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ガソリンエンジンである以上、フレッシュな燃料= ガソリンが供給されて初めて絶好調な走りをしてくれるもの。タンクキャップを開けた瞬間に、給油口に向かって液体がキラッと輝いたので、もしかしたら!? と思ったらその中は案の定サビだらけ。サビを除去する用のケミカルがバイク用品店では様々なアイテムが販売されている。その後のコーティングをしてくれるのでかなり重宝するのだが、お値段がやや高い。それらのタンク用のサビ取り剤を使い前に、まずはサビだらけのタンクの中を洗浄したい。そこで重宝するのは実は家庭用洗剤だって知っていますか?
●文/写真:モトメカニック編集部
エアプレーンタイプのタンクキャップ車の場合は定期的なメンテナンスを
エンジンの不調の原因の1つが、ガソリンタンクへの水の侵入と、それにより発生したサビ。特にエアプレーンタイプのタンクキャップを持つバイクでは“あるある”の症状だ。モトメカニック編集部で過去に整備したヤマハSRXも同じ症状だった。ガソリンタンク側面にピンホール穴が開き、ガソリンが漏れ始めたことがあり、ガソリンを抜き取ったら驚き!! なんと2L近くのサビ水がタンク内から出てきたのだ。
その原因はタンクドレン通路の詰まりで、長年に渡って雨水がタンク内部に浸入していたようだ。しかもドレン通路詰まりの根本的な原因は、通路パイプに差し込むチューブが押されて潰れていたことだった。そんな症状が何年か続けば、いくら雨天未使用のバイクでも、タンク内にはゴミが侵入してしまうもの。エアプレーンタイプのタンクキャップ車の場合は、定期的なキャップの内部清掃と通路の通気確認を実践しよう。
フラッシュサーフェス型タンクキャップやエアロタイプのタンクキャップモデルで多いトラブルのひとつに、ブリーザードレン通路の“詰まり”がある。
エアプレーン型デザインのタンクキャップの場合、キャップ周辺からタンクの底へつながるドレンパイプがある。このドレンは“雨水を放出する”ためのものだが…。
十中八九、タンク内部が“雨水で汚染されている!? 雨水が浸入している!!”と考え、ガソリンをポンプで吸い出してみた。案の定、相当量の泥水なのかサビ水なのか、タンク内から出てきた!! こりゃダメです。
エアプレーンタイプのタンクキャップのリング締め付けボルトを抜き取り、キャップASSYで取り外した。給油口をゴム栓で塞いでペットボトルの水を注いでみると……。脇のドレン穴から水が流れ落ちなかった!!
走行中の粉塵やホコリやゴミがタンクキャップの溝から内側へ落ち、その汚れは雨水や洗車時の水でドレン通路から流れ出る、はずなのだが、実際には思い通りにならないもの。ゴミが詰まって水が流れなくなってしまうのだ。
ドレン通路をエアブローしたら、ポンッ!! という音とともに通気した。いつ頃に通路が詰まったかは定かではないが、通路が詰まると溜まった水はキャップオープン時にタンク内部へと流れ込んでしまう。燃料コックを外すとこの有様!!
家庭用洗剤・ママレモンとお湯で徹底洗浄
タンクキャップ部分からLEDランプのスポットライトと点検ミラーを突っ込んで、内部の汚れを覗き見したが、激しいサビはなく、表面がうっすらサビている感じだった。さてここでおなじみママレモンの登場だ。おおよそビールグラス1杯分をタンクに投入する。
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お湯で希釈しタンク内部を中性洗剤洗浄。
理想的には口切り満タンまで中性洗剤(ビールコップ半分)+お湯(50度で十分) で満たし、キャップを閉じて不要になった毛布などでグルグル巻きにして一晩待とう。翌日、タンク内の洗剤水をバケツに流し出し状況確認。
水道ホースをタンクキャップ部分から突き刺し、水道水を流してタンク内の汚れを洗い流そう。徹底的にやっただけ、より多くのサビゴミ汚れを洗い流すことができる。バットを敷いてチョロチョロ流し続けたら、次々と汚れが出てきた。
タンクキャップのブリーザー機能が詰まるとガソリンが自然落下しにくくなり走行中にガス欠症状を起こしてしまう。ゴミの有無に関係なく、タンクキャップのブリーザー機能は定期的に点検洗浄&エアブローしよう。
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