
コレは歴史的シーンだ! あのモリワキエンジニアリングが、ハーレーX350用スリップオンマフラーを製品化へ向けて開発中。ウィズハーレー編集部の車両にプロトタイプマフラーを装着し、ハーレーダビッドソン公式イベント『ブルースカイミーティング名古屋』で世界初披露した。そして展示だけでなく、イベント会場にて音出しも行った他、さらにこちらももちろん世界初となる走行シーンを会場のクローズドコースで見せたのだから、驚きを隠せない!!
●文:ウィズハーレー編集部 ●写真:増井貴光 ●外部リンク:モリワキエンジニアリング
ストリートに映えるつや消しブラック2本出し!!
2023年12月よりスタートしたWITH HARLEY編集部のX350カスタムプロジェクト。さまざまなパーツメーカーからの協力によりX350用のカスタムパーツが発表され、市場を賑わせるようになった。
そんな中、2024年7月に編集部に打診してきたのが、ストリートはもちろんレースシーンでも大活躍のあのモリワキエンジニアリング。モリワキとしても初のハーレー用、ということもあり、編集部および間を繋いでくれたPLOTとともに開発がスタート。これは以前の記事でもお伝えしたとおりだ。
編集部がカスタムマフラーが欲しくて全国を奔走。ハーレー市場にぜひ参入してほしいモリワキ、ヨシムラに懇願 実のところ、編集部がまず話を持ち込んだのはヨシムラジャパンだ。2024年3月の大阪モーターサイク[…]
どのようなデザインのサイレンサーがX350に似合うのか? モリワキ本社にてさまざまなサイレンサーをあてがってみた。もちろん性能面や音質でもユーザーを裏切らないためにはどうすれば良いのかを社内で検討し、開発が進行。
排気ガス検査、そして音量検査を問題なくクリアすることでとんとん拍子にほぼ製品版に近いプロトタイプが完成。ついに『ブルースカイミーティング in 名古屋』でのお披露目となったのだ。
『ブルースカイミーティング in 名古屋』のウィズハーレー&モリワキブース。右手のオレンジカラーのX350がモリワキマフラーを装着した車両だ。
マフラーはスリップオンタイプ。エンジンにつながるエキゾーストパイプは純正品。エンジン真下でモリワキマフラーにジョイント。
マフラーの材質はステンレス製で、カワサキ エリミネーター400用に使われているクロスツインサイレンサー。X350に似合うようにショートタイプをセレクトしている。開発チーム曰く、全域でパワーフルな特性になったという。
消音装置は車体真下に隠れるように配置。そのためサイレンサーがすっきりしている。エキゾーストパイプはノーマル。サイレンサーに合わせて艶消しブラックで塗装するのも面白そうだ。モリワキからは耐熱塗料が販売されているのでこれを利用したい。
会場騒然! まさかの走行OK
そのモリワキマフラー。当初予定していたのは会場での展示のみであったが、ブルースカイミーティング名古屋を主催するハーレーダビッドソンジャパンの担当者をはじめ、出店する東海エリアの正規ディーラーからの「ぜひとも音を聴きたい」という強い要望もあり、イベント開催前の段階でエンジン始動&サウンドチェックが許された。
「音出しOK」については、モリワキおよびウィズハーレーのSNSなどを通じて、あらかじめ告知していたこともあり、「音を聴かせてほしい」と会場に足を運んでくれたファンもいたから嬉しいかぎりだ。
ツインマフラーは乾いた歯切れの良い排気音を奏で、来場者は舌を巻いて聴き入った。
そしてなんとモリワキは、こうした反響に応え、驚くことにクローズドコースでの走行を許可してくれたのだ。もちろん会場に衝撃が走った!
ハーレーダビッドソンジャパンもまた、2024年モデルの試乗用に用意した特設コースを、ランチタイムの空いている時間に使わせてくれるという、たいへん粋な計らいである。
プロトタイプながら仕上がっている!
そうして酷暑の中、前代未聞となるモリワキエンジニアリング初のハーレー用マフラーの走行シーンが公開されることとなっていく。
吸排気のセッティングを詰めてこそ、本来の性能をフルに発揮できるのがエキゾーストシステム。開発段階において走行音を公開するのは、メーカーにとってはきわめて異例中の異例と言える。
しかもライダーに抜擢されたのは、『ウィズハーレー』の青木タカオ編集長。秘密裏に進められて当然である新作マフラーを社外の者に触れさせ、乗らせてしまうというのは、開発がかなり進んでいると考えられると同時に、モリワキにとっても歴史上類を見ない初のハーレー用とあって、かなりの意欲作であり絶対的な自信作であると思わぬほうが不思議だ!
そして酷暑の中、パラレルツインの伸びやかなサウンドが名古屋港に響き渡った。低中回転域のピックアップや高回転の伸びなどパワーフィールを限られたスペース内でありながらも、じっくりと時間をかけて乗った青木タカオは、「ギクシャクしないでスムーズにつながっていき、扱いやすい!」と目を丸くした。
「まさに歴史的シーンだ!」と、青木は感慨深い。そしてこう続ける。
「1981年の第4回鈴鹿8時間耐久レース。フルチューンしたZ1000のエンジンを、大排気量車では初となるアルミフレームに搭載した“モリワキモンスター”。のちに世界GPチャンピオンになるワイン・ガードナーが乗り、2分14秒76というタイムを叩き出しポールポジションを獲得したのだ。モリワキモンスターと、若かりし日のワイン・ガードナーはレースファンの間では伝説となっているが、世界初のハーレー用モリワキマフラーを走らせた青木タカオもいまこの瞬間、伝説になったのだ」
ひとり、勝手に身震いするのであった。
モリワキ・ハーレーダビッドソンX350用スリップオンマフラーは2024年秋に予約受付開始になる見込み。目が離せないぞ!!
サウンド&走行画像を動画でチェック!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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