こだわりバイクライフSNSショッキングVol.2
「スニーカー感覚で乗れるポップで無邪気なバイクを目指して」カスタムショップRDD傳田良さんのバイクライフ

ライダーの数だけバイクに対する向き合い方も、バイクライフの楽しみ方も違うハズ。そんな一人ひとりのこだわりをリレー形式で語ってもらう連載企画「こだわりバイクライフSNSショッキング」。タイトルは某アワーのパク…リスペクト。第2回目はプロダクトデザイナーからバイクビルダーに転身したという異色の経歴を持つ、カスタムショップRDD代表の傳田良さん。あのラパイドネオを手掛けた人だ。
●文:傳田良 ●編集:ヤングマシン編集部(石川)
はじめまして。あなたのバイクライフをデザインするバイク屋「RDD(アールディーディー)」の傳田(デンダ)です。「サブアーム」の小林さんに続いて、バイクにまつわるエトセトラやデザイナーからカスタムバイク屋を始めた私の、少し変わった遍歴を語らせていただきます。
プロダクトデザイナーからバイクビルダーへ転身
社会人として最初のキャリアは、アライヘルメットでのプロダクトデザイナーでした。開発部で8年間働き、オフロードヘルメットのV-CROSS4やネオクラシック系ヘルメットのラパイドネオ等を世に送り出しました。ラパイドネオは企画の立ち上げからデザイン、開発、広告制作、広告モデルまで担当した思い入れの深いモデルです。
転機となったのは、アライ在籍中にDEUSの主催するカスタムコンテスト「BIKE BUILD OFF 2016」への出品です。そこで審査員だった46worksさんをはじめとしたカスタムビルダーの方々に初めて出会いました。バイクはバイクメーカーが作るものだと思っていたので、その存在は衝撃的でした。
しかも審査の結果は3等賞と上々。「自分もバイク作りを仕事にできるのでは!」と学生時代から抱いていた希望を実行に移す気持ちが沸々と湧き上がってきたわけです。
そうしてアライ入社9年目、ラパイドネオの仕事がひと段落したところで脱サラし、整備学校に入学! 同級生のほとんどは10代の中、最年長として学校に通うことになりました。みんな乗り物好きということもあってすぐに打ち解けて、案外楽しい2年間でしたね。今まで独学の整備だったところをちゃんと学べましたし、何より整備士免許がバイク屋開業の壁でもあったので、取れた時は感無量でした。
大学時代の卒業作品のバイクをリデザインし、どのように手作りしたかというのを冊子にまとめ「BIKE BUILD OFF 2016」に出品しました。
お店の場所はちょっと田舎で、ちょっと行くと都会に出られる東京都八王子市になります。自然と都会との距離感がちょうど良く、大垂水峠や道志、宮ヶ瀬方面のツーリングがてらふらりと遊びに来れる立地を選びました。認証工場も取得済みなので、法定整備や車検もおまかせください。西八王子駅徒歩2分のためバイクを預けてからのアクセスの良さもウリです!
