ハーレーカスタムやインジェクションチューニングを手がけるHSC(静岡県)は、ユーザーとの交流も盛んに行なっている。ツーリングイベントも精力的に開催し、’22年最初のツーリングは全員で願掛けする初詣ショートランだった。初詣ツーリングを計画したのは’21年末ごろ。ちょうどコロナの第5波が収まっていた時期だった。そのままなら問題なかったのだが、その後に第6波が襲来。本来はランチパーティーも予定していたが、計画は修正され、走りと神社参拝を中心としたツーリングとなった。
やっぱり、みんなで走るのは楽しいよね
今、バイクがブームだという。新型コロナ禍にあってソーシャルディスタンスが求められる中、最適なホビーとして再認識されているからだ。
どんな理由があるにせよ、バイクの魅力が浸透していくのは良いことだ。特にハーレーは、ツーリングに最適なバイクとして長い歴史を育んできたメーカーだから、認められるのは当然のことだろう。そんなご時世に行われた、HSC主催のマスツーリング。参加台数は少し減ったとのことだったが、それでも40台以上が集った。
当初の計画では、2店舗あるショップを出発して、途中の道の駅にて合流。初詣を済ませた後は、ショップに戻ってランチパーティーという予定だったが、1月当初からのコロナ第6波の影響により、ランチパーティーは中止。初詣後のルートを変更して、お昼ごろには解散するという、ラン主体のショートツーリングとなった。
早朝から快晴という真冬の休日。普段なら気の良い仲間が集まれば会話も弾むところだが、参加者全員マスク着用/過剰なスキンシップを控える等のスタンスを守って、初詣ツーリンングは開始された。
あまり言葉を交わさなくとも、仲間と走るのは楽しいこと。沼津店を出発したメンバーは、富士山をバックに国道1号をひたすら西へと進み、途中の道の駅にて、静岡店のメンバーと合流。さらに西へとバイパスを使って移動する。
初詣の場所は島田市にある大井神社だが、バイクの数が多いので、境内は避けて市役所のパーキングを利用した。そこから徒歩で神社に向かう光景が、なかなかおもしろい。どこから見てもバイク乗りな集団がマスク着用で街を練り歩く姿は、コロナ禍でなければかなり異様な光景に違いない。そんな出来事は早く昔話になってほしいと願いながら、神社にたどり着いた。
各自初詣を済ませた後は、海岸線を目指して南下する。有名な御前崎灯台に続く海岸ルートを気持ち良く駆け抜け、富士山の眺めと清水港が見下ろせる日本平を目指す。パーキングで集合写真を撮影して、そのまま解散。お昼ごはんをドライブインで取るメンバーは誰もいないのだが、なぜだか質問してみると、「そりゃ地元だから、各自美味しい店をよく知っているんだよ。それに大勢で食事するわけにもいかないご時世だから、解散さ」という答えが帰ってきた。なるほど、納得。
早朝から出発したツーリングは、一般道だけの走行で、お昼すぎにはお開き。真冬のツーリングだから、日照時間も短いことを考えると、これぐらい余裕があるのがちょうど良いとも言えるだろう。しかも、このご時世である。新たな年を迎えて仲間の元気な笑顔を見るだけでも、楽しい気持ちになるものだ。マスツーリングの楽しさは、距離に比例するものではない。
HSCの佐々木社長は言う。「コロナが収束したら、最近できなくなったことをどんどんやりたいですよ。なにしろみんなもっと走りたいはずだから、北海道ツーリングの計画なども温めています。イベントにもたくさん参加したいですしね。それまでは我慢しなくちゃならないですが、ウチのお客さんはみんな元気ですよ」
どんな環境でも時代でも、自分の相棒となるのがバイクの魅力。仲間の存在も重要である。そんなことを再認識させられたショートトリップだった。
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