Matt RiderJapanのPVと試乗で巡るバイクの世界。今回は話題のトライアンフ400シリーズだっ!
[初心者向け試乗レビュー] 普通二輪免許で乗れるトライアンフ スピード400/スクランブラー400Xがビギナーにオススメか確かめてみた
![[初心者向け試乗レビュー] 普通二輪免許で乗れるトライアンフ スピード400/スクランブラー400Xがビギナーにオススメか確かめてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
●文:[クリエイターチャンネル] Matt RiderJapan
こんにちは、マットです!! 今回は先日発表されたばかりのトライアンフのニューモデル、スピード400とスクランブラー400Xを取り上げます。日本国内でも普通自動二輪免許で乗れる中型バイクとして話題になっているモデルですね!
まずはプロモーションビデオチェック!
まずはすっかりお馴染みになったプロモーションビデオチェック! 映像ディレクターとして本業ですので、各メーカーさんの動画チェックは欠かさずにしております笑。
30秒ほどと短めのプロモーションビデオです! もう少ししっかり見たいなと思う反面、WEB広告などで流すにはちょうどいい短さですね。
冒頭シーンは今回のスローガン「HAVE IT ALL」からスタート。「すべてを手に入れる準備はできてるか!?」というメッセージ。
冒頭はこのヨンヒャクシリーズのスローガンの「HAVE IT ALL」の字幕とスピード400の走行シーンからスタート! BGMもUKロック調な爽やかなものをチョイスしています。イギリスのブランドという事でBGMのチョイスはセンスがあっていいな~と思いました(僕も個人的にこういう爽やかロック調なBGMを選びがちです)。
スピード400/スクランブラー400Xの2つの車種が、合計4台でマスツーリングしているようなショット。
4台で海沿いまで遊びに来たということを彷彿させるシーンですね。
基本的には「まったく新しいトライアンフ」「初心者でも気軽に扱えるモデル」、この2つのコンセプトが目玉となってくるシリーズだと思いますが、それを30秒で伝えるには、なかなか難しいものがありますね…。
「まったく新しいトライアンフのモデルでビーチに遊びに来たぞ!」といった、スピード400とスクランブラー400Xとともにあるライフスタイルを表現したいとは思うのですが、「尺的に厳しいよな〜、僕ならどうするのかな〜」と考えてみたところ、やはり「伝えたいポイントを絞るしかない」という結論に至りました。30秒でスピード400/スクランブラー400Xを各1本、合計2本だと、作り手としては作りやすいですけど、どうしてもまとめて1本でとなるとムズカシイですね笑。
スクランブラー400Xはキャラクターがわかりやすい一方で…
スクランブラー400Xの方は、ダートを駆け抜けるシーンがあるため、“本格的な走破性を持ったスクランブラーモデル”というイメージがビデオから読み取れます。一方、スクランブラーよりも足つきが良いぶん、初心者に優しいスピード400には、ワインディングを走っているシーンが採用されています。ちょっとしたS字でライダーが切り返しをするカットも入っているため、ここから「軽さも結構アピールしてる!」と読み取ることができました。
スクランブラー400Xはダートを走行するシーンが印象的。
スピード400はワインディングのシーンがメイン。S字切り返しのカットは車体の軽さをアピールしています。
個人的な感想ですが、スクランブラー400Xもグループショットで両モデル4台によるオンロード走行シーンがあります。それに加えてオフロード走行シーンも採用されていたので、相対的に見るとスピード400の方がメッセージ性が弱くなってしまっている印象があります。
せっかく初心者でも扱いやすいモデルという触れ込みなので、僕が映像を制作するのであれば、スピード400の方は女性ライダーをメインに据えることで、初心者フレンドリーなメッセージ性を持たせたいなという感想を持ちました。
個人的お気に入りポイントは最後のラストカット。2台の並走シーンからその間にトライアンフロゴをアニメーションで出すコダワリのポイントがイイ笑!!
やはりラストカットは一番コダワリたくなるのがクリエイターの性ですね!! 個人的には動画構成をつくる上で、ラストカットと同じぐらいファーストカットにもこだわりたいと思っていますが…。
トライアンフのイメージ的なプロモーションビデオは他のビデオでも全体的に尺が短めですが、車両解説ビデオがしっかり用意されていたり、本国のローンチレポートビデオなどの発信も盛んです。しかも今回のこのモデルは、ローンチレポートビデオの方を重視していると感じたぐらいしっかりとした作りですね笑。
さっそく試乗…質感良し! デザイン良し! 走りは元気なスピード400
さてここからは、実際にスピード400とスクランブラー400Xを試乗してきた感想です。2台とも短時間試乗かつほぼ新車という条件下ではありますが、感じたことを伝えていきたいと思います。
まず実写を見たときの両モデルに対する感想が「質感めっちゃイイ!」ということでした。とくに海外メーカーの中排気量モデルだと、どうしても廉価版というイメージがつきがちです。でも、今回のトライアンフの両モデルは、グローバル向けとして本気でトライアンフが作り込んで来ていることが、車体の各部からひしひしと伝わってきました。
ぱっと見た時の質感は大型モデルに引けを取らないぐらいの質感の良さ。トライアンフらしい作り込みです。
車体の質感が良いのは確認できましたが、肝心な走りはどうか…!?
