
●文/写真:モトツーリング編集部(カン吉)
ここを走る事がツーリングライダーの夢!
ツーリングライダーなら誰もが憧れる北の大地、北海道。定番の場所ながら、現在も全国の旅人達からの支持は圧倒的。必然的に長期旅になる事から、その外見より「ミツバチ族」や「カニ族」といったツアラー達を指す独自の呼び方も発生。かつては社会現象となる程の、一大ツーリングブームを巻き起こした場所でもある。
北海道は感動的な絶景ポイントや爽快ロードも大変多いが、中でも多くのリピーター達を魅了して止まないのが、この「日本海オロロンライン」だ。日本海側の小樽市と日本最北端の稚内市を結び、総延は実に300km以上にもなる壮大な海岸ロード。中でも最北端へのハイライトとなる、約68kmの道道106号線区間は「北海道で最も有名な道」と呼んでも過言でない大絶景が待っている。
利尻富士を遠望する青い空に、紺碧の海。緩やかな海岸丘陵地帯を貫く、果てしない直線道路。そう、ここがあの夢にまで見た北海道を代表する絶景ロードなのだ。
北海道を旅するライダーは実にリピーターが多い。毎年10年以上連続で訪れている旅人も全く珍しくないのだ。北海道はそこら一帯が絶景。スケールも本州の比ではなく、1回や2回の訪問では到底廻りきれるものではない。しかし、そんな多くの絶景もいつかは「慣れ」が来る。当たり前の事だが、同じ場所を訪れる度に最初の感激を保つ事は大変困難なのだ。
しかし、この風景は何度訪れても新しい感激が待っている。特に変化がある訳でもない。去年・一昨年を同じ空気と同じに同じ景色。ビジュアルはほぼ変わらない。だが、確実に感情に突き刺さり「慣れ」を感じる隙を許さない何かがあるのだ。
オロロンラインの風景は、もはや旅人達の原風景と言えるのだろう。初訪問の旅人達のほぼ全員がその光景のダイナミックさに感激するが、リピーターとなってもその感激は全く色褪せる事が無い。あの利尻富士と直線道路のコラボを見る度に「ただいま!帰ってきたよ!」と呟きたくなる。
この「帰ってきた…」感が北海道の、そしてオロロンラインの醍醐味であり尽きない魅力なのだ。北の大地は遠い。しかし魅力は深い。バイクを持っているならば、ぜひ行って頂きたい。原付でも全く構わない。そこに新しい旅人生の扉が待っているに違いないのだ。
オロロンラインは正確には小樽~稚内を繋ぐ総延300kmにもなる海岸ルートの事を指すが、旅人達の間では、この道道106号の区間を指して呼ばれる事も多い。夏草と青空と果てしなく続く道。ライダーなら一度は憧れるあの道がここにある。
オロロンラインの名所の一つであるオトンルイ風力発電所。CMで見た事がある方も多いに違いない。道路に沿って林立する発電プロペラが何とも言えない異世界感を醸す。プロぺラ直下で巨大なブレードの風切り音を体験してみよう。
利尻島・礼文島を望む絶景も堪能できるが、霞や霧等も多い為、良運も若干必要かもしれない。バイクを路肩に停めてしばし休憩。時の経つのを忘れる光景がある。
バイクで行くなら、船でしかアクセスできない事も、北海道の魅力に大きなアクセントを加えているに違いない。豪華大型客船に乗船する事自体が非日常空間。たとえ荒天であろうが、自然と期待感は高まる。
幻想的なオロロンラインも冬は一変。台風並みの暴風雪が吹き付ける大変危険なルートへと豹変する。これもまたオロロンラインの魅力。夏も良い。が、冬のオロロンを愛する変態ライダーもいるのだ。
ここを走る旅人が必ず訪れる宗谷岬。日本最北端、旅の終着地だ。夏でも冬でも季節を問わず岬は旅人を静かに待っている。キミもバイク乗りならば、人生一度は我が国の最北端を見てみようじゃないか!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ツーリング)
長距離ツーリング休憩時の立ち寄り場所の参考に 本記事の作成にあたり、AIの補助を借りつつ、「東名高速道路 グルメ おすすめ」「サービスエリア ランキング」「各SA PA名 グルメ」といったキーワードで[…]
空と大地が出会う場所に生まれた最新グルメスポット 明治期の開墾以来、総面積約5000ヘクタールの「牧之原大茶園」を中心に豊かな茶文化が息づいていた日本一の茶畑を誇る“お茶のまち”静岡県牧之原市。 空へ[…]
