
席巻とは、まさにこのことだろう。3月10日〜12日にデイトナで開催された「キング・オブ・ザ・バガーズ」第2戦において、元MotoGPライダーのジェレミー・マクウィリアムズを筆頭にインディアンモーターサイクル(以下インディアン)のチャレンジャーが表彰台を独占。バガーロードレースを見たことがない方は、ぜひこの記事の後半にリンクした映像でもチェックを! なぜ、このバイクでレースを? という疑問を、彼らのエネルギッシュな走りが一掃してくれる。
●文/まとめ:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●外部リンク:インディアンモーターサイクル[ポラリスジャパン]
インディアン vs ハーレーダビッドソンが繰り広げる熱戦
バガーロードレース「キング・オブ・ザ・バガーズ」が初めて開催されたのは、2020年秋のこと。車両重量が300kg近いバガー(大容量パニアバッグを備えたクルーザーモデル)によるロードレースは、SNSなどで一躍話題に。アメリカンクルーザーとロードレースの新しいカルチャーの幕開けとして、着々とファンが増えている。
とはいえ、すべてのクルーザーモデルが参戦できるわけではなく、ベース車両の規定では全年式のハーレーダビッドソンFLツーリングモデル、そして全年式のインディアン製バガーとツーリングモデルのみと定められている。実質、インディアン vs ハーレーダビッドソンのブランド対決レースでもあるのだ。
ファクトリーライダーとしては新人のジェレミー・マクウィリアムズが優勝
2022年の初戦となるデイトナでの第1戦では、インディアンのファクトリーライダー 3年目となるタイラー・オハラがトップでチェッカーフラッグを受けた。この勝利の勢いを追い風に第2戦で活躍したのが、ベテランのロードレーサーでありながら、インディアンのファクトリーライダーとしては新人でもあるジェレミー・マクウィリアムズ。
ジェレミー・マクウィリアムズはバガーレースデビュー戦となった第1戦では表彰台を逃したが、第2戦ではチームメイトのタイラー・オハラと直接対決し、わずか 0.025 秒差で彼を抑えることに成功。「キング・オブ・ザ・バガーズ」初勝利とデイトナでのキャリア初の優勝、この2つを手中にした。

本格的にレースを始めたのは24歳と遅かったが、1993年に29歳で世界グランプリデビューを果たしたジェレミー・マクウィリアムズ。GP250クラスで1勝、GP500クラスでポールポジション獲得経験もあるつわものだ。4月の誕生日で58歳を迎えるライダーは、満面の笑みを称えて表彰台のトップに立った。 [写真タップで拡大]
MotoAmerica YouTubeでレースをチェック!
バガーロードレースと聞いて、なぜバガーで膝を擦り、攻めてレースをするのか? と思う人もいるかもしれない。しかし、百聞は一見にしかず。ぜひ実際のレースの様子を、YouTubeで見てほしい。固定概念を覆される男たちの挑戦に圧倒されること間違いなし。バイクが見せてくれる世界は、際限がなく、その可能性は無限大だ。
モダンアメリカンクルーザーに興味がわいたら、ぜひインディアンのデザイン部門を司るオラ・ステネガルド氏の記事もチェックを! インディアン「チャレンジャー」 デザイン責任者インタビューはこちら。
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