
「芦ノ湖スカイライン」は箱根エリアを代表する人気ツーリングスポット。美しい富士山や芦ノ湖のパノラマを望みながらのワインディングは、バイク乗りなら一度は体験したい絶景ロードです。本記事では、芦ノ湖スカイラインをバイクで走る際に役立つ通行料金、アクセス方法、立ち寄りたい絶景スポットを詳しくまとめました。
●文&写真:ヤングマシン編集部(カイ)
芦ノ湖スカイラインとは? バイク乗りに人気の理由
富士山の麓に点在する富士五湖のひとつ、芦ノ湖は箱根の人気観光地ですが、湖の西側の尾根に沿って通じているのが芦ノ湖スカイラインです。
全長約10.7kmの有料道路で、富士山と芦ノ湖を一望できる絶景ルートは適度なワインディングと路面の整備状況が良く、快適に走行可能なためライダーにとっては聖地とも言うべきツーリングスポットです。
峠から峠を結ぶルートであるため、ほぼすべてがワインディングロードとなり走り応えはバツグン。アップダウンや様々な曲率のコーナーが連続しますが、ルート上にはバイクやクルマを駐められるスペースが数多くあるため、初心者でも自分のペースで走れます。
また、四季折々の景色(新緑・紅葉・冬景色)が楽しめるのはもちろん、同時に芦ノ湖周辺の観光地を散策するにも絶好です。
西には富士山、東には芦ノ湖を望めるスカイライン。道路整備状態も良く、約10.7kmに渡ってワインディングロードが続き、ツーリングの楽しさを存分に満喫できる。バイクを駐輪できるスペースが道中に数多くあり、初心者でも休憩しながら走ることができるのも人気だ。
芦ノ湖スカイラインの通行料金と通行時間
通行料金は、バイク(自動二輪車。125cc以下は通行不可)は本線と湖尻線通行時は500円、湖尻線のみの場合は200円。これは片道のみの料金です。
ま季節・時間帯による割引やキャンペーンが行われることもありますので、芦ノ湖スカイラインのホームページは事前にチェックしましょう。路面凍結などで交通規制がある場合も、ホームページでアナウンスされています。
また、通行可能時間は基本的に7:00〜19:00ですが、季節により変動もありますので注意が必要です。
バイクでのアクセス方法
芦ノ湖スカイラインへのアクセスは、大きく分けて御殿場方面からの湖尻峠経由、そして箱根峠から本線に向かうルートがあります。以下に代表的なアクセスルートを紹介します。
東名高速道路からのアクセス
- 御殿場IC→国道138号経由→県道401号線→県道75号線→湖尻料金所→芦ノ湖スカイライン
東名高速道路の御殿場 ICで降り、県道401号線で乙女峠を越えて県道75号線にアクセス。芦ノ湖スカイラインの北の起点となる湖尻料金所から本線に入ることができる。湖尻料金所から本線までの区間は二輪車200円。南の料金所を通る際に通行券を見せて差額の300円を支払う。
箱根新道・箱根峠側からのアクセス
- 箱根峠IC付近→芦ノ湖スカイライン入口
小田原厚木道路から箱根新道を経由し、箱根ICで降りるとすぐに芦ノ湖スカイラインの接続道路にアクセスできる。芦ノ湖スカイラインの青い大看板が目印だ。
箱根ターンパイクからのアクセス
- 小田原厚木道路→箱根ターンパイク→芦ノ湖スカイライン入口
東京方面からなら、東名高速道路の厚木ICから繋がる小田原厚木道路を経由し、アネスト岩田ターンパイク箱根(箱根ターンパイク)を駆け上がって向かうルートがオススメ。大観山展望台からの富士山を臨む眺望も素晴らしい。
周辺のおすすめ立ち寄りスポット
快適なワインディングロードは走るだけでも楽しいが、芦ノ湖周辺は観光地もたくさん点在しています。芦ノ湖スカイラインを走ってからも良し、芦ノ湖スカイラインに向かう前に立ち寄るのもアリです。中でもオススメの立ち寄りスポットを紹介します。
- 箱根神社
- 大涌谷
- 箱根関所跡
- 道の駅 箱根峠
箱根神社は、芦ノ湖を挟んで芦ノ湖スカイラインの対岸にある関東総鎮守のお社。鬱蒼と樹木が茂った境内は癒やしと心休まる空間となり、近年ではインバウンドでも人気の箱根観光スポットだ。
大地の営みが絶景を築く箱根屈指の人気観光地が大涌谷。立ち枯れた樹木、吹き上がる噴煙、立ち込める硫黄の匂いなど、まるで別世界に来たかのような風景が広がっている。ただし、大涌谷へのアクセスは平日でも渋滞しているので注意が必要だ。
