他社製より2倍速い

SHOWA電サスの供給先は?

【SHOWA イーラ・バランスフリー・ダンピングフォース】 SHOWA製はソレノイドバルブで減衰力を制御しており、ステッピングモーターで制御するよりも2倍速いという。

ヤマハYZF-R1Mやドゥカティ・ムルティストラーダ、それにBMWのS1000RRなどに採用されている電子制御サスペンションは、どれもオーリンズやBOSCHといった外国企業の技術によるものばかり。ちょっと淋しい思いをしていた国産メーカーLOVEの皆さま、お待たせしました! SHOWAが電サスを発表しました。

●文:八百山ゆーすけ

制御ソフトも2輪専用で開発

5月末に開かれた「人とくるまのテクノロジー展2017横浜」で、ショーワが満を持して発表した二輪車用電子制御技術システムが「SHOWA EERA(ショーワ・イーラ)」だ。減衰力や車高調整を備えたサスペンションに加え、ステアリングダンパーも含めて電子制御。それも個別に制御するのではなく、協調してマシン一体となる動きを目指して開発が進められている。ハードだけでなくECUやソフトウェアもショーワ独自の手によるもの。2輪用として開発され、4輪用を転用した他社製より各車にフィットさせやすいと言う。

パネルでの説明には、「二輪専用ダンパー向けの電子制御式油圧バルブを新開発し、理想に近い操縦性や乗り心地を実現」「ストロークセンサーをダンパーに内蔵してコンパクト化、低コストに貢献」と書かれている。

10RやGSX-Rも採用したサスが電制化

その第1弾がバランスフリーフォーク&ショックに電子制御機構を組み込んだ「SHOWA EERAバランスフリー・ダンピングフォース」。Bluetoothで接続したスマホやタブレットで簡単に減衰や車高が調整できるといったサブ機能も斬新だ。制御に必要なストロークセンサーを内蔵することで小型化と低価格を実現。OEMやリプレイスサスとしての早期発売を目指していると言う。ショーワのバランスフリーサスは、電子制御化されていなくても伸び側圧側の減衰機構を独立化することで比類ない路面追従性を実現した高性能サスペンション。これをさらに上回る乗り心地に期待大だ。

イーラは、Bluetoothで接続したスマホやタブレットで簡単に減衰や車高が調整できるので、後付けの電制サスとしても有望だ。

アフリカツインも電サスに?!

同時にショーワは従来型のカートリッジタイプサスにも電子制御化したモデルも発表。こちらはアフリカツインに装着したデモ車が展示され、話題を呼んでいた。イーラシリーズは、すでに「量産可能な状態」とショーワはアナウンス。国産電サスを搭載した新マシンの登場が待ち遠しい!

人とくるまのテクノロジー展に出品されたアフリカツインには、電子制御ダンパー&車高調整が搭載されている。ダンパー調整は走行状況に応じて可変するセミアクティブタイプで、車高はイニシャルを電制で調整することで20mmの可変幅を確保している。