【DIYエンジン分解の基本】ノックピンの潰れと固着に負けない抜き方。サンメカ必見!

「ノックピン」は、スマートにエレガントに抜きたいよね!ってことで、固着しがちで潰れがちなノックピンをスマートに抜くのが今回のテーマ。難しいことはありません。ちょっとしたひと手間を加えることで簡単に、かつ高確率で抜くことができるので是非ともトライしてみてください~!
●文:[クリエイターチャンネル] DIY道楽テツ
侮れないエンジンの「ノックピン」
皆様こんにちは! DIY道楽テツです。今日は、エンジンのノックピン抜きをスマートに抜くテクニックをご紹介します。といっても難しいことは何もなく簡単なので、基本的な方法として、ぜひとも頭の片隅にメモしておいてくださいね。
エンジンを分解すると必ず登場するのがコレ「ノックピン」。
分解して、またすぐに組み立てれば特に問題はないのですが、ガスケットをちゃんと剥がそうとしたり、しっかりオーバーホールしようとすると、このノックピンを抜かなければならないシーンにしばしば遭遇します。
薄くて、繊細なノックピン。だけど、錆びやすくてしかもすぐに固着しちゃうノックピン。
抜くのに苦労して、傷がついたり潰れてしまったりして交換を余儀なくされるのなら、まだマシ(もともと新品交換を前提にする部品でもあります)。
一番困るのは、傷つくだけでなくて潰れてしまった上に「抜くに抜けない」状態になってしまうこと。こうなるとマジで困る。焦ってニッパーで掴んでも肉厚が薄いので「ブチッ」と切れるだけで全然抜けない。
・・・そうなると、分解したエンジンを前にがっくりと膝を付くハメになってしまいます。
最初が肝心!「ノックピン」をエレガントに抜こう!
まずは、ノックピン抜きの基本について。ノックピンは、エンジン内部の重要な役割を果たす小さな部品です。新しいうちはスルッと抜けてくれるのですが、時間が経つと錆や汚れで固着し、抜くのに一苦労します。
「チカラ任せ」はダメ、ゼッタイ!
ここで大事なのは、無理に力を入れずに慎重に作業すること。そのままプライヤーで無理に掴むと、いとも簡単にノックピンが潰れてしまい、さらに困難な状況に陥ります。
しっかり掴まないと回せないですが、強い力を加えると潰れてしまう。かといって緩い力で回そうとすると、滑ってしまって傷がついてしまったり、そもそも回らなかったり。
てことは、潰れないようにしたうえで、ガッチリ掴んで一発で回す!これが必勝法となるのです。
やり方は至極シンプル。芯を入れてやるだけ、です。
専用の芯棒があれば完璧ですが、そんな時はコレ「ドリルの刃」が代用できる。・・・っていうか、むしろ専用品といっていいほどのフィット感なのです。なんたって、0.1ミリ単位で揃ってますからね。使わない手はないでしょう~!
ドリルを使ったスマートかつエレガントなノックピンの抜き方
それでは、ご覧に入れましょう。
ノックピンにドリルを差し込みます。
今回のクランクケースのノックピンにはφ8.5ミリのドリルがジャストフィットでした。ぴったし。隙間がありません。
それをプライヤーでがっちりと掴んで…
クイっとな。
スポッ。グッジョブ!!!!
芯が入っているから、潰れない。潰れないから、力が入れられる。力が入っているから、滑らない。滑らないから、余計な傷をつけずに回すことができる。
いやん、もう。良いことずくめじゃあないですか♪
今回の作業の注意点
サイズ選択が重要
まず、ドリルの選択が重要です。ノックピンの内径に合ったサイズをチョイスしてください。ぶっちゃけ、再利用を考えないなら多少小さくても大丈夫ですが、やっぱりピッタリが理想的。
ドリルは刃物。扱いに注意!
