ひたすら4気筒で頑張ったスズキ

俺たちの青春バイク!【ヨンヒャクが熱かった!Vol.3 スズキ編】

400ccの排気量を超えた速さを持つGSX-Rシリーズ。レプリカの進化が止まらない

耐久レーサーGS1000Rを彷彿させる二眼のカウリングやアルミフレーム、そして59psの最高出力と超軽量な152kgで、一気にレーサー化したGSX-R。車名に400の数字が入らないのは「400ccの排気量を超えた速さを持っている」のが理由という。

そしてエンジンもフレームも完全刷新し、エアロ形状のカウルを纏った二代目が1986年に登場するが、当時は性能以前にスタイルがウケなかったようだ。その2年後の1988年には、再び耐久レーサールックのGSX-R400が登場。盛り上がるレース熱に合わせ、SPやSPIIといったスペシャルモデルもラインナップした。

そして1990年に、またもフルチェンジ。このモデルはレプリカブームの終焉やTT-F3レースの終了と共に最終型となるが、最終的に2000年頃まで販売された。

1984年 GSX-R
GSX400FWの水冷4気筒エンジンをベースに大幅にリファインし、9psアップの59psを発揮。アルミの角断面の四隅に補強リブを持つMR-ALBOXフレームを始め徹底的な軽量化により、400ccクラスでは驚異的な乾燥重量152kgを実現。1983年の世界耐久チャンピオンマシンGS1000Rをモチーフとするデュアルヘッドライトのカウリングも人気を集めた。

1986年 GSX-R
シリンダーヘッドを水冷、シリンダーをフィンによる空冷、ピストンはオイルジェットによる油冷の新冷却方式SATCSを採用した新型エンジンを、DC-ALBOXと呼ぶ新型アルミフレームに搭載。ルックスも耐久レーサーではなくフルエアロタイプに変身するが、翌87年型は丸目二灯のカウルに戻った。

1988年 GSX-R400
エンジンが新設計の水冷となり、新型のDC-ALBOXフレームは従来モデルより15%剛性アップ。φ33mmの大口径キャブレターやクロスミッション、伸び側/圧縮側減衰力調整機構付きの前後サスペンションやシングルシートを装備するSPも発売(トランスミッションのみSTDのSPIIもアリ)。

1990年 GSX-R400R
エンジンは動弁系やストレート吸気などに刷新。アルミフレームはGSX-R750と同形状のダブルクレードルに変更され、フロントフォークが倒立タイプになる。スラントしたノーズのレンズの中に二灯ヘッドライトが収まる。φ35mmの大口径キャブレターやクロスミッション、伸び側/圧縮側減衰力調整機構付きの前後サスペンション装備するSPも発売(トランスミッションのみSTDのSPⅡもアリ)。この型が最終モデルとなり1998年まで生産された。

中免で乗れる最速の2ストレプリカ、400ガンマが登場!

ロードレース最高峰のGP500を戦うワークスマシンRGΓ(ガンマ)のフルレプリカであるRG500Γの弟分。排気量を下げたほかは、まったく同じメカニズムやルックスを持つ。ホンダのNS400RとRG400Γだけが、中型自動二輪免許で乗れるGP500レプリカとして存在した。

1985年 RG400Γ
2ストロークの水冷スクエア4気筒は、レーシングマシン同様のロータリーディスクバルブ仕様で、当時の自主規制いっぱいの59馬力を発揮。スポンサーのウォルターウルフのレプリカカラーも人気を博した。

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