
サンダンスを代表するレーシングマシン「デイトナウェポン」のIとIIが揃い踏みとなるイベント展示は史上初だ! さらに同社のストリートマシンのフラッグシップである「Trans-Am」や「COBRA」スタイル、スーパーXRやスーパーXR-TC、ロボヘッドなどのオリジナルエンジン単体も間近に見ることができるぞ!!
●文/写真:青木タカオ(ウィズハーレー編集部)
デイトナを制した伝説のマシンが代官山に出現!
日本が世界に誇るサンダンスハーレーのレーシングマシン「Daytona Weapon I」と「Daytona Weapon II」が、代官山蔦屋書店(東京都渋谷区)に出現した!
1998年にアメリカ・デイトナスピードウェイのBOTT(バトル オブ ザ ツイン)F-1クラスを制覇したデイトナウェポンIや、同年の鈴鹿8耐を完走を果たし、2006年のデイトナBOTT F-2クラスで圧倒的な勝利を飾ったデイトナウェポンIIの並ぶ姿は、圧巻としか言いようがない。
これは「世界的ハーレーエンジニア、サンダンス“ZAK”柴崎による工学書『ハ―レーダビッドソン ダイナミクス』フェア」と題したポップアップイベントで、代官山蔦屋書店2号館1階クルマ/バイクフロアにて、1月15日から2月4日にかけて行われている。
1998年に鈴鹿8耐を完走。2006年のデイトナBOTT F2クラスでは、圧倒的勝利を飾ったデイトナウエポンII。
1982年に創業して以来、「安全で楽しく」「耐久性が高く」「飽きないフィーリング」の“ハーレーらしいハーレー”のカスタムやレストレーションに尽力してきたサンダンス。代表である“ZAK”柴崎の技術をまとめた集大成的な1冊が、2023年4月に発売された『ハ―レーダビッドソン ダイナミクス』(発行:マガジンマガジン/発売:ジュネット/3960円)。デイトナウェポンについても、388ページにも及ぶ分厚くずっしりと重い、この本で詳しく解説されている。
日本を代表するハーレーショップ・サンダンスエンタープライズのすべてを網羅する技術指南&カスタムバイクスタイルブック『Harley-Davidson DYNAMICS』。柴崎”ZAK”武彦著/388ページ/B5平綴/3960円
展示車両は1週間程度での入れ替えを予定しており、サンダンスのフラッグシップマシンであるTrans-Am(トランザム)の最高峰モデル「Gator」や、リペイントしバージョンアップを果たした「Super XR Avante」、オリジナルスイングアームのソフテイルフレームにSuper XR-TCを搭載した「Silver Phantom」、そしてCOBRAスタイルなどサンダンスを代表するカスタムが目白押し。バイクファン垂涎の趣向が凝らされたポップアップイベントとなっている。
デイトナウェポン I
1992年、アメリカフロリダ州デイトナスピードウェイで開催されたバトルオブツインに参戦すべく、まったくゼロの状態からフレームを製作し、3ヶ月後の本番の決勝に向けて過酷なスケジュールで生み出された、サンダンス初の純レーシングマシンが「デイトナウェポン I」。
1997年のデイトナBOTT F1クラスで優勝を果たしたデイトナウエポンI。
1987年、ビューエルの開発を兼ねてプロトタイプのレースマシンを製作し、国内のツインレースに参戦を開始したサンダンスだが、その際に感じた数々の問題点をデイトナウェポン Iでは改善。まず重いエンジンのデメリットを軽減するため、フレームは楕円パイプの軽量アルミとし、スイングアームピポットまわりの構造を改良。ボディまわりもアルミタンクとカーボンフェアリングで製作されており、タンクは拳銃、カーボン製のフェアリングは日本の鎧兜をモチーフとし、文字どおり「Weapon」ににふさわしいデザインが与えられている。
