
ハーレーダビッドソンにとって、”カスタム”は切っても切れない楽しみのひとつ。『ウィズハーレー』誌が、多くのオーナーの参考となりそうな最新カスタム車両を紹介する。今回は遠藤自動車が仕立てた、ペイントに特徴を持つ「ショベルヘッド」2台を紹介する。
●文:青木タカオ モリヤン(ウィズハーレー編集部) ●写真:宮下豊史 モリヤン ●外部リンク:遠藤自動車
リジッドボバー1979ショベルヘッド:彫金&塗装! ゴージャスな装いをボバーで追求!!
ヴィンテージカスタムハーレーを専門とする遠藤自動車のフラッグシップと言える代表的なフォルムだ。低く長い、シンプルで無駄のないミニマムな装いの中で、コストと手間を度外視したボバースタイルにフルカスタムされている。
スプリンガーフォークのフロントエンドから短くチョップされたリヤフェンダー、サイドマウントされたライセンスプレートの上に配置されたトラディショナルなテールランプに至るまで、どこを見ても徹底的に手が込んでいて、その完成度の高さに息を呑む。
まず目を引くのがショベルヘッドモーターだ。SUキャブを含めて、たっぷりと彫金(エングレービング)が施され、リジットフレームに積まれている。
ワンオフのナローピーナッツタンクは鮮やかなシャンパングリーンにペイントし、ゴールドリーフを大胆に描くことでゴージャスなムードをよりいっそう高めた。目の肥えたチョッパーファンらが名古屋に集まるカスタムバイクイベント『ジョインツ2024』の会場でも、ひときわ注目された傑作だ。
◆前後19インチのスポークホイールに履くのは、ファイヤーストーンのデラックスチャンピオンタイヤ。
◆ナローピーナッツタンクやマフラーはワンオフ。ハンドル/ステップ&ペグ/フットコントロール/サドルシート/オイルタンク/SUキャブのファンネル/アイドルスクリュー/キックペダル/ジョッキーシフト/マフラーエンドキャップ/イグニッションスイッチカバー/テールランプは遠藤自動車のオリジナルパーツ。
◆塗装と彫金はG CLASSICCUSTOM PAINTによるもので、ミスミエンジニアリングのビレットミラーやマフラーエンドなど細部にもエングレービングが施され、仕上がりは芸術の域。
リジッドボバー1980ショベルヘッド:日本の伝統文様を用いたペイントに熱視線!
大径21インチに細身のタイヤをセットし、軽快に立ち上がるフロントビュー。スプリンガーフォークからタイトなハンドルへ繋がるラインがなんとも美しい。
いちどフロントへ出てから、プルバックされてカーブを描くハンドルバーは形状が流麗だ。シンプルであることを追求し、ライザーは使わずトップティに直接溶接されているのも見逃せない。
ワンオフのナローピーナッツタンクはハイマウントされ、チョッパーなテイストをより強く強調している。
そのペイントもまた眼を見張るもので、サイドにフレイムス、上面には日本の伝統文様を見る者に想起させる鱗(うろこ)柄を描いた。いつまでも眺めていたくなるほど上品で優雅。エアブラシを用いて縁取りをぼかし、全体のデザインと馴染ませている。
モノトーン基調のシックなデザインでありながら、艶の有無で多彩な表情を魅せる。ラインはアイボリー、フレイムス部分は艶消しのスティンググレーで塗装し、左右対称の柄とした。
◆フレームのネックからリヤアクスルへ向かうまっすぐなラインに潔さを感じるショベルリジッドチョッパー。
◆遠藤自動車のオリジナルパーツが随所に使われ、美しいハイクオリティなペイントは、Knock Garageによるものだ。
◆ショベルヘッドエンジンは、こちらもオープンプライマリーにしている。前後ブレーキにブレンボのキャリパーがおごられ、制動力をアップ。ショベルヘッドエンジンにはSUキャブが組み合わされて扱いやすい。
◆短くカットされたフェンダーからは18インチのタイヤが姿を見せるが、幅をスリムにしたスッキリとしたテールエンドにしている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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