2018年5月17日、BOSCH=ボッシュが二輪車の安全技術を発表した。ABSやMSC(モーターサイクルスタビリティコントロール)などで転倒リスクを抑制する技術を開発してきたボッシュだが、今回のは新機軸。ガスの噴射でスリップなどからバイクを立て直そうというユニークな試みとなる。
目指せ転ばないバイクの新アプローチ
ヤマハのトリシティなどが採用するLMW(リーニングマルチホイール)のスローガンが「目指せ転ばないバイク」。前2輪の3輪による安定感でフロントからのスリップダウンが抑制されるメカをアピールしたものだ。対してホンダは2017年1月の米CES=家電見本市でホンダライディングアシストを発表。2輪ながら可変キャスター機構を採用することによって自立することを可能とし、極低速域での立ち転けリスクを抑制するのだ。このように各社が取り組んでいる転倒抑止技術に、ボッシュが新たなアイディアを発表。「Sliding mitigation research project」という直訳すると「すべり緩和研究プロジェクト」という研究段階の技術だが、動画でも効果が発揮されることをアピールしている。
魔法の手のようにバイクを転倒から守る
ボッシュの説明は「センサーが横方向の車輪のスリップを検出しており、それが一定値を超えると乗用車のエアバッグに使用されるタイプのガスアキュムレータからガスが放出される。ガスはノズルを通って一定方向に噴射され、この逆推力がオートバイの姿勢を維持する」というものだ。外に滑り出した車体を元に戻す力=推力を発生させるためにガスを噴射させるという、アイディア自体はシンプルなものと言えるだろう。また、最近のバイクは姿勢センサーを採用するものが多くなっているのもこのメカニズムを支援するはずだ。ブラインドコーナーの先にオイルや砂利が巻かれていたりなど予期せぬ状況は起こり得るもの。そのまさかの時のためにABSなどが開発されてきたが、バンク中の大きなスリップに対応するすることはこれまでの技術ではできなかった。この噴射装置もいずれは必須の装備になるかも知れない。
アウトリガーなしでもテストに成功
ニュース提供:欧州BOSCH(ボッシュ)
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