YM倉庫発掘団

50Γ Racer・イカス!の巻

45年の歴史を誇るヤングマシン編集部では、お宝写真が発掘されることもしばしば。さて、このたび編集部員シロが掘り出したるこの写真。「このΓ50レーサー、一体なんなのか分かります? シブいんで調べてくださいよ」ということで、調べてみました!(もっと他にあるだろ!)

イェ〜いアルミツインチューブフレームだぜェ〜

このマシンは’86年にSRSスガヤが筑波選手権S50クラス参戦用に開発したスズキ・RG50Γレーサー。SRSスガヤと言えば、当時スズキ2ストエンジンのスペシャリストとして君臨していたコンストラクター。TT-F3やF1では大活躍を見せていた。そんなSRSスガヤがS50にも本気参戦のために作り上げたとあって、調べてみると中身もスゴイ! ノーマルとはまったく違うオールアルミのツインチューブフレームを持ち、エンジンもスガヤオリジナルのシリンダーやφ26mmのフラットバルブキャブレター、インナーローターPEI点火でチューンされてピークパワーは1万6000rpmで発揮されるようになっていた。馬力は未公表だったが、ノーマルの7.2psなんて笑っちゃうくらいブッチぎってしまってたんだろうなあ。

しかも、こんなスペシャルマシンを操るのは女性! このS50参戦にはレディースチームで臨むということで公開オーディションまで開催していたというから驚きだ。当時は50クラスといえどレース界は今とは比べ物にならないくらい「人」も「技術」も、そしてそれを動かす「お金」も贅沢に投入されていたんだなあと実感することしきり。ほんま、スゴイ時代やったんやね〜。

記事掲載は1986年3月号。表紙の似顔絵かぶり物は、スペンサー&ローソンもどきです! 谷田部でゼロヨン&最高速アタックの巻頭特集でした。良き時代ですねぇ〜。

ちなみに現在のSRSスガヤさんはコンストラクターではなく、墨田区本所で大正年間から続く家業の「うるし紙 菅家」を継いで本業としていらっしゃいます。しかしながら、その傍らで最近は400・500・250・V250のΓシリーズやGT380用など復刻チャンバーの受注生産も受け付けているようですよ。