写真左は芦ノ湖スカイラインに一番近い「道の駅 箱根峠」。気軽に休憩するのに丁度よい道の駅だ。国指定史跡の箱根関所(写真右)は、江戸時代の関所を復元した歴史情緒あふれるスポット。
バイクで立ち寄りたい芦ノ湖スカイラインの絶景スポット
芦ノ湖スカイラインは東に芦ノ湖、西に富士山を臨み、絶景を味わえる展望スポットがルート上に数多くあります。代表的な展望スポットを紹介しましょう。
杓子峠(しゃくしとうげ)
標高1030m地点にある展望スポット。富士山の全景を望める人気撮影ポイント。
芦ノ湖スカイライン南の起点、箱根峠料金所からしばらく進んで全体の中間地点、北は富士山、西は南アルプス、南は伊豆半島や駿河湾を一望できる。日没時間が早い時期には裾野市や沼津市の夜景も見下ろせる。
三国峠
富士山・駿河湾・相模湾を同時に見渡せるパノラマビュー。朝焼けや夕景も絶景。
かつての相模国・駿河国・伊豆国の国境に位置していたことが名前の由来となる三国峠。富士山の全景が臨める、芦ノ湖スカイラインで最も見晴らしの良い展望スポット。富士山、南アルプス、駿河湾、伊豆半島まで見渡せる。
箱根芦ノ湖展望公園
芦ノ湖スカイラインから箱根スカイラインへ向かう途中にある展望台。芦ノ湖と富士山を一度に望めるビュースポットで、大涌谷の全景も見ることができます。
芦ノ湖スカイラインを北に進むと、別料金の箱根スカイラインに接続しているが、この箱根芦ノ湖展望公園は箱根スカイラインのルート沿いにある。芦ノ湖と富士山、大涌谷まで一望にできるので、ぜひ足を伸ばしたい。
ツーリングを楽しむための注意点
芦ノ湖スカイラインのツーリングを楽しむためにはいくつか注意すべき点があります。まず通行料金は現金払いのみですので、事前に小銭や紙幣を用意しましょう。
高地にあるため天候によっては濃霧や路面凍結のリスクがあります。通行規制があるか芦ノ湖スカイラインのホームページで事前に確認するのがベターです。
絶景が続くのでバイクを路肩に停車して撮影したくもなりますが、芦ノ湖スカイラインは指定場所以外全線駐車禁止です。危険ですかた必ず展望駐車スペースを利用してください。
また、気持ちの良いワインディングロードではついついスピードがのってしまいますが、芦ノ湖スカイラインは全線40km/h制限になっています。速度超過には注意しましょう。
芦ノ湖スカイラインには食事ができるレストハウスが2軒営業しています。いずれも箱根峠料金所側にある「レイクビュー」と「フジビュー」です。温かい食事やスイーツなど、絶景を見ながらの休憩にはもってこいです。
芦ノ湖はしばしば濃霧が発生し、麓では晴れていてもまったく視界が効かなくなることも珍しくない。冬季には路面凍結もあるので、規制情報を事前に芦ノ湖スカイラインのホームページで確認しよう。また、料金は現金決済なのでこちらも注意。
ルート上で食事ができるレストハウスは2軒ある。いずれも箱根峠料金所寄りだが貴重な存在だ。フジビューはその名の通り富士山を展望する立地で、ヘリコプター遊覧飛行の発着場所が隣接している。
レイクビューは芦ノ湖を一望できる高台にあり、芦ノ湖スカイラインのツーリングでは是非立ち寄りたい場所のひとつ。温かい食事だけでなく、ソフトクリームなどの冷たいスイーツも販売している。
まとめ
芦ノ湖スカイラインは、富士山や芦ノ湖を望む絶景とワインディングが楽しめる、バイク乗りにとって外せないツーリングロードです。通行料金やアクセス方法を事前にチェックし、安全運転で絶景ツーリングを満喫してください。
また、周辺の箱根観光とセットにして計画を立てるのも良いでしょう。日帰りでも十分楽しめますが、点在する温泉に宿泊するプランもオススメです。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ツーリング)
霊山を巡る中部日本トライアングルルート 「日本三霊山ラリー」は、古来より日本の山岳信仰の対象とされてきた富士山、立山、白山の3つの頂を巡るツーリングラリーだ。このルートは「中部日本トライアングルルート[…]
多忙なライダーに送る、半日の自由を快適に! 今回発売するのは、『一日をかけてツーリングに行くことができないライダーに「半日」でも息抜きのツーリングに行っていただきたい!』をコンセプトにハーフデイツーリ[…]
地域の課題をライダーが解決 舞台となるのは、兵庫県北部の養父市と朝来市にまたがる日本遺産「鉱石の道」だ。ここは、かつて日本の近代化を力強く支えた鉱山の史跡群が点在する、歴史ロマンあふれるエリア。しかし[…]
