2本目/3本目として持っておきたいラチェットハンドルとしておすすめなのが、ヘッドとハンドルの角度を任意に調整できる首振りタイプ。首振り機構には、小判型のヘッドの根元にジョイントがあるタイプと、丸型ヘッドに回転軸を持つスイベルタイプの2種類があり、どちらも狭い場所での使い勝手が良い。スイベルタイプは、ハンドルを立てることでソケット差込部と一直線になり、ドライバーのように使えるのも魅力。本記事ではソケットレンチ専門メーカー・コーケンのラチェットを紹介しよう。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:山下工業研究所
ハンドルとソケットが一直線になる丸形ヘッドのスイベルラチェット
丸型ヘッドの中心に支点を置くことで、ハンドルを180度振れるスイベルラチェット。ハンドルと差込部を90度にすれば通常のラチェットと同様にトルクをかけられ、ハンドルを立てれば早回し作業で重宝する。
ただし、ハンドルの先割れ部分がヘッドの両側まで伸びるため、小判型の首振りタイプよりヘッドがかさばるのが弱点となる。
固定ヘッドでも首振りでもコーケンラチェットの美点は共通
ソケットレンチ専門メーカーであるコーケンには、全長違い/プッシュボタンの有無/ロック機構の有無など、首振りラチェットハンドルにもさまざまなバリエーションがある。
3774PLは、差込角3/8では長めの全長265mmで、作業中に不意にヘッドが傾かないようロック機構が付く。ギヤ数は24歯で、言うまでもなく空転トルクは軽い。
作業スピードアップに役立つ12ポイントソケットを活用したい
ラチェットハンドルの首振り機能に加えて、ソケットを6角(6ポイント)にするか12角(12ポイント)にするかで作業性が左右されることもある。コーケンは6角も12角もボルトやナットの角部を傷めにくいにくいサーフェイスドライブを採用しており、12角は6角の半分の回転角度でアプローチできるため、狭い場所でも使いやすい。
ラチェット機能がなくても、スピンナハンドルなら早回しも大得意
ソケット差込部とハンドルの角度を変えられるという点で、見逃せないのがスピンナハンドル。ラチェットがないと物足りなく感じるかもしれないが、きつく締まったボルトに強いトルクを加えながら早回しもできる利便性の高さは、一度体験すると目から鱗が落ちるはず。ラチェットヘッドがなくスリムなので、狭い場所も得意。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
プッシュスルースプリットビームトルクレンチ:作業後のゼロ点戻しが不要。反時計回りの測定も可能 角断面のトルクレンチ本体内部に内蔵された板バネは、調整ノブでトルクを設定した段階では負荷がかからず、ボルト[…]
高いポテンシャルを持ちながら肩の力を抜いて乗れる二面性で大ヒット セローが登場した1985年は、オンロードでは本格的なレーサーレプリカブームが到来する頃でした。オフロードも同様で、パンチのある2ストロ[…]
オーバーホール済みだからこそ末永く大切にケアしよう 筆者がバイク仲間のガレージへ遊びに行くと、フルレストアが仕上がったばかりのホンダCB350EXPOが、メンテリフターの上で鎮座していた。長年の友人に[…]
50ccスクーターでバイクいじりを楽しむ 女性向けやビジネス向け、スポーツモデルからハイグレードタイプまで、かつては原付免許を取得したライダーが一度は所有したことがあったのが50ccスクーターだった。[…]
旧車や絶版車のメンテナンスに最適。使い勝手の良い水性&中性タイプ 塗装やメッキで表面処理を行っても、進行していく金属のサビ。旧車や絶版車ユーザーにとって、サビは常に悩みのタネだ。 サビの上から直接ペイ[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
愛車を長期保管する前にやっておきたい「4項目」 本格的に寒くなるこれからの季節は、バイクに乗りたい気持ちはあっても、温かい時期に比べると走りに行く機会が少なくなってくる方も多いことでしょう。ましてや、[…]