レイザーラモンRGほかスペシャルゲストも多数参加 株式会社バイカーズパラダイスが、神奈川県南足柄市とタッグを組み、本格的にバイク乗りを歓迎する取り組みをスタートさせる。これは「バイク乗りによる地域創生[…]
日本が誇る雄大な自然を体感する一大ツーリングイベント 「日本三霊山ラリー」は、古来より日本の山岳信仰の対象とされてきた富士山、立山、白山という3つの頂を巡る壮大なツーリングイベントだ。石川、富山、静岡[…]
ドラマの熱を受けて6年ぶりの精進湖涼湖祭を8月4日(月)に開催 脚本のバカリズム&主要キャストからも特別応援メッセージが!! 涼湖祭の復活を祝して、脚本のバカリズムさん、主演の市川実日子さん、[…]
最新の関連記事(モトツーリング)
チェリーパークラインはピストン路 信州とは長野県のことである。古来より信濃国であった同地は、国を表す州の字を用い信州と呼ばれるようになった(他に甲州や武州などあり)。信州と言うと絶景道のビーナスライン[…]
まるで極楽浄土に迷い込んだような景色 例年は、9月ごろが見頃の埼玉県日高市の巾着田の曼珠沙華。2024年は暑さが長引いたせいか、10月前半が見頃とのことで、さっそく、日高市に向けてツーリングに出かけた[…]
市内の対象各店舗で割引やプレゼントが 魚沼市と福島県を結ぶ国道252号線・国道352号線は、風景の良さなどでライダーから好評価を集めている、国道だ。ほかにも、魚沼市には自然景観、グルメ、体験、温泉など[…]
2つのワイヤーシステムで足全体をホールド 足との一体感を構成し、足首まで保護してくれるハイカットシューズ。登山靴やレーシングブーツ、バスケットシューズなどに多いのも足首をしっかりホールドすることで靴の[…]
Screenshot バイクだからこそ行きやすい秘密の絶景を紹介! インバウンドが活況の中、日本の著名な絶景地はどこも混雑していて、せっかくリフレッシュしにツーリングに出かけたのに、人が多くて景色も見[…]
人気記事ランキング(全体)
4気筒の「ニンジャZX-R」、2気筒「ニンジャ」計6モデルに10色を新設定 カワサキは欧州でフルカウルスポーツ「ニンジャ」ファミリーのうち、4気筒モデル「Ninja ZX-6R」「Ninja ZX-4[…]
ミニカーとは何かがわかると登録変更のハードルもわかる まず「ミニカー」とは、法律上どのような乗り物として扱われるのか、基本的な定義から押さえておく必要がある。実はこれ、道路交通法上では「普通自動車」扱[…]
ヤマハFZR400:極太アルミフレームがレーサーの趣 ライバルがアルミフレームで先鋭化する中、ついにヤマハもFZの発展進化形をリリースする。 1986年5月に発売されたFZRは、前年に発売されたFZ7[…]
ピカイチの快適性を誇り、タンデムユースも無理ナシ ようやく全日本JーGP3の開幕戦が近づいてきて(記事制作時)、最近はバイクに乗るトレーニングもスタート。 筋力が増えたことで、これまで苦手だった車種で[…]
50ccでも実用カブとは別系統のOHCスポーツ専用エンジンを開発! ホンダは1971年に、50ccではじめてCBの称号がつくベンリイCB50を発売した。 それまで50ccにもスポーツモデルは存在したが[…]
最新の投稿記事(全体)
歩行者が消える?超危険な「蒸発現象」による事故を防ぐ方法 2024年10月、岡山県内の道路である現象が原因となる交通事故が起きました。横断歩道を渡っていた高齢の女性をクルマがはねた、という事故です。ク[…]
2025年6月16日に83歳になったアゴスティーニのスペシャル仕様 MVアグスタは欧州で、同ブランドが2025年で創立80周年を迎えるとともに、Agoことジャコモ・アゴスティーニ氏が83歳の誕生日を迎[…]
今年の夏〜秋に走りたい、日本全国のおすすめ「ツーリングロード100」 今回、新たにヤングマシン”D”(電子版)に新規で掲載(追加)された特別ページとは、「TOURING ROAD by YMD 100[…]
バイク用ヘルメットに特化した消臭・除菌機 MAXWINの「MUFU MF-C1」は、バイク用フルフェイスヘルメットなどの小空間に特化したオゾン除菌/消臭機で、ニオイのこもりやすいヘルメット内を15分〜[…]
全天候に対応! 防水仕様の高機能バックパック アールエスタイチの「WPカーゴバックパック RSB283」は、急な雨でも安心な防水気室を2つ搭載。メイン収納とフロントポケットの両方に防水加工が施されてお[…]
- 1
- 2