地図上で、走りたい道にドラッグ&ドロップでルートを編集可能に 「ルートアレンジ」機能とは、スマホ向け『ツーリングサポーター by NAVITIME』にてルート検索後に、ドラッグ&ドロ[…]
ふだんは走れないマシンで、絶景ロードを独り占め 「クラシック&原付・スペシャルバイク走行撮影会」は、伊勢神宮への参拝をゴールとする「おかげ参りツーリングラリー2025」のスペシャルイベントという扱いだ[…]
最新の関連記事(ビギナー/初心者)
ホンダはEクラッチとDCTの二面展開作戦だ 自動クラッチブームの火付け役として、まず一番目に挙げられるのが今のところホンダCB/CBR650Rとレブル250に採用されている”Eクラッチ”。機構としては[…]
原付でエンジンがかからない主な原因 「原付 エンジン かからない 原因」とネット検索する方が多いように、バッテリー上がりやプラグの劣化、燃料不足など、複数の原因によってエンジンを始動できなくなるケース[…]
原付バイクのオイル交換目安とは? 交換頻度のポイント 内燃エンジンにとって、潤滑/冷却/密封/清浄分散/防錆を担うエンジンオイルは、まさに血液とも言うべき重要なパーツです。 常に高温にさらされてエンジ[…]
どうする? スクーターのエンジンがかからない ※これはまさに、筆者が直面した実話です。我が家のスクーター(TODAY)に乗ろうと思って、車庫から引っ張り出しました。ちょっと久しぶりですね。エンジンをか[…]
夏場は100℃超えも珍しくないけれど… いまやバイクのエンジンは“水冷”が主流。安定した冷却性能によってエンジンパワーを確実に引き出すだけでなく、排出ガス/燃費/静粛性の面でも水冷の方が空冷より有利な[…]
人気記事ランキング(全体)
初の電動スクーターが「C evolution」 2017年、BMWモトラッドは初の電動スクーター「C evolution(Cエボリューション)」を発売。それまでのガソリンエンジンを搭載したC650に通[…]
低く長いデザインが個性マシマシ! レトロモダンなボバークルーザー 中国から新たな刺客がやってきた! ベンダは2016年設立の新興メーカーで、独自設計のエンジンを搭載したクルーザーを中心に、ネイキッドな[…]
国内導入予定はないけれど……のZ125プロ カワサキは北米で2026年モデルを続けざまに発表している。ここで紹介するZ125プロは、前年から全カラーに採用したゴールドの倒立フロントフォークに加えて20[…]
古いゴムは硬化するのが自然の節理、だが・・・ ゴム部品は古くなると硬くなります。これは熱・酸素・紫外線などによる化学変化(酸化劣化)で、柔軟性の元である分子の網目構造が変化したり、柔らかくする成分(可[…]
トップス&インナー 機能性抜群な冬用パーカー JK-630:1万3000円台~ 伸縮性の高い透湿防水生地を使用したウインターパーカー。保温性に優れた中綿入りなので、暖かさをキープし快適なライディングを[…]
最新の投稿記事(全体)
芦ノ湖スカイラインとは? バイク乗りに人気の理由 富士山の麓に点在する富士五湖のひとつ、芦ノ湖は箱根の人気観光地ですが、湖の西側の尾根に沿って通じているのが芦ノ湖スカイラインです。 全長約10.7km[…]
ホンダはEクラッチとDCTの二面展開作戦だ 自動クラッチブームの火付け役として、まず一番目に挙げられるのが今のところホンダCB/CBR650Rとレブル250に採用されている”Eクラッチ”。機構としては[…]
既存の常識を打ち破る驚異的な動力性能 昨今ではあまり話題にならないものの、’70年代以降の2輪業界で、もっとも長く”世界最速”の称号を保持していた…と言うより、もっとも世界最速に”こだわっていた”メー[…]
霊山を巡る中部日本トライアングルルート 「日本三霊山ラリー」は、古来より日本の山岳信仰の対象とされてきた富士山、立山、白山の3つの頂を巡るツーリングラリーだ。このルートは「中部日本トライアングルルート[…]
スーパースポーツ譲りのエンジンと幅広いシーンに対応する車体 CB1000Fは、ホンダの代表的なプロダクトブランド「CB」のフラッグシップモデルと位置づけられている。 スーパースポーツモデルのエンジンを[…]
- 1
- 2