
『ウィズハーレー』は、ハーレー初心者向けのメディア。X350の発表会でそれを再確認し、使命感に駆られた結果、イベントを見に来ていたハーレーダビッドソン川口(埼玉県)のスタッフを捕まえ、その場で注文。迅速な行動の結果、2023年12月、同店の1号車として納車してもらえた。実車を前にした途端、カスタム欲がむくむくと首をもたげたが、純正のオプションパーツが皆無。「わかりました、編集部がなんとかしましょう」と国内の主要パーツメーカーに直訴してきた。正式な取り付け確認は時間の関係上できていないが、簡単だったり工夫次第では装着できそうな汎用パーツ、そして今後メーカーとして開発したいパーツを聞いてきたぞ。
PLOT(プロト)
バイクや自動車用などのパーツを自社開発したり海外製品を輸入しているプロト。バンス&ハインズやS&Sを取り扱っていることで、ハーレーユーザーにも親しみのあるメーカーだ。
今回フィッティングをした製品は、オリジナルブランドのEFFEXシリーズ。バイクのポジションをオーナーに合わせてカスタムできる。
ラインナップには、ハンドル/シート/ローダウンサス/リンクがある。ハンドルは車種別で設計されたキットが主流だ。ワイヤー類の交換のいらないサイズで、スイッチボックス装着用の穴が空いているのが特徴。これらも含め開発をしていきたいと意欲的な反応を見せてくれた。
【EFFEX(エフェックス)ゲルザブR】シートに被せるだけでお尻の痛みを低減! 純正シートの厚みはかなり薄い。これから慣らし運転を兼ねてツーリングに出かけたいが、長時間着座するとお尻が痛くなりそう。2023年グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞したゲルザブは、シートの上に被せるだけで圧力を分散させ、痛みを緩和することが可能だ。●価格:1万1880円
【バーエンド GEMINI アルミ ブラック/ポリッシュ トライアンフ用】 カスタム度が高く美しいバーエンド。英国のブランド・モートーンカスタムズ(Motone Customs)のバーエンドをフィッティング。トライアンフ用だったが、装着できた。まるでX350用にあつらえた品のようだが、走行テストをしたわけではない。X350用として登場することを期待したい。●価格:4730円
【ドラレコカメラステーフォーククランプタイプ(φ49-φ54用)】 納車時に装着したいドラレコ用ステー。前後カメラが一般的となったドライブレコーダーで、本体はシート下に入れられるが、問題となるのは前後カメラの取り付けだ。プロトのステーは倒立フォークの太いアウターチューブにも対応している。●価格:1980円
ACTIVE(アクティブ)
全日本ロードレースをサポートしているアクティブ。積極的にフィッティングしたのは、X350のポテンシャルをよりアップさせる製品たちだ。
同社は、オランダ製のサスペンション・ハイパープロや鍛造ホイールのグライドなど、ハーレー用のパーツをラインナップしているが、どちらも走りをより強調するアイテムだ。これらも含めて同社の主力製品を開発担当者たちが数多く持ち寄り、時間の許すかぎりあてがったり各部の計測をした。
具体的な話には発展しなかったが、同社にはバックステップやエンジンスライダーのラインアップもあるので、今後、X350用に開発されることを期待したい。
【車種専用アジャスタブルビレットレバー/STFレバー】 純正レバーはやや遠いので、販売を切望! 純正レバーにも位置調整がついているが、男性にしては手がやや小さい自分にとって、一番近くに調整しても位置が遠い。色も長さも選択できるアルミレバーに交換できると、操作性だけでなく質感も向上し満足度が高いカスタムに。※X350/500用の設定は未定
【パフォーマンスダンパー】イヤな振動を軽減し、ライディングを気持ちよく。一方で車体の共振を抑え、乗り心地だけではなくハンドリングも向上させるパフォーマンスダンパー。車種専用のステーが必要となり、実走行テストの後にデビューとなる。こちらの開発はかなり先となりそうだが、乗り味を変えられるので登場を期待したいパーツのひとつだ。※X350/500用の設定は未定