これまたびっくり。クラシカルなデザインからホンダGB350などといった、ゆったり鼓動を楽しむ系のモデルと思いきや、中〜高回転型の元気の良いエンジンでした。どちらかというと、KTM390デュークやBMW G310Rにキャラクターは似ています。
水冷DOHC単気筒エンジンは40馬力ほどのパワーを発揮しますが、かといってピークパワーを高回転域で絞り出しすぎているわけでもなく、中低速域のトルクもしっかり出ていて、走り出しもラクな印象を受けました。400cc単気筒エンジンにもかかわらず、想像以上にかっ飛ばせる系のエンジンですね。
新車ということもあるかもしれませんが、サスペンションがやや硬めの設定で、ある程度のスポーツ走行も想定していそうです。気になる足つき性は、シート高が790mmほどと高めなものの、少しシート幅があるため、極端に低いというわけではありません。車重が約170kgほどと軽いことも考慮すれば、初心者にも十分オススメできるポジションといえるでしょう。
スクランブラー400Xは本格派!?
プロモーションビデオ内でも、ダート走行シーンなどといった印象が深いスクランブラー400X。こちらもエンジン等、基本的なプラットフォームはスピード400と共通です。その一方でフロントに19インチの大きめなタイヤを採用したり、フレーム/全長/ホイールベースなどは車種専用設計にすることで、本格的なスクランブラーモデルとして作り込んでいることが分かります。
エンジンスペック等はスピード400と共通ですが、大柄なポジションの本格派!
いざ、こちらも試乗してみると、思ったより車格が大きめなことにびっくり。シート高が835mmと腰高なポジションで、身長165cmの僕が跨ると片足のつま先がツンツン状態…、両足はほぼつきません笑。ですが、車重が約180kgと車格のわりには軽めなので、初心者の方でもすぐに慣れて、あまり不安は感じなくなるかもしれません。
こちらもほぼ新車ということもあり、前後サスペンションは硬めのセッティングでしたが、試乗車によってはリヤサスペンションが少し柔らかくなっているものもありました。慣らし運転が進んでアタリが出てくると、また変わった印象を受けるかもしれません。
エンジンはスピード400と変わらないはずですが、車格の大きさや重量などといった要因から、スピード400よりはアクセルを開けていっても、ゆったりめな印象を受けました。走行中に橋のつなぎ目や減速帯、段差を乗り上げて駐車場に進入したりしてみましたが、車体の剛性感も高く、フロントフォークとタイヤがうまく衝撃を吸収してくれました。このあたりはさすがのオフロード走行も意識した作りもしているなという印象です。
走り出すとスピード400同様に乗りやすいキャラクターですが、初心者にとってはシート高の高さが少しネックになると思います。スクランブラーとしては初心者向けだけれど、スピード400に比べれば玄人向けといえそうです。
プロモーションビデオの印象以上にイイ!
さてまとめると、スピード400はPVのイメージ以上に初心者にもオススメな“乗りやすいネイキッド”で、スクランブラー400Xはきちんとオフロード走行を意識した“本格的なスクランブラー”を地でいくモデルといえます。PVで打ち出されていたイメージ以上の良さを実感できました。
なにより、映像では表現しきれていない実車の高い質感は、所有欲をかき立ててくれます。スピード400とスクランブラー400Xの良さを、ぜひ一度その目で見て乗って確かめてみてください。
僕のYouTubeにも速報という形ではありますが、両モデルのインプレッションを投稿しています。ぜひご覧ください!!
