台湾KYMCOのマキシスクーターが進撃中

AK550が世界8000台突破! レースでもTMAXに迫る

2017年4月より欧州で発売を開始したキムコのAK550が、この11月末までに世界販売台数8000台を突破したと発表された。台湾では発売から半年で1000台のセールスを達成するという記録的なヒットに。また日本国内で開催されたTMAXレースでも活躍を見せた。

T-MAXカップに参戦し最速タイムの約0.3秒落ち

トップはイメージ写真。実際の模様は下に掲載したが、フルカスタムのTMAX530を相手にノーマルで参戦したAK550が、筑波サーキットコース1000で5位を獲得。ベストタイムは40.635秒をマークしTMAX勢の最速タイム40.281秒から0.354秒落ちという速さを見せた。キムコジャパンは、このレースでブースを出展しAK550を展示。TMAXファンからも注目を集めたという。AK550の国内での発売日は12月2日の予定だったが、世界的なヒットのために生産が追い付かずまだ入荷待ち状態だという。

11月26日、Let’sレン耐&takuma-gpと併催で実施されたTMAXのワンメイクレース「T-MAXCUP」に殴り込み?! をかけたAK550。10周のスプリントレースにノーマル状態で参戦するも、高いポテンシャルを見せた。赤のゼッケン49番が最速タイムを記録したTMAX-ON Racing Projectのマシン。下はレースのオンボード映像だ。

アルミフレームに倒立フォーク&ブレンボ

2017年9月にツインリンクもてぎで開催されたAK550試乗会でライダーの丸山さんが注目したのはスポーツバイクそのものとも言えるシャーシ。「車体面では足まわりがやっぱり凄い。ブレンボのラジアルマウントブレーキはかけてみると、予想通りガーンと強烈に減速する。で、効きすぎて危ないかなと思うと、そうでもない。サスペンションはスクーターなので柔らかいんだけど、それなりに受け持つ硬さもあるし、車体剛性もしっかりしている。三つ又やヘッドパイプの構成しかり。スクーターだがしっかりスポーツできる設計は骨格からも非常に好感が持てた。バンク角も実に深く、かなりの速度から寝かせていって、まだいけるのかなというところでフロアボードの端がようやく接地。サーキットでのスポーツ性はトップクラスと見て間違いない」というインプレだ。上のレース映像を見てもそれがよく分かる。

【KYMCO AK550 価格:127万4400円】ゼッケン55番のグレーの車両がAK550だ。日本国内では他にも黒もラインナップする。アルミスイングアームにベルトドライブはTMAX530と同機構を採用する。丸山さんのインプレ動画は最下段に設置した。

主要諸元■全長2220 全幅795 全高1400 軸距1580 シート高785(各mm) 車重226kg■エンジン型式 水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ 550.4cc  最高出力53.5ps/7500rpm  最大トルク55.64Nm/5500rpm 燃料タンク容量15L■ブレーキ F=Wディスク R=ディスク■タイヤサイズF=120/70R15 R=160/60R15

2019年は600~650cc級を投入?!

キムコは2017年11月のミラノショーで「CV2concept」と「CV3concept」を発表した。CV2はアドベンチャーツアラーマキシスクーターという新しいセグメントのモデルで国産車で言うとX-ADVに近いコンセプトモデル。キムコ初の3輪モデルとなるCV3は、様々な路面で安定性を発揮するフロント2輪システムに加え、必要に応じて装着可能なルーフやパニアケースなど様々なオプションを用意。AK550よりもパワフルなエンジン、本誌予想600~650cc級と推測されるエンジンを搭載したコンセプトモデルだ。これらの市販版は、2018年の秋のショーで発表され2019年には発売すると思われる。キムコはAK550からさらにラインナップを拡充し、マキシスクーターでヤマハやBMWに対抗しようとしているのだ。

【KYMCO CV2concept 2017年ミラノショーコンセプトモデル】AK550をベースにアドベンチャーツアラー化。スクーターにパニアケースはユニーク。こちらも600~650cc級か?!
【KYMCO CV3concept 2017年ミラノショーコンセプトモデル】こちらはAK550をベースにしつつもエンジンは排気量を拡大されるかも知れない。フロント2輪はフォークを内側に配置するヤマハのトリシティと同じ方式。一方、ヤマハのNIKENは外側フォークレイアウトでバンク角を稼ぐタイプだ。

写真提供:キムコジャパン