もちろんエンジンユニットもマシン名にふさわしい戦闘力となっており、セミダウンドラフトのツインポートスポーツスターミンジンを独自設計で製作。1992年のデイトナスピードウェイ初参戦から数々のトライ&エラーを繰り返し、最終的には同コースで最高速285km/hを記録。1998年には最高峰のバトルオブツインF-1クラスで優勝を果たしている。過酷な状況下での挑戦を繰り返し、現在のサンダンスの技術的な礎を築いたといっても過言ではない金字塔的なマシンだ。
Daytona Weapon I
デイトナウェポン II
デイトナウェポン Iによるレース活動での経験をふまえ、メンテナンスの高効率化と更なる高みを目指して、1997年に翌年夏の鈴鹿8耐参戦という大きな目標に向けて制作された次世代のレースマシンが「デイトナウェポン Il」だ。
新型スーパーXRレーシングエンジンは、英サクソン社と共同開発したアルミフレームに独自の新設計ラバーマウント方式で搭載。ショックユニットはペンスキーに特注で依頼し、ホイールはモトGPと同様の16.5インチ鍛造マグ削り出し製と英ダンロップのデイトナスリックで武装。8耐レギュレーションの28Lガスタンクもコンパクトにデザインし、アルミ叩き出しで製作。カウル内部は前後に空気がスムーズに流れるトンネル構造で、エンジンの冷却効率向上と空気抵抗軽減を再立させている。
Daytona Weapon II
外観はウイングの断面形状のフォルムをモチーフにし、革ツナギも同時に製作することで、ライダーが伏せた時にすべてが一本化するデザインとし、エアロダイナミクスにも大変優れている。材質は万一の転倒時にライダーの保護を考慮したカーポンケプラー繊維のコンポジットを採用。その他新設計のエンジンをはじめ、数多くのアイデアを満載、多くのパーツに2つ以上の役割を持たせ、軽量化とスペースセーブの両立を徹底的に追求している。
新しくして日英合作フレームと日米合作構造エンジンのレースマシンが誕生し、1998年3月にデイトナで発表。その4ヶ月後には8耐に初参戦ながら完走、その後テイトナでも2度出走し、いずれも優勝を果たした。
アパレルも限定販売
さらにポップアップ開催に合わせた数量限定のアパレルも販売。数に限りがあるので、気になる人は早めに足を運んだ方がいいだろう。
イベントは2月4日まで開催中
今回のイベントについて、その反響の大きさに蔦屋書店の担当者も驚いているとのこと。ウィズハーレー取材班が行った時も、ファンたちが2台のデイトナウェポンを取り囲みじっくり眺めていた。話を聞くと、展示車両が入れ替わるので、2月4日までの開催期間中は「足繁く訪れたい!」と教えてくれた。
「世界的ハーレーエンジニア、サンダンス“ZAK”柴崎による工学書『ハ―レーダビッドソン ダイナミクス』フェア」は、代官山蔦屋書店2号館1階クルマ/バイクフロアにて2月4日まで開催中。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ウィズハーレーの最新記事
“ハーレーの今”がわかる! 現在、ハーレーラインナップの中で人気を二分しているのが、「ブレイクアウト」と「ローライダーST」だ。どちらも1923ccもの排気量を持つ空油冷Vツインエンジン“ミルウォーキ[…]
元世界王者・魔裟斗もハーレーを通じてみんなとつながった! 「すれ違いざまに手を振り合ったりするなど、ハーレー乗りたちとすれ違うと(面識がなくても)仲間意識があるんですよね」と、集まったライダーたちに話[…]
FLHXSE CVOストリートグライド:CVOでは唯一となるバットウイングフェアリング フラッグシップモデルを象徴するバットウイングフェアリング。そのアイコンを持つ最上級仕様が「CVOストリートグライ[…]
FLHX ストリートグライド:ワイドグライド譲りのファイヤーカラーも選べる! 2025年式ストリートグライドは、その象徴的なバットウイングフェアリングとLEDライトを融合させたモダンなスタイルを持つグ[…]
