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明らかに強力な点火火花と国内生産の信頼性で、現行車ユーザーからも高く評価されているASウオタニのSP2フルパワーキット。絶版車にとって必須パーツともいえる同社の製品は、個人や専門ショップからの信頼も厚く、多くのユーザーの意見やリクエストを反映した製品開発やバージョンアップを続けている。そんなウオタニの最近の新製品が、ホンダCB-FとCBXのピックアップASSY。無接点のピックアップとはいえ、製造から40 年以上を経た部品だけに、交換により信頼性が大幅にアップするのは間違いない。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:AS ウオタニ
ボルトオンで取り付けできる機種別開発が特徴。CB-F/CBX用ピックアップASSYが新登場
絶版車に共通する弱点のひとつが点火系。ポイント点火車の場合、接点の消耗や点火タイミングのズレがエンジン性能に大きく影響する。
そんな悩みを解決する救世主として広く浸透しているのが、ASウオタニ製SP2フルパワーキットである。純正コンタクトブレーカーをキットのローター&ピックアップASSYに交換し、専用のコントロールユニットとイグニッションコイルを装着すれば、極太の火花でエンジンコンディションが回復する。
純正フルトラ点火車でもフルパワーキットのコントロールユニットとコイルによる点火系チューニングが可能で、低中速のトルクアップや高回転の伸びが向上するようになる。
ただし、フルトラ車のピックアップ自体が永久に機能するとは限らない。内部の極細コイルが断線する可能性はあるし、転倒などで物理的に破損するリスクもある。
この状況に対応するため、SP2の中でもユーザーが多いホンダCB-F用に開発されたのがピックアップASSYである。これは純正ピックアップと完全に互換性があり、純正の点火系を使用している車両にも取り付けできるのが特徴。
純正部品はすでに販売終了で、ピックアップが信号を送らなければエンジンは始動できないため、同系列機種のオーナーにとって朗報となるはずだ。
SP2フルパワーキットにもノーマルイグナイターにも対応
ポイント点火とフルトランジスタ点火の切り替わり時期に開発されたCB750F系は、ピックアップは無接点ながらローターにはエンジン回転(遠心力)で作動するガバナーが備わり、点火進角は機械的に行っている。
新製品のピックアップASSYはローターの回転を拾ってスパークユニット(イグナイター)に信号を送るパーツで、純正イグナイターでもSP2フルパワーキットでも使用でき、補修部品としても重宝する。
【ホンダCB-F系ピックアップASSY】取り付け方法は純正ピックアップと同様で、ケースカバーから配線を取り出す部分のグロメットも組み込まれている。オイルプレッシャースイッチとニュートラルスイッチ用配線付きなので、ボルトオンで装着できる。■適応機種:CB750F(’79-’83), CB750FZ(’79)〜CB750FD(’83), CB750K(RC01)(1978-), CB750 CUSTOM EXCLUSIVE(RC04)(’80-), CB750 CUSTOM(RC04)(’81-), CB900F, CB1100F, CB1100R ●価格:2万8600円
定期的なメンテナンスが欠かせないポイント点火車と違って、メンテフリーの印象があるトランジスタ点火だが、部品が入手できなくなった時にはかえって面倒なことになる。左側に転倒してピックアップASSYが削れてしまった時には絶対必要になる。
トリプルピックアップのCBX用は受注生産
6気筒エンジンのCBXもCB-F系と同様に、ガバナー組み込みタイプのローターを使用している。SP2 フルパワーキット装着時はSP2コントロールユニットで進角を行うため、ウオタニではガバナーを固定する溶接加工を行っている(CB-F系も同様)。
これまではフルパワーキット使用時も純正ピックアップを流用する前提だったため、これがダメだとSP2も機能しないという課題があったが、製品化によって問題は解決した。
【ホンダCBX用ピックアップASSY(受注生産)】■適応機種:CBX1000(’79-’80) ●価格:4万9500円
CB-F系オーナーに大人気のSP2フルパワーキット
ノーマル比2倍の強力着火と、5〜10種類の点火マップ、200rpm刻みのレブリミット設定など、選りすぐりの素材とデジタル式ならではの細かな制御で点火系を一変させるSP2フルパワーキット。CB-F系用は人気キットの代表格で、レストアやチューニングで幅広く活用されている。ローターは純正部品を流用するがガバナーは不要となるため、ウオタニで必要な加工をしてくれる。グレーのプラグコードはウオタニオリジナル。
【ホンダCB750F用SP2 フルパワーキット(コードセット付き)】■適応機種:CB750F(’79-’83), CB750FZ(’79)〜CB750FD(’83), CB750K(RC01)(’78-), CB750 CUSTOM EXCLUSIVE(RC04)(’80-), CB750 CUSTOM(RC04)(’81-), CB900F, CB1100F, CB1100R ●価格:8万4150円
SP2コントロールユニットは鮮やかなブルーのアルマイトが特徴だったが、ケースの仕様変更により順次ニュータイプに切り替わっていく。内部のユニット基板は従来どおりなので、ケース自体のサイズに違いはない。
点火マップとレブリミッター設定のダイヤルは識別用ラベル付き。CB-F系はピックアップが2個あるので、ユニットハーネスのカプラーも二手に分かれる。青い配線は電気式タコメーター用の信号出力線。
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