1800の水平対向6気筒エンジンを備えるバイク界のキング・ゴールドウイングが43年目で6度目のフルモデルチェンジを敢行。外観だけでなく、ダブルウィッシュボーンサスや7速DCTを採用し新次元の領域に進化した。
トランク付きは「ツアー」の名称に
2018年型となるフルモデルチェンジで、新たに「ゴールドウイング・ツアー」とトランクレスの「ゴールドウイング」の2種類がラインナップした新型ゴールドウイング。従来F6Bと呼ばれたいわゆるバガータイプが無印のゴールドウイングとなり、これまでゴールドウイングと呼ばれてきたトップケース付きのモデルがゴールドウイング・ツアーとなる。エンジンは6速MTと7速DCTが用意されるが、トランクレスはMTのみとなる。
磨いたのは走りの魅力
6代目は走りの魅力を徹底的に進化させることに主眼が置かれており、フロントにダブルウィッシュボーンサスペンションを採用した。このメリットはサスのフリクションロスが軽減されることによるクッション性能とノーズダイブの低減による快適性の向上。また、ハンドルの回転軸とフロントフォークの回転軸を別にすることができるので、ハンドルだけをライダーに近づけることが可能となり、操作性も向上している。サスは減衰力のみ電子制御調整式でライディングモードと連動。セミアクティブタイプではないとの情報だ。
同じ1800でも4バルブユニカムを採用
発表された新型の排気量は1833ccで従来型の国内仕様は1832cc。同じ水平対向6気筒で1ccしか違いがないので、ボア×ストロークは踏襲しているかも知れない。一方、動弁系はOHC2バルブ→4バルブとなっており、さらに7速DCT仕様も存在することから完全新設計と見て間違いないだろう。尚、6速MTにはクラッチが軽くなるアシストスリッパークラッチが追加されている。
情報によるとカム駆動はVFR1200Fなどと同じユニカムを採用しているとの情報だ。吸気はスロットル・バイ・ワイヤを採用し、トラクションコントロールも装備。さらにDCT仕様のみ、エンジン駆動による微速前後進できるウォーキングモードも用意している。
しゃべって操作のアップルカープレイ
電脳系は、まず走行に関する部分ではライディングモードの採用がトピックだ。スポーツ、ツーリング、レイン、エコノミーの4モードでDCT、トラコン、サス、ABSを統合制御する。また、ブレーキ圧を操作して坂道発進でのエンストを抑止するヒルアシスト機能も装備したのも話題のひとつ。
エンタメ系では、Apple CarPlay=アップルカープレイに対応しており、走行時にもしゃべって操作できるという。これは、ナビやオーディオなどをシームレスに切り替えできるシステムで、近年インフォテインメントと呼ばれているもの。最新の4輪で採り入れられているソフトウェアがバイクにも導入されたのだ。
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GL初の電動スクリーン&フルLED
装備類は、ヘッドライトがフルLED化されており、洗練された張りのあるデザインに進化した。スラントさせたフロントマスクや徹底した空力マネジメントを図りながらエッジの効いた面構成としている他、スクリーンは上下と角度を無段階に調整できる電動式に変更した。リヤまわりも灯火類はLEDとし、装備を現代的に。フルフェイスが収納可能なトップケースやパニアケースの開閉は電気式となっている。
トランクレスのゴールドウイング
歴代ゴールドウイング
ゴールドウイングの歴史は、1975年に水平対向4気筒・1000ccエンジン搭載の初代モデルに始まり、大型スポーツツアラーという新しいジャンルを築いた。1988年の4代目では、そのエンジンを水平対向6気筒・1500ccへと進化させ、国内での販売を開始。その後、2001年の5代目のモデルチェンジを機に排気量を1800ccへと拡大している。2005年9月には、世界初となる量産二輪車用エアバッグシステムを開発し発表。北米ならびに欧州では、2006年よりエアバッグ搭載車の販売を開始しており、2007年6月、国内でも発売となった。2011年10月には、直近最後のモデルチェンジを実施し、リヤまわりのデザインを刷新。生産をアメリカから日本の熊本製作所に移した。ゴールドウイングは、発売開始から42年を経て熟成を重ね、高性能な装備と二輪先進安全技術をも兼ね備えたホンダ最高峰の大型スポーツツアラーである。
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