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
最新の関連記事(Matt RiderJapan)
こんにちは! マットです!! 三重県にある頭之宮四方神社(こうべのみやよもうじんじゃ)は、全国的にも珍しいヘルメットの御祈祷を受けられる場所です。先日訪れてきたので、その模様とともに、神社の魅力をレポ[…]
1分でわかる記事ダイジェスト 愛車のNinja ZX-25Rにつけて効果を実感できたパーツを紹介。いずれもパフォーマンスアップするものばかりだ。 コスパ◎乗り味が劇的に変化するYSSサスペンション! […]
1分でわかる記事ダイジェスト 僕の愛車であるカワサキNinja ZX-25Rカスタムのパーツを紹介。購入から約4年が経過したが、パーツ代のみで140万を超えていた。カワサキNinja ZX-25Rのオ[…]
1分でわかる記事ダイジェスト 年に一度の一大イベント「BMW MOTORRAD DAYS JAPAN」 全国のBMWオーナーが集う最大のお祭り「BMW MOTORRAD DAYS JAPAN2024」[…]
1分でわかる記事ダイジェスト ミシュラン製スポーツツーリング向けタイヤ「ロード6」。その、走行距離が約1万キロになったので、そのインプレッションをする。YouTube動画内では、メーカーの方にインタビ[…]
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
オーバー500cc・ビッグシングルの力強さ 世界最古クラスの英国ブランド、BSAが再び日本に上陸した。 歴史的ビッグネームの「ゴールドスター」は1938年から1963年まで製造された、BSAの代名詞の[…]
ツーリングの楽しさを気軽に、疲れ知らずで ウェット路面に翻弄され、全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラス今季初戦は、決勝9位という不本意な結果に…。その悔しさを癒してもらおうと、新型のRebel […]
世界の二輪市場にBSA復活を知らせる2台の新型車 BSAブランドが再び動き出したのは2016年。自動車や二輪車、物流や不動産など多角的に事業を展開するインド/マヒンドラ・グループが、新たに起ち上げたク[…]
“クラシック”シリーズ初の2気筒モデル ミドルクラスでグローバルな存在感を増しているロイヤルエンフィールドは、空冷350cc単気筒シリーズと空冷650cc 2気筒シリーズを多数展開。これに水冷450c[…]
今回のツーリングで3337.2kmを走ったトレーサー9 GT+Y-AMT ①ACC&Y-AMTの組み合わせは高速移動が圧倒的にラクチン! 今回のインプレッションでは首都圏から北海道まで高速道路を使って[…]
最新の関連記事(トライアンフ)
世界中のビルダーがボンネビルをカスタム 今回開催されたバイクカスタムの世界規模コンペティションには、世界各地から8チームが参加。その中からファイナリストに選出されたのは、ブラジル、フランス、イタリア、[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」。 今回は、2025年モデルで各部のブラッシュアップが行われたトライア[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
アドベンチャー仕様としてオフロード性能を強化 新型モデル「スクランブラー400XC」は、トライアンフが誇る400ccモダンクラシックシリーズの新顔だ。既存のスクランブラー400Xをベースに、さらなるオ[…]
ニューカラーをまとった2026年最新トラをチェック プレミアム志向の輸入ブランドとしても、国内でも地位を確立した感のあるトライアンフ。その2026年モデルが、ニューカラーをまとって出そろった。 話題の[…]
人気記事ランキング(全体)
カスタムスピリットから生まれた英国ブランド まずMUTT Motorcyclesというブランドについておさらいしておこう。2016年、英国バーミンガムでカスタムビルダーのWill RiggとBenny[…]
50レプリカのフルサイズからミニバイクレースを経てデフォルメフルサイズへ! VR46カラーのTZR50……実はヨーロッパで1997年から2012年まで生産されていたイタリアのミナレリ製エンジンで、現地[…]
どうする? スクーターのエンジンがかからない ※これはまさに、筆者が直面した実話です。我が家のスクーター(TODAY)に乗ろうと思って、車庫から引っ張り出しました。ちょっと久しぶりですね。エンジンをか[…]
オーバー500cc・ビッグシングルの力強さ 世界最古クラスの英国ブランド、BSAが再び日本に上陸した。 歴史的ビッグネームの「ゴールドスター」は1938年から1963年まで製造された、BSAの代名詞の[…]
潮風と愉しむ瀬戸内の海の幸をその場で堪能せよ! ツーリングで心地よい疲労を感じた体に染みわたる、とびきりの港メシはライダーにとって最高の贅沢だ。IKEDA PORT MARCHÉでは、島の牡蠣や地魚を[…]
最新の投稿記事(全体)
随所に専用部品を投入したZシリーズ初のR仕様 Z1000の派生/上級機種として’78年に登場したZ1‐Rは、評価がなかなか難しいモデルである。まず当時の流行だったカフェレーサーの手法を取り入れながら、[…]
125ccクラス 軽さランキングTOP10 原付二種は免許取得のハードルも低く、手軽に楽しめる最高の相棒だ。とくに重要なのは「軽さ」だろう。軽ければ軽いほど、街中での取り回しは楽になるし、タイトなワイ[…]
“思い出の1台”に乗りたい バイクメーカーがニューモデルを開発する際は、ユーザーがそれを受容できるか、あるいは新たなマーケットを作り出せるかが重要。レーサーレプリカもネイキッドも、それがウケると分かっ[…]
用品から観光までバイクライフが広がる一日 「茶ミーティング」の最大の魅力は、その出展ブースの多様性にある。国内外のオートバイメーカーや用品メーカー、卸商といった我々ライダーにはお馴染みの企業が多数参加[…]
日本の免許制度を考慮してナナハン4気筒と同時開発 GS750の弟分。世間にはそういう見方をする人がいるけれど、’76年から発売が始まったGS400を弟分と呼ぶのは、少々語弊があるのかもしれない。なんと[…]