2018年2月1日に新型Ninja250と同時にNinja400が発売された。近年250ccに人気が集中する中で日本独自の排気量帯として難しいポジションにある400だが、逆にそれが功を奏したモデルとなる予感も。本誌執筆メンバーの「いち」が公道インプレする。
新型Ninja400と250では大きい方がいい
これまでの試乗経験でだいたい決まっていることがある。CBR500R、CBR300R、YZF-R3など、共通車体の排気量違いに乗ると大きい方がいいのだ。実際、YZF-R3の国内でのセールスが320ccという微妙な排気量にも関わらず好調なのはその証だろう。R25とR3の71cc差は車検の壁を予想を上回る度合いでクリアしたと言える。一方CBR500RやCBR300Rは国内では販売されていないが、乗る機会さえあればその良さが分かるのは間違いない。そして、2018年モデルのNinja250とNinja400を比較しても「大きい方がいい」というのは変わらないどころか、より強く感じられた。考えてみればそのはずで、車重1㎏差しかないのに排気量は150ccも上回っているのだ。
Ninja400はもやは新カテゴリーか
見た目や装備はほぼ同じNinja400とNinja250。Ninja250のインプレで書いた跨っての印象も全く同じ。だが、走り出してからはの違いはかなり大きい。まず、信号待ちからのスタートダッシュでその速さに驚いた。167㎏という軽さもあって大型バイクとも互角で加速しそうな印象だ。低回転域の粘り強さも頼もしく、スパスパギヤを上げて街中で2000~3000rpmあたりで流してもそこからアクセルを開けて加速できるのだ。かつての2ストレプリカに通じる刺激がありつつ4ストならではの扱いやすさもあり、もやは新カテゴリーと言ってもよさそうな新しさだ。400も両立させるためにエンジンを完全新設計させたという新型Ninja400&Ninja250は、ガラパゴス的な排気量である400を海外にも認めさせてしまうくらいの楽しさがあり、実際カワサキもこのNinja400を欧州やタイでも発売している。
2017Ninaj400と比較すると…
2017Ninja400は、~2016Ninja650のスケールダウン版。この構図からすると「大きい方がいい」の小さい版となる。2016年型までのNinja650は逆輸入車だったので今ほどポピュラーな存在ではなかったのと、大型免許の壁があるので大小で比較されることはなかった。実際単体で2017Ninja400に乗る限り全く不満はなく、400クラス唯一のスポーツツアラーとして存在感を発揮している。これが2018Ninja400と比較すると全く違うマシンになったという感じだ。マシンのコンセプトがツアラーに対してスポーツとなり、車重はなんと44㎏も軽くなった。エンジンも2017Ninja400が回して走るタイプなのに対し、新型は下からついてくる。可能ならば併売しても良さそうだが、個人的な妄想としては2018年型のエンジンを使ってヴェルシス-X400ツアラーがあるとより棲み分けがはっきりしていいと思う。
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