400ccクラスもV4が闊歩!
80年代のバイクブーム当時は、免許制度の兼ね合いでスポーツバイクのマジョリティは250~400ccクラス。250ccは2ストロークレプリカが人気だったが、400ccは4ストローク4気筒が熾烈な性能争いを繰り広げていた。
そこでホンダは大人気のCBX400Fに加え、V4エンジンを搭載するVF400Fを発売。その後もVFR400Rをリリースし、CBR400F~CBR400RRなど直4と人気を二分。VFR400RはTT-F3レースでも活躍し、そのレプリカモデルであるRVFは2001年頃まで販売され続けた。
アメリカンもV4!
80年代はアメリカンタイプも人気で、ホンダはスティードやシャドウといったV型2気筒モデルと並行して、初代マグナから進化したV45マグナを発売。93年発売の3代目マグナには、ビキニカウル装備のマグナRSも加わった。いまとなって考えると、かなりハイパフォーマンスなアメリカンだ。
スポーツツアラーに路線変更
長らくスーパースポーツで活躍してきたV4だが、ホンダは2000年代前半にV型2気筒にシフト。市販スーパースポーツはVTR1000 SP-1、そしてレーサーはそれをベースとするVTR1000SPWに代わった。
そこでV4エンジンはスポーツツアラーへと路線変更。排気量を拡大してツーリングや日常でも扱いやすいトルク感溢れる乗り味とタンデムでの快適性も向上させて現在のVFR800FのルーツとなるVFRに変身し、熟成を重ねてきた。そして2014年には近年人気のクロスオーバースタイルのVFR800Xも加わった。
先進のスポーツツアラーが新登場
初代VF登場から28年、ついに新型V4エンジンが登場。既存の90度V4とはまったく異なるシリンダーバンク角76°に28°位相クランクピンの4バルブOHCエンジンは、排気量を大幅に拡大した1236cc。低回転域のフラットなトルクと高回転域の伸びを併せ持ち、バランサーを装備せずに振動を打ち消し、スポーツツアラーが求めるパフォーマンスにしっかり応える。2014年にはクロスオーバースタイルのVFR1200Xも加わった。
そんな新世代のV4ながら、両車とも国内モデルは2016年に生産終了と短命に終わったのが残念だ。