いわゆる“旧車”の王様的な存在といえばカワサキZ1だろう。‘72年のデビューから45年を経た今でも、その人気と価格高騰はまさに衰え知らず。そんなZ1人気も「ここまで来たか」と思える、なんと1200万円の値札を掲げたZ1が見参! それもそのはず、あり得ないほどの希少価値を携えた、超スーパー激レアなZ1なのだ。
フレームナンバー、なんと3番! エンジン番号も同じく3番だ
‘72年に量産車初の並列4気筒・DOHCエンジン(903cc・82ps)を搭載して登場、ホンダCB750フォアから世界最速の座を奪い取り、レースでも大活躍した稀代の名車がカワサキ900スーパー4、通称Z1だ。
その人気は留まることを知らず、‘75年まで生産されたZ1シリーズ中でも、ノーマル状態を保った‘72〜73年の初期モデル(型式名Z1)の極上車ともなると、その価格は今や500万円に届こうかという状態。‘74年式(同Z1A)や‘75年式(同Z1B)も言うに及ばず、最近では外装変更でほぼZ1のルックスを手に入れられることから、Z1系の後継機種である‘76年のZ900や、‘77〜78年のZ1000も相場が上昇しているほどだという。
そんなZ1人気もここまで来たか……と思わされるのが、埼玉県のガッツモーターサイクルが販売中(※)の‘72年式Z1。その価格はなんと1200万円! 過去から現在まで、日本で販売されたZ1系(カスタム車を除く)の車両価格としては、恐らく最高額なのではないだろうか。
※:2017年8月10日現在
もちろん、これにはれっきとした理由がある。旧車愛好家が「初期型」を珍重するのはご存知だろう。Z1系でこれに相当するのは先述の‘72〜‘73年なのだが、中でも生産数が少ない‘72年式は、細部のディテールが‘73年式以降と異なる「極初期型」として、マニアの熱い視線を集める垂涎のモデルなのだ。
ここに紹介するZ1も希少な‘72年式なのだが、さらに特筆すべきなのはフレームナンバーとエンジンナンバーが「3番」なこと! 兵庫県にある川崎重工の企業ミュージアム「カワサキワールド」にフレームナンバー1番のZ1が展示されているのは有名だが、つまりはZ1の量産車として3番目に世に放たれた、超歴史的な個体というわけなのだ。
ただでさえマニア垂涎の存在で、高価で取引されている‘72年式Z1。今回の車両はそこにフレームナンバーが3番という、初期型マニアにとっては目眩がするほどの希少価値が乗る個体。一般的には「なぜそんなに高いの!?」と驚きを隠せない価格だが、Z1マニアにとっては今すぐにでも手に入れたい、まさに幻のお宝というわけだ。