
ロイヤルエンフィールドは3月17日(金)からスタートした「大阪モーターサイクルショー」にて、カスタムバイク「Royal Enfield-改(ロイヤルエンフィールド・カイ)」を世界初公開した。名古屋を拠点とするカスタムファクトリー「AN-BU Custom Motors(アンブ・カスタムモータース)」とのコラボによって生まれた1台は必見だ。
●文:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●外部リンク:ロイヤルエンフィールド東京ショールーム
東京、名古屋で開催されるモーターサイクルショーでも最新のロイヤルエンフィールド・モデルとともに展示
日本での認知やファン層も拡大しているロイヤルエンフィールド。中型モーターサイクルセグメント(250〜750cc)のグローバルリーダーであり、2023年からは日本自動車輸入組合 JAIAにも加盟。2月までの累計で6.3%のシェアを獲得するなど存在感を増している。
続々と新モデルの発表も続いているが、2022年12月には日本最大級のカスタムバイクおよびカスタムカーのイベント「ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー2022」に初参加。650ツイン・プラットフォームをベースにした2台のカスタムバイクと1台のレース用ファクトリーマシンを、日本のバイクファンに披露した。
そして、ついにロイヤルエンフィールドは日本のカスタムビルダーとの取り組みにも着手。記念すべき第1弾となるカスタムバイク「Royal Enfield-改(ロイヤルエンフィールド・カイ)」が、3月17日(金)より開催した「大阪モーターサイクルショー」で世界初公開された。
大阪を皮切りに、東京、名古屋のモーターサイクルショーでも「Royal Enfield-改(ロイヤルエンフィールド・カイ)」は展示される。
大阪モーターサイクルショー
【開催日時】2023年3月17日(金)~19日(日)3日間
【会場】インテックス大阪 大阪市住之江区南港北1丁目5番102号
【ブース】 インテックス1号館・ブース番号:A17
東京モーターサイクルショー
【開催日時】 2023年3月24日(金)~26日(日)3日間
【会場】 東京ビッグサイト
【ブース】西4ホール・ブース番号:4-06
名古屋モーターサイクルショー
【開催日時】 2023年4月7日(金)~9日(日)3日間
【会場】 Aichi Sky Expo 愛知県常滑市セントレア5丁目
コンチネンタルGT650をベースに「AN-BU Custom Motors」がカスタム
このカスタムバイクを手がけたのは、愛知県名古屋市を拠点とするカスタムファクトリー「AN-BU Custom Motors(アンブ・カスタムモータース)」の藤田浩一氏だ。排気量648cc、空冷4ストローク並列2気筒エンジンを採用したカフェレーサースタイルの「Continental GT 650」をベースに製作。1970〜80年代にかけて耐久レースなどで活躍したレーシングマシンが持つ、スピード感あふれるスタイルに仕上がっている。
スリムなフューエルタンク。アルミ鋼鈑から叩き出して成型しているため、整いすぎていない微妙なゆらぎの表情も魅力的だ。
アルミ鋼鈑から叩き出して成型したフューエルタンクは細く長く、どの角度から見ても美しいラインで構成。その燃料タンクを支えるフレーム上部は、タンク形状に合わせ、1970年代から1980年代に活躍したレーシングマシンのフレームレイアウトをモチーフに再構築されている。しかしステアリングヘッド周りや、エンジンマウントを含むフレームのダウンチューブ、スイングアームのピボットポイント周りはスタンダード・フレームを流用。
またフロントフォークはKAYABA製で、80年代のレーシングマシンに多く採用されていた38mm径を選択。そのフロントフォークとフレームを繋げる三つ叉は、そのKAYABA製フロントフォークに合わせて設計するとともに、藤田氏がイメージするスポーツライディングを実現するためにフォークピッチ(フロントフォークを配置する幅)やフォークオフセット(2本のフロントフォークとステアリングステムで構成する二等辺三角形の高さにあたる部分)も専用設計されている。
