
●文:モーサイ編集部(鈴木アキラ)
マルチフューエルストーブならば、白ガスと赤ガスどちらも使える
本記事のお題は“赤ガス使用可能なアウトドアギア”だが、具体的には「マルチフューエルストーブ」と呼ばれるモノのことである。“ストーブ”と言っても暖房器具のことではない。アウトドア用の調理用可燃器具、別名”バーナー”のことだ。
別記事では、白ガスと赤ガス、つまり白ガス=ホワイトガソリン/赤ガス=自動車用ガソリン(レギュラーとハイオク)の話をしたが、今回はホワイトガソリンだけでなくレギュラーガソリンも使えるストーブの話である。
最近の大型バイクはハイオクガソリンを使うモデルも少なくないが、筆者が乗っているバイクはすべてレギュラーガソリン仕様なので、キャンプ機器の燃料の共通化という意味もあって、レギュラーガソリンが使えるストーブとランタンを愛用している。
じつは、燃料の共有化には、調理器具にもバイクと同じ燃料を使えるということの他に、もうひとつの理由がある。それはストーブ用の燃料ボトルを満タンにしておけば、少量ながらも最終保険の意味の予備タンクを持っているということであり、つまりはバイクのガス欠対策ということだ。たった2L程度であっても、とりあえず日本なら次のガソリンスタンドまではなんとか行けるであろうから、というのがその理由だ。
コックをリザーブにしたのを忘れて、この燃料ボトルのおかげでことなきを得たこともある。まあ、忘れっぽい人間の保険の話と言ってしまえばそれまでなのではあるけれども。
プレヒートを必用としない仕様や、ハイオクを使えるモデルなど、タイプはいろいろ
レギュラーガソリン対応のストーブは、MSRウィスパーライトインターナショナルやオプティマスNOVAなどいくつかあるが、筆者が愛用しているのは新富士バーナーというメーカーが出している「SOTO MUKAストーブ」だ。
【SOTO MUKAストーブSOD-371】ポンプによる加圧のみでプレヒート不要。ガスストーブ並の使いやすさを実現した。タンク内圧力を示すゲージやエア抜きの機能も備えている。●価格:1万9965円 ※SOTO広口フューエルボトルは別売り
これはガソリンストーブでありながら、ガスストーブと同じほどの使いやすさを目的として開発されたストーブで、デビュー当時画期的なモデルとして大評判になった。その後新富士バーナーではさまざまなストーブをリリースしているが、MUKAストーブの人気は少しも衰えていない。
何が画期的であるかというと、分離型ガソリンストーブの多くは、気化部分を温めるために少々面倒な(慣れれば別になんということもないのだが初心者はけっこうビビる)プレヒートという手順が必要になるのだが、このMUKAストーブはポンピングによる燃料タンク内の加圧のみでプレヒートを必要とせず、着火から安定までの時間も驚くほど早いのだ。まさにガスストーブと同様の使いやすさと言える。
唯一と言える弱点はハイオクガソリンが使えないこと。ハイオクガソリンに含まれる添加物のせいでノズルやフィルターが詰まりやすくなってしまうのだ。後で語るが、ハイオクガソリンが使えるストーブもある。ハイオク仕様のバイクに乗っている人はそちらを使うといいだろう。
さらに言えば、ガソリンストーブの長所は、ガスストーブと違ってガスの空き缶が出ないこと。ガス缶はビールの空き缶などと違って使い切らなければ捨てられないという欠点があり、この使い切るのがまたなかなか厄介だし、ガス欠を心配するならば、さらに数個のガスカートリッジを持って出かけなければいけなくなってしまう。ガソリンストーブはこのガス缶問題からも解放されているというわけだ……
問題は“燃料の補給”。あの事件以来……
では、ガソリンスタンドで携行缶に給油できるのか、という問題だが、2019年以前は普通にできていた。しかし、それ以降は難しくなってしまった。その原因は……
※本記事は2022年9月22日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
モーサイの最新記事
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
松戸市〜成田市を結ぶ国道464号の発展 かつて、千葉県の北総地区は高速道路のアクセスが今ひとつ芳しくなかった。 常磐自動車道・柏インターや京葉道路・原木インターからもちょっとばかり離れているため、例[…]