ドリルの先端は刃物です。当然の如くケガをする恐れがあるので、作業の際はビニールテープを巻くなどの予防処置をすればより安全です。
プライヤーで掴む
ノックピンを掴む際には、ペンチなどでは滑ることがあるので、掴み幅を調整できるプライヤーなどの使用をお勧めします。
今回紹介した方法は地味なものですが、確実にトラブルを未然に防げるテクニックですので、ぜひ活用してみてください。この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
アクセルワイヤーが長すぎた!というトラブル ハンドルを交換して長さが合わなくなってしまったり、はたまたケーブルそのものが痛んでしまったり。こうしたアクセルワイヤー(スロットルケーブル)を交換する際、「[…]
セルが弱くなったらバッテリー交換のサイン スクーターのバッテリーが弱ってきたのか、始動性がイマイチになってきました。 そういえば、このバッテリーもずいぶんずいぶん古くなってきたので、バッテリーを買い替[…]
新品タイヤが滑るその理由 新しいタイヤは滑ります。 滑りたくないから新しいタイヤに交換したというのに、なぜか新しいタイヤはマジで滑るんです(経験者は語る)。 なぜ滑るかというと、それはタイヤの製造過程[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
燃料コックにも涙? それはある日の出来事。バイクで走り出そうとガソリンタンクの燃料コックをオンにした時、指先に冷たいものを感じました。 何があるのかと覗き込んでみると・・・燃料コックが泣いているぅ~![…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
メンテナンスで覚えて、カスタムで楽しむホンダのモンキー&ゴリラ シフトアップ製88ccキットを組み込み、ノーマルキャブのままでセッティング変更せずに普通に走ることができた、6ボルト仕様の初期型黄色ゴリ[…]
ネットで注文できる1サイズ&1プライスガレージ。完成状態で運搬されてクレーンで据え置きされる サンデーメカニックなら誰もが知る工具ショップ・アストロプロダクツのホームページ上に「BIKE小屋」という商[…]
前後バランス配分が崩れてしまったフロントまわりを構築 フロントフォークの動き云々もあるが、動き以前に長さが違って前後バランス配分が崩れてしまうと、まともに走れなくなってしまうのがバイクだと思う。とりわ[…]
【ご注意】本記事は、エンジンオイルの過剰注入がエンジンに与える影響を確認するための実験であり、一般使用車両での実施や再現を推奨するものではありませんのでご了承ください。 オイルの規定量は守らなくちゃイ[…]
旧車の開発に使われた”鉱物油”にこだわる 1992年に創業した絶版車ディーラーのパイオニア・ウエマツ。販売だけでなく、整備にも徹底して力を注いできた同社がそのノウハウをフィードバックし、旧車に特化した[…]
人気記事ランキング(全体)
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことがわかって[…]
空冷Zと日産のL型エンジンに特化したパムス カワサキのZ1やZ2など空冷Zのオーナー、あるいはファンの方にとってパムスは有名すぎるほどのファクトリーに違いありません。 レース畑だった私(今井伸一朗)で[…]
2023年モデル概要:400クラス唯一のクルーザーとして登場 カワサキ「エリミネーター/SE」の初公開は、2023年3月17日に開催された大阪モーターサイクルショーでのこと。発売はその約1ヶ月後となる[…]
ネットで注文できる1サイズ&1プライスガレージ。完成状態で運搬されてクレーンで据え置きされる サンデーメカニックなら誰もが知る工具ショップ・アストロプロダクツのホームページ上に「BIKE小屋」という商[…]
※価格や発売時期は独自の情報に基づく本紙予想です。販売店へのお問い合わせはご遠慮ください。 ターゲットはZ900RS。プライスも真っ向勝負?! 5年前に「CB-Fコンセプト」を目にした時の歓喜は忘れら[…]
最新の投稿記事(全体)
ビヨンド・ザ・タイム(時を超えて) 「かわす性能」でライダーの頭を護り続けるアライヘルメットが、オールラウンドフルフェイス「アストロGX」の新グラフィックモデル「アストロGXビヨンド」を発売する。 ア[…]
最新ペルチェ素子搭載の冷暖両用ベスト ライダーの体温管理に革命をもたらすかもしれない画期的な新商品が、おたふく手袋が手がけるBODY TOUGHNESSブランドから登場。それが、「BT アビリティ ペ[…]
カワサキW800(2020) 試乗レビュー [○]フロント19インチの味わい。これぞスタンダード ’19年、3年ぶりにカワサキのネオクラシックモデル・W800シリーズがラインナップに復活した。アップハ[…]
バイクは性能だけじゃない。大胆に温故知新を貫いた 1馬力でも高く、0.1秒でも速く…。1980年代後半、そんな熱狂にライダーは身を焦がしていた。レースでの勝利を至上命題にしたレーサーレプリカが世に溢れ[…]
バイクライフを変えるスマートナビ「AIO-6シリーズ」 「AIO-6シリーズ」は、従来のバイク用ナビゲーションシステムが「道案内」や「車載モニター」に限定されていたのに対し、4G通信技術を搭載している[…]
- 1
- 2