
1926年にイタリアのボローニャで創業したドゥカティは、今年、創業98年を迎える。もうすぐ…、とは言わないが、あと2年で創業100周年を迎えるのである。ポルシェエクスペリンエンス東京に集まった新旧さまざまなドゥカティがその歴史を感じさせる。
●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●写真:ドゥカティ ●外部リンク:ドゥカティジャパン
フォルクスワーゲングループの強みを発揮するドゥカティ
4月21日、千葉県木更津市のポルシェ・エクスペリアセンター東京(PEC東京)が、ドゥカティのオーナーズイベントである「Ducati Day 2024」の会場となった。都内からの道中、1970年代のモデルから最新モデルまでさまざまなドゥカティが目に飛び込んでくる。
イベント数日前は天気の心配があったものの、当日は初夏のような穏やかな気候。PEC東京には1340人ものドゥカティファンが集結した。参加者のドゥカティを見ると、関東近郊のナンバーが目立つが、北海道/神戸/大阪/静岡など、この日を待ち望んでいた自走組も多く見られる。中には鹿児島からムルティストラーダで1500km走破してやってきた強者もいた。
ドゥカティジャパンが初めて行う、ドゥカティオーナーや他メーカーのユーザーを対象としたミーティングは、大きな注目を集めた。マッツ・リンドストレーム社長は、「ポルシェエクスペリエンスセンターは世界各国にありますが、ドゥカティがイベントを行うのは日本が最初。世界初です」とコメント。
ドゥカティは現在、フォルクスワーゲングループのアウディ傘下で、ポルシェも同じフォルクスワーゲングループという関係から、この場所での開催が実現。ドゥカティがランボルギーニやベントレーとのコラボモデルを発表するのも、そのためだ。
PEC東京がバイクのイベントとしてコースを貸し出すのは初めてのこと。全長2.1kmのコースを使ったニューモデル試乗やパレードランは事前申し込み制だったが、「PEC東京を走れる!」という期待値は高く、瞬く間に定員となった。
二輪&四輪でパリダカを走った経験を持つ三橋淳さんは、パニアケースを装備したムルティストラーダV4Sで丸太のシーソーに挑戦。「ハンドルでバランスが取れないから見た目より危険…」とのこと。ノーマルのモンスター+を振り回すスタントライダーの木下真輔さん。
2024年、ドゥカティは創業98年。もうすぐ(?)100周年!
PEC東京のエントランスに並べられたさまざまなドゥカティが、歴史を感じさせてくれる。中でも久しぶりに見る750SSの美しさといったらなかった。
1950年代からレース参戦を本格的に開始したドゥカティは、今でも市販車を売るためにレースを続け、そこで培った技術をそのまま市販車に導入。そのドゥカティならではのスタンスはこの750SSから始まったと言っても過言ではなく、このマシンはレーサーレプリカのパイオニアともいえるだろう。
ドゥカティは、1972年に開催されたイモラ200マイルレースにワークスマシンであるF750で参戦し、ポール・スマートとブルーノ・スパッジアーリが1-2フィニッシュ。750SSは、そのレプリカとして1973年に発表されたプロトタイプのイモラ750を経て、1974年に正式デビューした伝説のドゥカティである。
2001年式MH900e/1995年式916SP/1972年型450デスモ(写真左)。2007年型デスモセディチRR/1993年式カジバ エレファント(写真右)。ふだんはなかなか見ることができないドゥカティを楽しめるのも、こういったイベントの魅力。
また、ステージが用意されたメイン会場には、今季より全日本ロードレース選手権に参戦する「ドゥカティ・チーム・カガヤマ」のパニガーレV4Rのファクトリーマシンを展示。エンジン始動も行われ、ファクトリーマシン特有のレスポンスは、MotoGPとWSBKだけでなく、全日本ロードレース選手権や鈴鹿8時間耐久レースにおいても“勝ち”を狙いにくるドゥカティの貪欲なまでの姿勢を感じさせてくれた。
初開催となったDucati Dayは、ドゥカティの魅力を多くの方に浸透させた。来年、ドゥカティは創業99年。100周年の2026年に向け、Ducati Dayが継続されることに期待したい。
ステージでは、今年から全日本ロードレース選手権に参戦する「ドゥカティ・チーム・カガヤマ」の水野涼選手と加賀山就臣監督のトークショーも開催。パニガーレV4Rのファクトリーマシンも展示された。
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