カスタムを誰もが楽しめるようにしたい
趣味性の高い乗り物だからこそ、そこにかけるお客様の思いもひとそれぞれ。お客様一人ひとりのライフスタイルをさらに楽しめるようなカスタムを心がけています。加えて、元のバイクや素材の良さを活かすことを意識しているので、あまり手掛けるジャンルは絞っていません。
オーダーをいただいたら、イメージをまず絵に描いて、お客様に完成予想図を共有してから、具現化していきます。漠然としたイメージのオーダーであればあるほど、目でわかる形にしておかないとお互いの理想とする形をすり合わせることができませんから。もちろん予算に合わせて、現実的な路線を探ることも忘れません。
こうした形のないものを具体的にしていくやり方はデザイナー時代に培ったものです。当時の依頼も大げさに言えば、「爽やかな感じに」とか「速そうな」といった曖昧なオーダーなことも多々あったので、そのときの経験が活きていますね。
私自身は街でも自然でも楽しめるオフ車や、街中を軽快に走れるカフェレーサーなどの、軽くてスリムなバイクが好きです。もっといえば、本気で走れるけれど可愛げのあるスタイルだと最高です。
カスタムというと、速そうとか強そうなんていうイカついイメージを抱く方が多いと思いますし、バイクをよく知らないとカスタムしてはいけないなんて思っている方もいるかもしれません。
でも、尊敬するカスタムビルダー木村信也さんの言葉を借りれば、「ステッカー1枚貼ることからカスタム」だと私も思います。バイクは気軽に個性を発揮できる乗り物です。「もっとカスタムの敷居を下げて、いろんな方にお洒落のひとつとしてバイクに触れてもらいたい」というのが私のカスタムビルダーとしての一番の思いです。
バイク業界でお洒落という言葉は、「安全」が第一であるためか、タブー視されているように感じます。それでも安全性を保ちながら、お洒落をする道はあるはずです。
開業は2023年の6月ということもあり、まだまだ実績も知名度も少ない当店ですが、一緒に理想を形にしていくプロセスを楽しんでいただけたらと思っています。「乗ればお洒落になれる!スニーカー感覚で乗れるポップで無邪気なバイク」を作りますので、ぜひご相談ください。
【YAMAHA セロー250 custom】当店デモ車。街中でポップに乗れるをコンセプトに制作。見た目とは裏腹にノーマルよりもキロ単位で軽量化が施され、オフロードでのフィーリングも向上しています。
【HONDA CRF125F custom】80年代CR風というオーダーで制作。オリジナルシートとオリジナルデカール。アルミリムは再アルマイトによりビンテージゴールド色にしました。
【YAMAHA ルネッサcafe racer custom】ミリタリーカラーにペイントした正統派カフェレーサー。オリジナルタックロールシート制作。灯火類は小型化しています。
今後はグラフィックデザインに加え、デザイナー時代に得た3Dモデリングの技術を活かした3Dプリンターによるカスタムも進めていく予定です。
次回の「こだわりライダーSNSショッキング」は…
SNSで人気を集めるイラストレーターSAPOさんが登場予定。どんなバイクライフやバイク愛を語ってくれるか、乞うご期待!!
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(SNSショッキング)
みなさま初めまして。北海道は江別市在住の道産子ライダー、ゆーまです! 元々は某バイクディーラーにて勤めておりました。バイクが生活の一部になっている私のバイクライフについて、綴らせていただきます。 バイ[…]
みなさん始めまして!北海道札幌市在住のふーまと申します。バイクや車とそのオーナーさんを被写体にした、映像制作や写真撮影をしているチーム「Garagefilm」で活動をしております。 動画作品は、You[…]
はじめまして! 北海道札幌市でバイク乗り&スチールカメラマンをしております、かわさきしゃけと申します! Garagefilmというクリエイティブチームで活動をしております。この記事では、私のバイクや物[…]
読者のみなさま、はじめまして! バイクや車とそのオーナーさんを被写体にした、映像制作や写真撮影をしているチーム「GarageFilm」のマチルダと申します。私の記事では、現在の活動をするきっかけになっ[…]
読者のみなさん、どうも初めまして! ちょっと古めのバイクと女の子の組み合わせをメインに描いてる、イラストレーターのすらくすと申します。すごいクリエイターやバイク乗りの方々から回ってきたバトンということ[…]
最新の関連記事(カスタム&パーツ)
筑波サーキット向けにカスタム中 「X350ウィズハーレー編集部号」は、2024年12月現在、サーキット、とくに筑波サーキットでタイムを削るためのカスタムを進めている。過去、全日本選手権に出場し、筑波サ[…]