創業100年を迎えた青島文化教材社「草創期から異端派だった?」 中西英登さん●服飾の専門学校を卒業するも、全く畑違い(!?)の青島文化教材社に2000年に入社。現在に至るまで企画一筋。最初に手がけたの[…]
最新の関連記事(キャンプ/アウトドア)
ツーリングの持ち物【最低限必要な基本アイテム】 オートバイ趣味のもっとも一般的な楽しみ方は、オートバイならではの機動力や爽快さを満喫しながら好きな場所へ自由に行くこと。いわゆるツーリングです。 初心者[…]
発売当初のデザインをそのままに、素材などは現在のものを使用 1975年に大阪で創業したモンベル。最初の商品は、なんとスーパーマーケットのショッピングバックだった。翌年にスリーピングバッグを開発し、モン[…]
今年発表されたばかりの最新キャンパー。ホテル代を考えたら検討の価値あり トイファクトリーが運営しているキャンピングカーレンタルサービス「ShareCamper(シェアキャンパー)」は、フィアット・デュ[…]
マットの種類と選び方:寝心地で選ぶなら断然エアマット! マットの選択肢として、主にエアマット/銀マット/ウレタンマットの3種類がある。 エアマット もしあなたが寝心地を最優先に考えるならば、エアマット[…]
なぜツーリングテント選びが重要なのか? 当然ながらバイクに積載できる荷物の量には限りがある。そのため、テントには軽量コンパクトであること、そして過酷な自然環境にも耐えうる丈夫さが求められる。また、キャ[…]
人気記事ランキング(全体)
名機と呼ばれるVツインエンジンを搭載! 今や希少な国内メーカー製V型2気筒エンジンを搭載するSV650/Vストローム650が生産終了となり、名機と呼ばれた645ccエンジンにひっそりと幕を下ろしたかに[…]
より高度な電子制御でいつでもどこでも快適な走りを!! 【動画】2026 CB1000GT | Honda Motorcycles ホンダがEICMA 2025にて発表した「CB1000GT」は、「Hi[…]
スポーツライディングの登竜門へ、新たなる役割を得たR7が長足の進化 ミラノで開催中のEICMA 2025でヤマハの新型「YZF-R7(欧州名:R7)」が登場した。2026年から従来のワールドスーパース[…]
背中が出にくい設計とストレッチ素材で快適性を確保 このインナーのポイントは、ハーフジップ/長めの着丈/背面ストレッチ素材」という3点だ。防風性能に特化した前面と、可動性を損なわない背面ストレッチにより[…]
ニンジャH2 SX SE 2026年モデル発売! スーパーチャージャー搭載のスポーツツアラー「Ninja H2 SX SE」の2026年モデルが、2025年11月1日に発売。おもな変更点は、カラー&グ[…]
最新の投稿記事(全体)
老舗の叡智が凝縮された「もちはだ」腹巻き 寒さ厳しい冬ともなると、ライダーにとって、腹部の冷えは大敵だ。体幹が冷えると全身のパフォーマンスが低下し、ライディングにも集中できなくなる。そんな冬の鉄板防寒[…]
軽量ハイパワー400cc「DR-Z4S/DR-Z4SM」が最新装備で復活 スズキが新型デュアルパーパスモデル「DR-Z4S」と、スーパーモトモデル「DR-Z4SM」の日本導入を正式発表。2025年10[…]
11/1発売:カワサキ Z250 カワサキ「Z250」はニンジャ250と骨格を共有するこの軽二輪スーパーネイキッドは、アグレッシブな「Sugomi」デザインを継承。軽さと力強さを併せ持つ本格的スーパー[…]
長距離や寒冷地ツーリングで感じる“防寒装備の限界” 真冬のツーリングでは、重ね着をしても上半身の冷えは避けにくい。特に風を受ける胸や腹部は冷えやすく、体幹が冷えることで集中力や操作精度が低下する。グリ[…]
冬の走行で感じる“体幹の冷え”との戦い 真冬のツーリングでは、外気温が5℃を下回ると防風ジャケットを着ていても体幹が冷えやすい。特に走行風が首元や袖口から侵入し、次第に体の芯まで冷えが伝わると、集中力[…]


![SOTO MUKAストーブSOD-371|[バイクでキャンプ] レギュラーガソリン(赤ガス)を使える“マルチフューエルストーブ”はバイクキャンプと相性良し!](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/07/th_kirisod371web529-1.jpg)







