プッシュスルースプリットビームトルクレンチ:作業後のゼロ点戻しが不要。反時計回りの測定も可能 角断面のトルクレンチ本体内部に内蔵された板バネは、調整ノブでトルクを設定した段階では負荷がかからず、ボルト[…]
高いポテンシャルを持ちながら肩の力を抜いて乗れる二面性で大ヒット セローが登場した1985年は、オンロードでは本格的なレーサーレプリカブームが到来する頃でした。オフロードも同様で、パンチのある2ストロ[…]
オーバーホール済みだからこそ末永く大切にケアしよう 筆者がバイク仲間のガレージへ遊びに行くと、フルレストアが仕上がったばかりのホンダCB350EXPOが、メンテリフターの上で鎮座していた。長年の友人に[…]
最新の関連記事(コーケン)
Z-EALメタルケースセット:バイクはもちろんクルマでも重宝するシブイチアイテム網羅セット ヘッドの中でガタつかず空転トルクが軽い72歯ギヤのラチェットハンドル、薄さと短さを追求したスタンダードソケッ[…]
エアーコンプレッサーを設置したら、インパクトレンチとソケットをセットで持っておきたい ガレージにコンプレッサーを置いたら、絶対欲しいインパクトレンチ。作業効率が格段に向上する。メッキ仕様が多いハンドツ[…]
新構造ロック機構でソケットとの一体感アップ。接合部の精度が秀逸なエクステンションバー ソケットレンチは、ソケット内側のディンプルに差込部のボールが入って接合される。スプリングでボールを押す一般的な差込[…]
明確な個性を持つ30種類のラチェットハンドル デザインや製品番号を変えることなく、ラチェットハンドルの要点であるギヤ数を36→72歯に倍増させたコーケンZ-EALの3/8インチシリーズがデビューしたの[…]
差込角1/2インチの12ポイントソケットで最大32mmのボルトナットに対応 ソケット差込角1/2インチのソケットレンチは、ボルトナットが大きく締め付けトルクも強い。エンジンや足まわりにはガッチリした作[…]
人気記事ランキング(全体)
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
一定以上のスピードの車両を自動的に撮影する「オービス」 結論から言うと、基本的にバイクはオービスに撮影されても捕まらない。そもそもオービスはバイクを取り締まるつもりがない。ただし警察にもメンツがあるか[…]
第1位:JW-145 タッチパネル対応 蓄熱インナーグローブ [おたふく手袋] 2024年11月現在、インナーウェアの売れ筋1位に輝いたのは、おたふく手袋が販売する「JW-145 蓄熱インナーグローブ[…]
新色×2に加え、継続色も一部変更 ホンダは、水冷4バルブの「eSP+」エンジンを搭載するアドベンチャースタイルの軽二輪スクーター「ADV160」に、スポーティ感のある「ミレニアムレッド」と上質感のある[…]
寒い時期のツーリング 冬はライダーにとって、本当に過酷な季節です。急激に気温が下がったりしてきましたが、オートバイに乗られているみなさんは、どういった寒さ対策をしていますか。 とにかく着込む、重ね着す[…]
最新の投稿記事(全体)
今シーズンに続き富樫虎太郎選手を起用、新加入は木村隆之介 元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いるレーシングチーム「56RACING(56レーシング)」が、2025年のレース活動概要を発表した。 […]
全日本ST1000とASB1000の両カテゴリーを制す! 開幕2連勝を飾り、常にポイントリードし最終戦を待たずにチャンピオンを決めた全日本ST1000クラスに比べ、ARRC ASB1000クラスは、ポ[…]
一度掴んだ税金は離さない! というお役所論理は、もういいでしょう 12月20日に与党(自民党と公明党)が取りまとめた「令和7年度税制改正大綱」の「令和7年度税制改正大綱の基本的な考え」の3ページ目に「[…]
ヤマハの最先端技術の結晶、それがYZF-R1だ 今からちょうど10年前の2014年11月。イタリアはミラノで開催されたEICMAにおいて、7代目となるヤマハのフラッグシップ“YZF-R1”が華々しくデ[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
- 1
- 2