
●レポート/図表作成:近藤 ●写真:八重洲出版/げんた/た か は し ●編集:モーサイ編集部(中牟田歩)
「もしも出先でヘルメットを盗難されたら、自宅までどうやって帰るのだろう」バイクに乗っていると、こうした疑問も浮かぶのではないでしょうか。そもそもヘルメット窃盗犯は、なぜ人が使った中古のヘルメットを狙うのでしょうか。理解に苦しみますよね。
そこで今回の記事では、窃盗犯がヘルメットを狙う理由や、出先でヘルメットが盗難されたときの対処法、被害者が自力でヘルメットを取り返した事例などをご紹介します。
窃盗犯が新品ではなく中古のヘルメットを狙う理由
窃盗犯が新品ではなく中古のヘルメットを狙うのは「盗みやすく確実に売れる」というのが、大きな理由です。実は近年、窃盗件数自体は減少していると同時に検挙率は増加しています。
窃盗件数が減少し、検挙数が増加した背景としては、防犯カメラの普及や高画質化があります。2020年2月に朝日新聞デジタルが行った調査によると、2019年の窃盗事件において、容疑者特定に至った手がかりは、約10件に1件が防犯カメラの画像でした。(朝日新聞デジタル)
警視庁公式ウェブサイト「捜査活動に関する統計等」を基に作成したグラフ。
このような時代の流れの中で、窃盗犯がバイク用品販売店を狙うのは現実的ではありません。ヘルメットは大きくて持ち出す際に目立つうえ、大型の用品店にはほぼ間違いなく顔を認識できる程度の画質を持つ防犯カメラが設置されているからです。
一方で、個人が所有しているヘルメットは駐車場などでの管理が甘いことも多く、窃盗犯としては手の届きやすい標的なのです。
試しに首都圏の人気ショッピングエリア・東京都世田谷区二子玉川駅近くの商業施設に併設されているバイク駐車場に停めてあった全バイク11台について、ライダーが車体を離れている際にヘルメットをどのように管理しているかを確認してみました。
商業施設に停めてあったバイクについてヘルメットの保管状況を調査したところ、半分以上のヘルメットは盗難対策が不十分と考えられる状態だった。
結果、最も多いのは「バイクのミラー部分などにヘルメットを引っ掛けただけ」の5台、ついで「ヘルメットロックにホールドしている」の3台、残りが「ヘルメットが見当たらない(ライダーが持ち歩いているか、シート下などに収納している)」の1台、「ヘルメットが複数あり、ヘルメット同士をあごひもでつないでいる」の1台、「ヘルメットをバイクの隣の地面においている」の1台でした。
もちろん、実際に触ってみたわけではないので、もしかすると防犯ブザーの設置などの対策がなされていたものもあるかもしれませんが、半数以上のヘルメットが簡単に持ち去れそうに思えました。
これでは、素人でも時間や手間をかけず簡単に盗み出すことが可能です。
また、盗難の難易度以外にも窃盗犯がヘルメットを狙う理由として、ヘルメットの中古価値が高いことが挙げられます。
中でも「アライ」や「SHOEI」などの有名ブランドの現行モデルは、中古品でもオークションやフリマアプリで3~7万円の価格がつけられています。
簡単に盗めて売ろうと思えば高く売れるので、個人のヘルメットは窃盗犯に狙われやすいのです。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
松戸市〜成田市を結ぶ国道464号の発展 かつて、千葉県の北総地区は高速道路のアクセスが今ひとつ芳しくなかった。 常磐自動車道・柏インターや京葉道路・原木インターからもちょっとばかり離れているため、例[…]
創業100年を迎えた青島文化教材社「草創期から異端派だった?」 中西英登さん●服飾の専門学校を卒業するも、全く畑違い(!?)の青島文化教材社に2000年に入社。現在に至るまで企画一筋。最初に手がけたの[…]
最新の関連記事(モーサイ)
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
松戸市〜成田市を結ぶ国道464号の発展 かつて、千葉県の北総地区は高速道路のアクセスが今ひとつ芳しくなかった。 常磐自動車道・柏インターや京葉道路・原木インターからもちょっとばかり離れているため、例[…]
創業100年を迎えた青島文化教材社「草創期から異端派だった?」 中西英登さん●服飾の専門学校を卒業するも、全く畑違い(!?)の青島文化教材社に2000年に入社。現在に至るまで企画一筋。最初に手がけたの[…]
人気記事ランキング(全体)
距離もブランドも関係なし!50人同時通話を実現 EVA Rモデルは、EVANGELION RACINGをモチーフとした特別デザイン(初号機A/B、2号機A/Bの全4モデル)をまとい、ナイトランでも存在[…]
最新の安心感と46worksテイストを両立した「究極のコンプリートモデル」 この『#02』は、2024年に限定販売された初代モデルに続くコンプリートカスタムモデル。今まで46worksが得意としてきた[…]
未塗装樹脂の白ボケ原因とツヤを復活させる方法 黒かったものが白っぽくなってくると古臭く見えてしまいます。…いいえ、「白髪」ではなくて「黒樹脂(未塗装樹脂)パーツ」のオハナシです。 新車の頃は真っ黒だっ[…]
APトライク250って高速道路で通用するの? チョイ乗り系トライクとして知られるAPトライク125は、125ccという排気量ながら「側車付き軽二輪」という区分のおかげで高速道路を走れます。しかしながら[…]
防寒着に求められる3要素を網羅 真冬のバイク乗りにとって、防寒は死活問題だ。アウターで風を遮断しても、その内側、つまりミドルレイヤーやインナーの選択次第で、ツーリングの快適度は天と地ほど変わってしまう[…]
最新の投稿記事(全体)
生活圏に牙を剥く「熊」から命を守れ!! 年、都市近郊や住宅地にまで出没し、甚大な被害をもたらしている**「人里の熊」。もはや登山家や釣り人だけの話ではない。愛車を駆る週末ライダーも、通勤・通学の一般市[…]
激白!プレゼントは「自分の欲しいもの」が圧勝! 「日頃の感謝を込めて…」なんて殊勝なことを考えてる男性も女性もいるだろうが、甘い! そのプレゼント、本当に喜ばれているのか? パナソニックが行った調査結[…]
愛知の熱きモビリティ企業、プロトが名古屋をジャック! JAIA(日本自動車輸入組合)会員としてベネリモーターサイクルの正規輸入元を務め、さらに愛知モノづくり企業「愛知ブランド」の認定も受けるプロト。オ[…]
スモークレンズが生む統一感と、高い視認性を両立 STAR SIGNALは、スモーク仕様のレンズとマットブラックボディを組み合わせた、落ち着いたトーンのLEDウインカーである。素材には亜鉛合金を採用し、[…]
スズキCNチャレンジのファクトリーマシンと同じウイングを装着(一部地域でオプション設定) スズキは今回、初代GSX-R750から40周年にあたる今年、「GSX-R1000」「GSX-R1000R」の復[…]
- 1
- 2

