ヘッドユニットオーディオ「WHD14+」(プレシジョンパワー):Apple CarPlay&Android Autoワイヤレス対応 高機能かつ高性能のオーディオヘッドユニットを取り扱うプレシジョンパワ[…]
量産車ではこだわりきれないパーツを独自の技術で高品位化。完全ボルトオン設計によりパーツ装着が容易で、ユーザー自身によってアップグレードを図ることができると好評を博しているのが、スピードラのカスタムパー[…]
ヤンマシ勝手に断言。これでレースに出るハズだ!! 「CB1000Fコンセプト モリワキエンジニアリング(以下モリワキCB)」は、見ての通り、ホンダCB1000Fコンセプトをレーサーに仕立てたカスタムモ[…]
ラバーマウントスポーツでは、シート下周辺がボテッと重厚感のあるスタイルになりがちなところを、オイルタンクおよびソロシートをワンオフにて製作し、スッキリさせつつ見事なまでのくびれで魅せているから舌を巻く[…]
最新の関連記事(ライフスタイル)
みなさま初めまして。北海道は江別市在住の道産子ライダー、ゆーまです! 元々は某バイクディーラーにて勤めておりました。バイクが生活の一部になっている私のバイクライフについて、綴らせていただきます。 バイ[…]
一般人ほど相続に気をつけろ! “相続”は「金持ちの問題」と思っている人が多いようですが、それは大間違い! 少しでも物やお金を持っていれば、相続は誰にでも関係します。そして、一般人ほど面倒です。 お金持[…]
投資におけるリスクはネガティブな意味ばかりではない “リスク”は”危険”という意味もありますが、投資の世界では”結果の振れ幅”とか、”予想通りにいかない可能性”という意味で使います。 バイクを投資目的[…]
みなさん始めまして!北海道札幌市在住のふーまと申します。バイクや車とそのオーナーさんを被写体にした、映像制作や写真撮影をしているチーム「Garagefilm」で活動をしております。 動画作品は、You[…]
旧車価格が高騰! 資産価値はどれくらい? 少し遡ること4年前、2020年からのコロナ禍で旧車の価格が爆上がりしたことを覚えていますか? コロナで外出を控える中、”密”を避けて外出できるソロキャンや登山[…]
人気記事ランキング(全体)
まず車間が変わることを理解しておこう! ツーリングでキャリアのある、上手なライダーの後ろをついてゆくのが上達への近道。ビギナーはひとりだと、カーブでどのくらい減速をすれば良いかなど判断ができない。そう[…]
ヤンマシ勝手に断言。これでレースに出るハズだ!! 「CB1000Fコンセプト モリワキエンジニアリング(以下モリワキCB)」は、見ての通り、ホンダCB1000Fコンセプトをレーサーに仕立てたカスタムモ[…]
ナンバー登録して公道を走れる2スト! 日本では20年以上前に絶滅してしまった公道用2ストローク車。それが令和の今でも新車で買える…と聞けば、ゾワゾワするマニアの方も多いのではないか。その名は「ランゲン[…]
モバイルタイプでも水の勢いは十分。洗車での活躍は間違いなし 今回発売されるケルヒャー「OC 5 Handy CB」は、もっと手軽に、どこでも洗浄したいというユーザーの持ち運びニーズに対応した、ガンタイ[…]
タイホンダ創立60周年を記念したスペシャルエディション 特別仕様車の製作に旺盛なカブハウスは、タイホンダの創立60周年を記念した「New Monkey Chrome Legacy Limited Ed[…]
最新の投稿記事(全体)
QBRICK(キューブリック):据え置き/持ち運びどちらもOK。多彩なボックスを連結して自分仕様の収納ができる 共通のジョイント機構により、多様な形状や容量のボックスを自由に連結、分割できるQBRIC[…]
新5色ラインナップとなった2022年モデル 2022年モデルが発売されたのは、2022年6月23日のこと。2021年のフルモデルチェンジの際には、新設計の水冷エンジンが4バルブの「eSP+(イーエスピ[…]
15番手からスタートして8位でフィニッシュした小椋藍 モナコでロリス(カピロッシ)と食事をしていたら、小椋藍くんの話題になりました。「彼は本当にすごいライダーだね!」と、ロリスは大絶賛。「ダイジロウ・[…]
筑波サーキット向けにカスタム中 「X350ウィズハーレー編集部号」は、2024年12月現在、サーキット、とくに筑波サーキットでタイムを削るためのカスタムを進めている。過去、全日本選手権に出場し、筑波サ[…]
2.5次元アイドルがアンバサダー!? モーターサイクルショー開催概要 東京モーターサイクルショーの共通するメインテーマは、「いいね、バイク」。大阪のサブテーマには「バイク&ピース」、東京には「バイクっ[…]
- 1
- 2