FLHXU ストリートグライドウルトラ:ストリートグライドを名乗る、伝統のウルトラモデルがついにデビュー! ハーレーダビッドソンのフラッグシップモデルが、フルモデルチェンジを果たした。その名は「FLH[…]
最新の関連記事(イベント | ハーレーダビッドソン)
元世界王者・魔裟斗もハーレーを通じてみんなとつながった! 「すれ違いざまに手を振り合ったりするなど、ハーレー乗りたちとすれ違うと(面識がなくても)仲間意識があるんですよね」と、集まったライダーたちに話[…]
世界に名高いカスタムビルダーも! カスタムショーに新作を持ち込めばアワード常勝のカスタムビルダーたちがやってくる! 世界を舞台に活躍し、今年で25周年を迎えた「LUCK Motorcycles」と、大[…]
ナショナルハーレーデー:世界中のハーレー乗りと一緒に! ハーレーダビッドソンの故郷・アメリカはもちろん、ヨーロッパでも豪州でもアジアでも、世界中のハーレー乗りたちが一斉に走る日、それが「ナショナルハー[…]
コラボイベントの事前告知はSNS 「ウィズハーレー誌とのコラボ企画! イベントの模様は誌面にて掲載されます!!」 イベント開催が決定後、すぐにハーレーダビッドソン川口、そして関連店舗のSNSやホームペ[…]
1万4000人が詰めかけたブルスカ2025 山下ふ頭の特設会場は横浜ベイブリッジを臨む広大なもので、世界限定 1990台限りのアイコン コレクション「ファットボーイ グレイゴースト」のお披露目をはじめ[…]
人気記事ランキング(全体)
新設計の502cc・4気筒エンジンを搭載するフルカウルスポーツ ホンダは、中国で開催された重慶モーターサイクルショーにて4気筒エンジン搭載の新型モデル「CBR500Rフォア(CBR500R FOUR)[…]
BOAフィットとfuzeGELで安定&衝撃吸収 「ウィンジョブ CP306 BOA」はダイヤル操作で締め具合を調整するBOAフィットシステムを採用し、甲まわりをムラなくホールドできます。衝撃緩衝材とし[…]
伝家の宝刀「V4」搭載のキング・オブ・クルーザー エックス ディアベルといえば、マッシブなクルーザーとして「素の」ディアベルとはひと味違った走り、満足感が得られると評判のモデルでした。 新型は、今やド[…]
裏地には90周年モデル限定カラー 1935年の創業から、絶えず革ジャンを作り続けてきた株式会社カドヤが、90周年という節目を迎える今秋、ブランドの歴史を象徴しつつ現代のライディングシーンに応える、特別[…]
ポケットに収まる高洗浄力! これがケルヒャークオリティだ 林道ツーリング後の付着しまくった泥やロングツーリングでこびりついた虫の死骸。海沿いを走った後のベタつく潮風…。バイク乗りにとって、汚れと洗車は[…]
最新の投稿記事(全体)
“水冷”と、その存在感から「ウォーターバッファロー」の愛称も 1971年の東京モーターショーにGT750が出品された当時、観客はラジエーターの大きさや、フィンの見えないシリンダーブロックに目を丸くした[…]
125ccのMTバイクは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)[…]
デカいバイクに挑むロマンがここにはある これまで何度か噂には上っていたが、遂にそのときがやってきてしまった。’92年の初代BIG-1ことCB1000SFから30年以上の長きに渡り、ビッグネイキッドのみ[…]
ヤマハが6年ぶりにファクトリー復帰! ホンダHRCが迎え撃ち、スズキCNチャレンジが挑む! 2025年8月1日~3日に開催された「”コカ·コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第46回大会」では、4連[…]
東京ビッグサイトのような会場が熱気に包まれる 日本のお隣であり、スクーターが一大人気を誇ることでも知られる台湾にて例年開催されている「台湾モーターサイクルショー」を取材してきたのでレポートをお届けした[…]
- 1
- 2