【ハイパープロ サスペンション】高性能サスでポテンシャルをさらに引き出す。ストリートで出会うさまざまな路面状況や走るシチュエーションにマッチするように開発した、オランダの生まれのサスペンション。車種別に設定されていて、スプリングのみ、またはサスペンションユニットを丸ごと交換となる。アクティブでは日本仕様向けに本国オーダー。輸入後全品検品をするだけでなく、アフターサービスも充実している。パープル色のスプリングがイメージカラーだが、カラーオーダーも可能だ。※X350/500用の設定は未定
【ゲイルスピード アルミ鍛造ホイール】運動性能が飛躍的にアップする軽量高剛性ホイール。リヤまわりをスタイリッシュに見せるには、フェンダーレスキットが必要不可欠。汎用品を工夫して装着するのも良いが、ナンバーの視認性やウインカーの取り付け位置など、法規制に対応するのは大変。アクティブは車種専用設計品をラインナップしている。どうやら近日中に作ってくれそう?? ホイールは雰囲気を変えるだけでなく、運動性能を飛躍的に向上させることができる。編集部としては金色が好み。※X350/500用は未設定
【LEDナンバーサイドウインカーコンパクト】編集部熱望のフェンダーレスキット。●価格:1万7600円(写真は汎用品) ※X350への装着は難しい。車種専用品を待とう
DIRTFREAK(ダートフリーク)
オフロード、とくにモトクロスやエンデューロを楽しむライダーに認知度が絶大のメーカーがダートフリークだ。近年はホンダのクロスカブ/GB350を、ダート系/スクランブラー系など土の匂いを感じさせるカスタムをするためのボルトオンパーツを多数開発している。
X350は、ダートトラックレーサーであるXR750をモチーフに作られているが、同じ土系でも林道を走ることをイメージしたスクランブラー風のカスタムにはもってこいのメーカーだと考え、協力を仰いだ。
案の定、ハンドルまわりにガード類を装着するだけで雰囲気をガラリと変えることができた。
【ZETAプロ アーマーハンドガード ベンド】アルミ製のガードはカラバリあり。●価格:1万4410円 ※汎用だがX350への取り付けは難しそう。工夫次第か?
【ZETA RACING ソニックハンドガードPCキット/161オフロードミラー】 土の匂いを感じるカスタム。森の中を走る際に、木々や前走車の跳ね上げた石から手を守ったり、転倒時にレバーが折れるのを防ぐためのハンドガードは、オフロード車ならではの装備だ。ソニックハンドガードはそのライト版。防風効果と正面からの衝撃を緩和する。林道走行時に邪魔にならないよう、ミラーも可倒式を装着したところ、一気にオフロード車っぽい雰囲気に様変わりした。●価格:1万9800円/161オフロードミラー(左/右用各2200円/本) ※装着はできたが、位置等に調整を詰めて確認していないので、参考まで。
【ZETA ヘッドライトガード】飛び石からレンズを守れ! こちらも全走車が巻き上げる石からライトレンズを守るガード。左はフレームがアルミ、中央のクリヤ部分はポリカーボネート製で頑丈。右のルーバータイプは開発中の品。機能製品だが、車両のイメージをガラリと変えるアイテムとしても活用したい。車種専用設計なのでX350用の製品化を期待しよう。※X350/500用の設定は未定
【サイドバッグベース オンロードタイプ】積載性を向上するサイドバッグ。キャリヤの設定がないのならソフトバッグを購入しよう。防水バッグならば突然の雨でも気にならない。汎用品なので、工夫次第でX350に装着でき、バッグ同士を連結することで積載能力を向上することもできる。●価格:1万3200円/個 ※写真はホンダGB350への装着例