オリジナルで製作したカーボン製カウルには、AN-BUのカスタムバイクでは定番となっているカウル中央からオフセットした場所にヘッドライトを配置。イメージソースは、80年代の耐久レーサーだ。カウルのカーボン繊維が目立ちすぎないよう、その表面にはマットブラックの塗料が絶妙な濃度でペイントされている。
そのカウルから少しだけエキゾーストパイプが見えるよう、カウルの形状や配置を考慮し、そしてエキゾーストパイプは緻密にデザイン設計されたもの。エキゾーストパイプは管長を長く取るために、蛇がトグロを巻くように複雑なレイアウトでカウル中に収められている。
ロイヤルエンフィールドが考える日本におけるカスタムバイクの可能性
今回の「Royal Enfield-改」のお披露目にあたり、ロイヤルエンフィールドのアジア太平洋市場担当事業責任者のAnuj Dua(アヌージ・ドゥア)氏は、以下のように語っている。
「これまで世界中のカスタムバイクビルダーとプロジェクトを展開した我々から見ても、日本には優れたカスタムバイクと、それを製作する才能豊かなカスタムバイクビルダーが多数存在する魅力的な国だと考えています。
今回AN-BUの藤田氏が製作した『Royal Enfield-改』もそのひとつであり、それによってロイヤルエンフィールドのプロダクトが、カスタムバイクビルダーに対してクリエイティビティとイノベーションを与えていると確信しました。またバイクに情熱を傾ける日本中のライダーたちによって、カスタムバイクを中心としたコミュニティが広がっていることも実感しました。
シンプルな構造によって純粋にライディングを楽しむことができるロイヤルエンフィールドの各モデルは、そのコミュニティやカスタムバイクビルダーたちにとって、創造力を刺激する最適な素材であると考えています。そしてその創造力は車体デザインに限定することなく、エンジンやサスペンションといったバイクの機能面においても同様です。
そして今後も、日本ではAN-BUが初めて参加した、ロイヤルエンフィールドの公式カスタムプログラム/Custom World(カスタム・ワールド)が、日本のカスタムバイクビルダーの創造力を発揮する場になると確信しています」
今後も多彩なカスタムバイクが登場するであろうロイヤルエンフィールド。まずは世界初公開となる「Royal Enfield-改」をチェックしに、モーターサイクルショーに足を運んでみてはいかがだろうか。
「Royal Enfield-改」は、大阪、東京、名古屋で開催されるモーターサイクルショーのロイヤルエンフィールドブースにおいても、日本で販売する最新モデルともに展示される。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
コンセプトはエンデュランスカフェ ロイヤルエンフィールドは 2017年の EICMAで「コンチネンタルGT650」と「INT650」を発表し、その翌年に市販モデルを公開。ラフクラフトが手がけたミダス […]
クリアすら吹いていない、スチール地肌の特別な存在感 2012年にクリスティアン・ソーサが弟のロベルトとともに創設したソーサ・メタルワークス。アメリカのラスベガスを拠点に、四輪カスタムの世界でさまざまな[…]
専用のハリスフレームにボアアップしたチューンドエンジンを搭載 アメリカンフラットトラックレースのプロダクションツインクラスは、ヤマハ MT-07、KTM 890DUKE、ハーレーダビッドソン XG75[…]
市街地を散策しながら、そのポジションと鼓動を楽しむ まだ眠っている早朝の都内は、とても静かだった。日の出が早くなるこの季節、朝に乗るバイクがとても気持ち良い。コンチネンタルGT650のセパレートハンド[…]
インドで開催されたスーパーメテオ650の試乗会に参加! EICMA2022でロイヤルエンフィールドが発表したスーパーメテオ650の試乗会に参加するため、人生2回目のインドにやってきた。デリーからジャイ[…]
最新の関連記事(ミリオーレ)
孤高のパニガーレV4Sと友好的なパニガーレV2S パニガーレV4Sでサーキットを3本ほど走ると、強烈な疲労感が僕の身体を襲う。汗は止まらず、足腰に力が入らなくなる。試乗直後は格闘技を終えたような感じだ[…]
