40歳でバイクに乗りたいと思い立ち、普通二輪&大型二輪の免許を取得。2022年2月に人生初バイク=ロイヤルエンフィールド ヒマラヤを購入したと同時にバイクライフが本格的にスタートした、ミリオーレ営業・ムラタ。1年10カ月をともに過ごしたヒマラヤライフを改めて振り返ってみようと思う。
●文:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●外部リンク:ロイヤルエンフィールド東京ショールーム
1年10カ月で約1万kmをともにした相棒はトラブルもなし!
この連載の始まりであり、私のバイクライフの始まり、そのすべてはロイヤルエンフィールドのヒマラヤだった。
20代後半でバイクに乗ってみたい気持ちが芽生えつつも、結局40歳まで免許取得という行動に至らなかったのは、「このバイクに乗ってみたい」という気持ちになれる出会いがなかったとも言える。そんな私がひょんなきっかけで一目惚れしたのが、排気量411ccのヒマラヤだ。
同じぐらいの排気量で普通二輪免許で乗ることができるバイクは他にもあるのだが、ヒマラヤに乗りたいという一心で、普通二輪から大型二輪免許までを一気に取得したのだった。
振り返ってみると、いろんなことがあった。まず初バイクの納車=バイク公道デビューというビギナーだったので、実際の納車走行は知人に依頼。納車後には人気のない場所で走行練習もした。少しずつ公道にも慣れていき、半年後にはロイヤルエンフィールドがインドで実施しているツーリングプログラム「モト・ヒマラヤ」にも参加。その後、ヒマラヤで京都/名古屋/長野に行ったり、オフロードパーク「ONTAKE EXPLORER PARK」を楽しんだりもした。
そうして1年10カ月をともにして、1万kmほどを走った。東京からフランス・パリまでが9735km、東京からイタリア・ローマまでが9877kmという距離を考えると、なかなか興味深い。
ちなみによく「インドのバイクって壊れるでしょう?」と聞かれたが、私のヒマラヤは1度もトラブルもなく、本日も快調である。
スペックでは分からない独特の魅力を持つヒマラヤ
愛すべきマイファーストバイクだが、ヒマラヤには特筆すべきスペックはない。空冷単気筒SOHC2バルブのエンジンは排気量411cc/最高出力24馬力。日本の免許区分では大型免許を必要とする微妙な排気量も相まって、「大型バイクのロバですね」と面と向かって言われたこともあった。ちなみに私はこれを褒め言葉と受け取ったが、思い返すとある意味皮肉も込められていたのかもしれない。それぐらいに排気量411ccのバイクをなぜ選んだのか? と聞かれることが多々あった。
そして実際のところ、ほかの大型バイクに試乗するとスムーズな加速感やパワーに圧倒され、「せっかく大型免許を所有しているなら、これくらいのパワーに乗るべきなのか?」と思うことも…。
しかし逆を言えば、この牧歌的な乗り味を他のバイクで感じることはなかった。
たかだか数年のバイク歴で、他のバイクに試乗したといっても数少ない経験で偉そうなことは言えないのだが、ロイヤルエンフィールドがいま現在ラインナップしているモデルと比べても、この素朴な味わいは他にはないと思う。クラシック350の方がよほどスマートなエンジンだと思うし、せっかく大型二輪免許を持っているならコンチネンタルGT650を選びたくなる気持ちもある。
だけど、バイクに乗り始めたばかりの私にはこの牧歌的なバイクの鼓動を感じながら、トコトコと走るのが性に合っていた。排気量がどうのこうのとか細かいスペックは関係なく、シンプルに好きだなと思えるバイクに最初に出会えたからこそ、バイクっておもしろいなと思えたのだとも思う。
ヒマラヤがはじめてのバイク。その出会いに感謝
バイクに乗るようになって、思い出すことがある。
車とは異なる感覚で流れてゆく景色が美しいこと、全身でエンジンの鼓動を感じる楽しさ、一人になれる時間の大切さ、ライダーはバイクに乗ることで季節の移り変わりをいち早くキャッチしていること…。だからバイクはおもしろい、でも決して安全とは言えないから気軽にオススメはしないこと。
そう教えてくれた人はバイク事故で亡くなってしまったが、今こうして自分がバイクに乗って、彼が言っていたことを少なからず実感できていることがなんだか嬉しい。だから、できるだけ長くバイクに乗り続けたいと切に思う。
私のバイクライフの始まり、そのすべてはロイヤルエンフィールドのヒマラヤだった。その出会いに感謝して、明日もバイクに乗ろうと思う。
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