【ZETA アルミニウムフットペグ】 ステップ交換で足元をハードにキメる。ツーリングモデルなどのカスタムでも見かける、スパイクピンのついたワイドステップ。ジャンプの時やシートからお尻を離した時に、ステップの上でスタンディングで足が滑らないようにするものだ。●価格:1万4850円 ※X350用の設定は未定
DAYTONA(デイトナ)
バイクショップの店頭に置かれる分厚いカタログで有名なデイトナでは、若いスタッフが中心となってX350に駆け寄り、さまざまなパーツをフィッティング。
ミラーだけでも数えきれないほどのラインナップがあり、純正と同じ位置やバーエンドへの装着イメージを撮影できた。撮影はできなかったが「初心者向けの車両であればエンジンガードやフレームスライダーが必要でしょう。ツーリング仕様ならスクリーンも」などの発言も出るほど、開発に意欲的だった。
小型ウインカーやドラレコなど、加工は必要だがすぐに装着できる製品もあるので、頼りにしたい。
【VELONA 電気式タコメーターΦ60】読みにくい回転数を針表示に。メーター表示の切り替えで回転数表示が可能だが、表示スペースが小さく文字が読みにくい。せっかくの針式のスピードメーターなので、同じ針式のタコメーターが装着できるのが理想的だ。左にオフセットしているので、装着スペースもバッチリ。●価格:1万6500円
【(左)ヘンリービギンズ シートバッグ 4L/(右)ヘンリービギンズ DH-757 シートバッグPROⅡ Sサイズ】シートにしっかり固定できる汎用バッグ。ヘンリービギンズのシートバッグは、容量やスタイルの違いで数多くのラインナップがあり、シートの裏側にベルトを通すことで確実な固定ができる。バックル接続なのでワンタッチで脱着も可能だ。
●価格:9900円 / 1万9800円
【(左)ハイサイダー バーエンドミラーモンタナ EVO ブラック/(右)ハイビジミラー™ EDGE M10 ブラック/ロー(逆ネジ)】 アルミ削り出しミラーで、質感/視認性が高い。X350の純正ミラーは、M10ボルト/ナット13mm。左のナットは逆ネジで、右は正ネジなので、脱着時は注意したい。さらに気をつけたいのが、鏡面の面積や形状などが法規制に沿ったものかどうかだ。デイトナの製品は、その点でどれを選択しても安心してカスタムを楽しむことができる。左のバーエンドミラーは、ハイサイダー(HIGHSIDER)というドイツのメーカー製で、質感がとても良い。●価格:1万4300円(1本) / 2860円(1本)
TRIJYA(トライジャ)
法律で定められた角度で作られ、かつリヤサスペンションがボトムした時にリヤタイヤに接触しない、絶妙な角度のフェンダーレスキット。シート高の数字は低く見えるものの、シートの幅が広く足つきが悪い純正の内腿に当たる場所を削り、中央部をアンコ抜き。こちらは施工サービスがすでに開始されているので、気になる方はすぐにでも問い合わせを。
※この記事で紹介しているパーツは適合確認がまだ取れていないため、購入&装着はご注意ください(2023年12月時点)。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
ウィズハーレーの最新記事
ホンダやヤマハなど国内車両メーカー用のパーツ、排気量問わずに原付からスーパースポーツ、さらにはレース関連をサポートするパーツを得意とするメーカー。今回X350用のパーツでハーレー市場に参入した。 ここ[…]
ゲイルスピード タイプE/N/R 鍛造アルミホイールメーカーとして名高いゲイルスピード。ストリートからレースシーンで活躍しているカスタムホイールだ。サイズはいずれも純正と同じF3.5-17/R5.5-[…]
欧州スタイルの正規販売店イベント 週末をハーレーダビッドソンディーラーで過ごし、ブランドの世界観の中で仲間たちと過ごす。ヨーロッパにて行われているH-D正規販売店の『HARLEY NIGHT(ハーレー[…]
クラウス:オーリンズ ツーリングモデル用フロントエンド クラウスとオーリンズとのパートナーシップにより実現した、ツーリングモデル専用設計のフロントエンド。アグレッシブな走りを支える高次元の路面追従性/[…]
