーターは搭載せず、シンプルな仕様変更でハイブリッド仕様としている。
次に違いについては、ホンダのPCXハイブリッドが48Vのリチウムイオンバッテリーを追加で搭載しているのに対し、ヤマハのグランドフィラーノハイブリッドは、エンジン用の鉛バッテリーのみでハイブリッド化している点だ。タイでは動力性能のスペックが発表されていないので比較はできないが、日本では1.9psと発表されているPCXハイブリッドのモーター出力に比べ、グランドフィラーノハイブリッドは抑えられた仕様となっていると推測できる。エンジンは、グランドフィラーノハイブリッドは125ccでPCXハイブリッドは149.32ccと排気量帯も異なっている。
ヤマハはシンプルな分、他機種に展開できそう
ヤマハのハイブリッドは、エンジン仕様のモデルに施す追加装備がSGCU程度となっているため、コスト面で優れているだけでなく他機種への展開も容易と思われる。グランドフィラーノ(ベトナムでの名称はノザ グランデ)などを皮切りに搭載されたブルーコアエンジンは、現在国内外で様々な機種に展開されており、これらがモデルチェンジでスマートモータージェネレーターを採用すればハイブリッド仕様にすることの難易度は決して高くなく、順次切り替わっていく可能性もあるだろう。
ニュース提供:ヤマハ発動機/アジア大洋州ホンダ他
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