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’80年代のクラシックTT-F1レーサー好きオーナーからのオーダーに応え、モトジョイ(鈴鹿市)の佐藤健正会長が製作したOV-41。軽量なクロモリ製ダブルクレードルフレームに、同じく軽量なスズキ製油冷エンジンを組み合わせたマシンは、将来的な海外レース参戦を見据えており、まずは初戦としてTOT(テイストオブツクバ)にエントリー。フレームをゼロから作り、国内最高峰のTOTで走らせた結果は? そして今後の方針はどのようなものになるのだろうか?
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:モトジョイ
フレーム作りの起点はスイングアームピボット 「モリワキ時代はフレーム加工をしていましたが、オーヴァーでイチから自分でフレームを設計する段階で『あれ? どこから線を引けばいいの?』って。自分なりの基準を[…]
テイストオブツクバ参戦をきっかけに、海外レースも視野に入れたレーサー開発
創業から間もない’84年にOV-01で全日本TT-F1クラスに参戦して以降、オリジナルフレームのレーサーを作り続けてきたモトジョイ(鈴鹿市)の佐藤健正会長。
’80年代前半のTT-F1イメージで製作された最新作のOV-41は、海外のクラシックフォーミュラレース参戦も視野に入れた仕様で、スペックはTOTの中でもっとも強烈なハーキュリーズクラスの中では控えめ。エンジンの最高出力でも200馬力近くかそれ以上にもなる上位勢に対して、油冷エンジンは数十馬力は劣る。水冷エンジンでは海外のクラシックフォーミュラレースに出られないため、この選択は仕方がないが、それでも予選で59秒076を記録して8番手となり、決勝も同じく8位でゴール。
ストレートはともかくコーナリングで負けていないのは、フレーム作りが巧みだからだ。佐藤会長によれば、フロントフォークのセッティングとフレームのわずかな補強だけで、シャーシはさらに良くなるそうだ。最高出力は水冷勢に叶わないが、ラップタイムにつながるエンジンチューニング方法もあるという。
新型コロナ禍もあり海外レースへの参戦が難しい中、OV-41は’22年5月に開催されたTOTに再びエントリー。どのような進化を果たしたかに注目したい。
市販車用フレームの補強や改造ではなく、OV-41のフレームは完全オリジナル。’80年代からフレームを製作し、クラシックレーサーに対する造詣も深い佐藤会長ならではの、シンプルで無駄のないフォルムが魅力的。「一般的に、一品モノのフレームだと、まともに走らせるまでが大変なことが多いです」とライダーを務めた豊田浩史選手は話すが、OV-41はシェイクダウンからポテンシャルを予感させる走りを見せた。
エンジンはJE製φ82mmピストンで1246cc、カムシャフトはヨシムラST-2、ミッションはテクニカルガレージRUN製の5速クロスミッションを使用。’80年代のレーサー好きにはたまらないフォルムだ。
TOTハーキュリーズクラスでは、加賀山就臣選手のGSX-R1000エンジンを搭載したカタナや光元康次郎選手のH2R、新庄雅浩選手のZRX1200Sなどと戦うことになる。エンジン馬力の圧倒的な差は致し方ないが、改善ポイントは明らかになった。さらに5月のTOTはZX-10Rエンジンを搭載したニューマシン、OV-43(外装はZ900RS!!)をデビューさせる計画も!!
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