空冷スポーツスター用カスタムパーツを世に送り出し続けているグリーミングワークス(大阪府)。一方で水冷スポーツスターSやナイトスター用パーツもラインナップし、自然な流れでX350用パーツの開発も手がける[…]
最新の関連記事(カスタム&パーツ)
オークションで購入したシート、2~3cmの裂けたようなキズが… 筆者が某大手オークションサイトで購入した、純正コブラシート。「これでイメージチェンジするぞ! 」と思っていたのだが、購入前に気になってい[…]
プラス11万6600円(工賃別)でカフェスタイルに変身! 2025年式のヤマハXSR900に対応する、フロントカウルおよびシートカウルがワイズギアより発売された。 フロントカウルは、車両本体のカラー[…]
XSR900GPとの組み合わせでよみがえる”フォーサイト” ベテラン、若手を問わずモリワキのブースで注目したのは、1980年代のモリワキを代表するマフラー、「FORESIGHT(フォーサイト)」の復活[…]
ホンダやヤマハなど国内車両メーカー用のパーツ、排気量問わずに原付からスーパースポーツ、さらにはレース関連をサポートするパーツを得意とするメーカー。今回X350用のパーツでハーレー市場に参入した。 ここ[…]
ガンマのエアクリーナーがない!? 今回の主役は、伝説的な2ストマシン「RG400ガンマ」。最大排気量クラスの2ストで、今ではもう絶対に作れないような“傑作”です。 キャブは大掃除して組み立て完了。エン[…]
人気記事ランキング(全体)
ヤマハ RZV500R「2ストV4エンジン搭載で衝撃のデビューを果たしたYZR500レプリカモデル」 ライトウエイトピュアスポーツからレーサーレプリカへの橋渡しであり、起点とも言えたヤマハ RZ250[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
4ストローク2気筒の『オフ・ザ・ロード』 国産4ストローク2気筒型オフロード車を語る上で外せないバイクが1970年登場のホンダSL350です。SL350は1970年代のホンダ車の中でもレアな存在ですが[…]
GPz900Rを受け継ぐ実用系最速マシン【カワサキGPZ1000RX】 1983年にTT-F1の排気量上限が750ccに引き下げられた結果、リッターバイクはレースの呪縛を解かれて独自に発展し始める。 […]
軽量化とパワーアップの両面を果たしたフルモデルチェンジ フルモデルチェンジが実施された2018年モデルの発売は、2018年2月1日。2017年モデルまでのニンジャ400は、海外向けのERシリーズをベー[…]
最新の投稿記事(全体)
アプリで『もてぎ2&4レース』決勝を予想してプレゼントをGETしよう! モーターサイクルロードレースの国内最高峰、全日本ロードレース選手権 Rd.1『もてぎ2&4レース』が、4月19日[…]
レストア/整備/カスタム/販売など絶版車に関するすべての分野でサービスを提供 古いバイクを海外から輸入して販売する場合、車両によって程度の違いはあれ必ず整備が付随する。 元々のコンディション次第ではレ[…]
やっぱり「素手」が好き! いきなりですが、筆者はかなりの作業を素手で行っています。ていうか、素手が大好きです。ボルトを回すにしても、工具を持って締め付けるにしても、とにかく手先にダイレクトに伝わる感覚[…]
ファクトリーマシンが進化して帰ってきた! スズキは東京モーターサイクルショーのプレスカンファレンスで、2025年の『Team SUZUKI CN CHALLENGE』の体制発表を行った。メーカーとして[…]
スズキ株式会社は、2025年4月1日より、39年ぶりにコーポレートアイデンティティ(CI)とユニフォームを一新すると発表した。 ユニフォームのデザインは、1986年から使用しているブルゾン、パンツ、帽[…]
- 1
- 2