ファッションからスポーツまで。現代のバイクライフにフィット このバイクは只者じゃない−−。僕はマヨルカ島のリゾートホテルのエントランスに鎮座するトライアンフの「スピードツイン1200RS」に初対面した[…]
ライダーを様々な驚きで包み込む、パニガーレV4S 5速、270km/hからフルブレーキングしながら2速までシフトダウン。驚くほどの減速率でNEWパニガーレV4Sは、クリッピングポイントへと向かっていく[…]
駒井俊之(こまい・としゆき)/1963年生まれ。バイクレース専門サイト「Racing Heroes」の運営者。撮影から原稿製作まで1人で行う。“バイクレースはヒューマンスポーツ”を信条に、レースの人間[…]
駒井俊之(こまい・としゆき)/1963年生まれ。バイクレース専門サイト「Racing Heroes」の運営者。撮影から原稿製作まで1人で行う。“バイクレースはヒューマンスポーツ”を信条に、レースの人間[…]
最新の関連記事(ロイヤルエンフィールド)
そもそもボア×ストロークって? 最近ロングストロークという表現をみる。エンジンのピストン往復が長いタイプのことで、バイクのキャラクターを左右する象徴として使われることが多い。 これはエンジン性能で高い[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
そもそも”アメリカン”バイクとは? 一般にクルーザーとも呼ぶが、車体の重心やシート高が低く、長い直線をゆったり走るのに適した設計のバイク。ハーレーダビッドソンなどのアメリカ車に代表されることから、アメ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
アメリカンカラーの特別モデル 英国にルーツを持つロイヤルエンフィールドと、北米発で独自の存在感を示すアイコン・モータースポーツがコラボレーション。世界限定100台/アジア太平洋地域限定25台/日本限定[…]
人気記事ランキング(全体)
シェルパの名を復活させたブランニューモデル カワサキが、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させたのは、2024年[…]
新5色ラインナップとなった2022年モデル 2022年モデルが発売されたのは、2022年6月23日のこと。2021年のフルモデルチェンジの際には、新設計の水冷エンジンが4バルブの「eSP+(イーエスピ[…]
まず車間が変わることを理解しておこう! ツーリングでキャリアのある、上手なライダーの後ろをついてゆくのが上達への近道。ビギナーはひとりだと、カーブでどのくらい減速をすれば良いかなど判断ができない。そう[…]
ナンバー登録して公道を走れる2スト! 日本では20年以上前に絶滅してしまった公道用2ストローク車。それが令和の今でも新車で買える…と聞けば、ゾワゾワするマニアの方も多いのではないか。その名は「ランゲン[…]
15番手からスタートして8位でフィニッシュした小椋藍 モナコでロリス(カピロッシ)と食事をしていたら、小椋藍くんの話題になりました。「彼は本当にすごいライダーだね!」と、ロリスは大絶賛。「ダイジロウ・[…]
最新の投稿記事(全体)
もう文句は言わせない!? 黒の6LサイズをWEB限定で販売 昨年、Honda二輪デザイナー監修の「イナレムプレミアム レインジャケット ライディングモデル(4900円)」を発売したワークマン。これが大[…]
ヘルメット自体が鳴る! 後付けスピーカーがキジマ扱いに これまでヘルメットにスピーカーを仕込むときは、内装を外してうまく位置を合わせたり配線処理も行わなければならないなど、何かと大変だった。しかも、フ[…]
なんと“MotoGP全サーキット”を100均ハンガーで再現! 筆者はまったく門外漢なのですが、なんでも鉄道ファンには「乗り鉄」「撮り鉄」「模型鉄」など、趣味や嗜好によって、たくさんの棲み分けがあるんだ[…]
Rebel 1100 S Edition Dual Clutch Transmission 新しくタイプ追加されたのは、アクセサリーを標準装備し個性を演出する「Rebel 1100 S Edition[…]
空冷スポーツスター用カスタムパーツを世に送り出し続けているグリーミングワークス(大阪府)。一方で水冷スポーツスターSやナイトスター用パーツもラインナップし、自然な流れでX350用パーツの開発も手がける[…]