
バイクでキャンプツーリングに出かける際、荷物の制限がある中でいかに快適な睡眠を得るかは重要な課題だ。特にテント泊の場合、地面の凹凸や小石、寒さなどが睡眠の質を大きく左右する。そこで本記事では、バイクキャンプツーリングにおけるマットの選び方とおすすめのマットを紹介する。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真:武田大祐 ●モデル:谷田貝洋暁
マットの種類と選び方:寝心地で選ぶなら断然エアマット!
マットの選択肢として、主にエアマット/銀マット/ウレタンマットの3種類がある。
エアマット
もしあなたが寝心地を最優先に考えるならば、エアマットが最も適した選択肢となるだろう。現在主流となっているスポンジフォーム内蔵タイプは、わずか数cmの厚さであっても、背中に感じる地面の凹凸を著しく軽減し、さらに高い断熱効果によって、寒い日の底冷えからも身を守ってくれる。特筆すべきは、その収納性であり、多くの製品がレインウエア程度の大きさにまでコンパクトに収まる点は、バイクでの積載において大きなメリットとなる。
銀マット
銀マットは比較的安価に入手可能であるが、その寝心地は“ないよりはまし”という程度に留まる。多少のクッション性や断熱性は期待できるものの、質の高い安眠を確保するには、残念ながら不十分と言わざるを得ない。
ウレタンマット
ウレタンマットは、銀マットと比較すれば寝心地は向上するものの、エアマットのレベルには及ばない。しかし、その厚みによって銀マットよりも格段に良好な寝心地を提供してくれるのは事実である。エアマットのように空気漏れの心配がないという利点はあるものの、一般的にかさばりやすいという点が、バイクへの積載においては難点となる。
…というわけで、快適な睡眠を求めるなら、エアマットが断然おすすめだ。主流のスポンジフォーム内蔵タイプは、厚さ数cmでも背中のゴツゴツ感を軽減し、高い断熱効果で底冷えを防ぐ。耐久性を考慮するなら、屋外使用OKのモデルを選ぶと良い。
おすすめマット×4選
HOSHIZORA HYBRID mat 5 (デイトナ)
- 特徴:ウレタンフォームとエアマットを組み合わせたハイブリッド構造を持つ。上半身部分には厚めのウレタンフォーム(5cm)を配置し、優れた寝心地を提供する。足元部分はエアマット構造で軽量性とコンパクト性を追求
- 他の商品との違い:分離して上半身部分を座布団やショートマットとして、足元部分を枕として個別に使用できる多機能性。ひとつのマットで複数の用途に対応できる。上半身の寝心地を重視しつつ、足元の軽量化を図りたいライダーに適している
トレイルプロ (サーマレスト)
- 特徴:自動膨張式のエアマットレスで、フォーム材が内蔵されており、バルブを開けるだけで自然に膨らむ。姉妹品のトレイルライトよりも厚みがあり(5cm)、より高い快適性と断熱性を提供する。耐久性も高く、長期の使用にも耐えうる設計となっている
- 他の商品との違い:寝心地と断熱性が向上。自動膨張式でありながら、軽量性と収納性のバランスも優れているため、本格的なアウトドアや長期のツーリングにも適している
コンパクトインフレーターマット/S (コールマン)
- 特徴:収納ケースがポンプとして機能する独自のシステムを採用しており、別途ポンプを用意する必要がない。幅が広めに設計されており、寝返りを打ちやすい。6cmの厚みがあり、地面の凹凸を吸収し、快適な睡眠をサポートする
- 他の商品との違い:ポンプ一体型の収納ケースが際立った特徴。これにより、荷物を減らすことができ、設営も容易になる。幅広設計は、ゆったりと寝たいライダーにとって魅力的なポイント
U.L.エアパッド 180 (モンベル)
- 特徴:空気注入式のエアパッドで、モンベルのラインナップの中でも特に軽量コンパクトさを追求したモデル。フラットな寝心地が特徴。断熱性も確保されており、春から秋の温暖な時期のキャンプに適している
- 他の商品との違い:圧倒的な軽量性と収納サイズの小ささが最大の強み。荷物を極限まで減らしたいウルトラライト志向のライダーや、収納スペースに制約がある場合に最適な選択肢となる。ただし、他のモデルと比較すると、クッション性や断熱性はやや劣る可能性がある
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