電動バイクが安く購入できるかも? “補助金制度”とは?
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
現在、日本を含む多くの国で“2050年カーボンニュートラル達成”という目標が掲げられており、活動の一助として、走行時に二酸化炭素を排出しない電気自動車の普及が世界的に進んでいます。2輪業界もその影響を受け、各メーカーから続々と電動バイクが発表されるようになりました。
電動バイクは環境にやさしいだけでなく、シフト操作を必要としないシンプルな操作性/走行音の静寂性/比較的低コストで維持できるといった理由から、多くの注目を集めています。
一方で、ガソリン車に比べ本体価格が割高な傾向にあることが、購入を踏みとどめてしまう要因のひとつとされています。そんな電動バイクですが、現在、国および特定の自治体において、購入時に車種に応じた補助金を受け取ることができる制度が確立されています。
このうち国からの補助金は、一般社団法人次世代自動車振興センターが実施している“CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)”というもので、自身が住んでいる地域に関係なく受け取ることができます。
もともとは自動車の購入時のみ適用されるものでしたが、2022年より電動バイクも対象となりました。
この補助金はクルマと同様に、すべての電動バイクに対してではなく、国の設けた基準を満たした車種のみに適用されます。また、割引とも異なることから、受け取るためには購入者による申請が必要です。
では、電動バイクの購入にあたってCEV補助金を受け取るためには、どのような手続きが必要となるのでしょうか。
補助金制度を利用するには?
補助金の申請から受け取りまでの流れは以下の通りです。
まず、購入予定のバイクが補助金受給の対象であるかを確認します。2023年4月現在、個人購入で確実に受給可能な車種は、実質上はヤマハ「E-Vino」の1車種のみです。
続いて、実施機関(次世代自動車振興センター)のWebサイトから、購入予定のバイクの初年度登録タイミングに応じた申請書類の提出要項を確認しましょう。例えば、令和5年5月1日以降に初年度登録した車両の場合、書類の提出期限は初年度登録日のちょうど1ヶ月後となります。
そしてバイクを購入し、車両登録と届出を終えたら、期限までにオンライン申請もしくは実施機関へ提出しましょう。
申請書類はおよそ8種類あります。順に見ていきましょう。
まず、補助金交付申請書と、本人確認用として運転免許証/住民票/印鑑登録証明書申請者のいずれか一つの写しが必要です。また、申請車両を確認する書類として、自動車検査証(車検証)/標識交付証明書いずれかの写しも必要になります。
車両代金の支払いを確認する書類には、申請者あての領収書の写し/銀行発行の振込証明書の写しなどが必要になるほか、車両の所有権保留の場合は、申請者が契約者となっているローン/クレジットなどの契約書の写しも対象となります。
そして車名および購入価格の確認書類としては、申請者が車両購入者となっている注文書/請求書/売買契約書のうち、いずれかの写しが対象です。なお、車両販売会社が記入した“下取り車入庫証明書”は、下取り車がある場合のみ要提出となります。
また、補助金を受けた車両の管理のための書類は提出不要であるものの、補助金を受けた車両は4年または3年の保有義務があるため、その間は本書類を備え付けて管理する必要があります。
そして、型式が“不明”となっている車両の場合、その仕様確認書類も必要です。これは補助対象車両と同一であることを証明する確認書で、メーカー/メーカーの委託を受けた機関で発行されます。
これらの書類を提出し保管したら、いよいよ車両の審査へ移り、補助金交付決定確定通知兼補助金の額の確定通知が届きます。確定通知が届けば交付金額が決定し、申請書に記載された金融機関に振り込まれます。
以上が、CEV補助金の申請から受け取りまでの流れです。
ちなみに、自治体の実施する補助金に関しては、自治体ごとにさまざまな申請フローを設けています。東京都実施の制度を例に挙げると、“電動バイクの普及促進事業”の下、CEV補助金と併用可能な補助金があります。
この2種類の補助金を併用することで、例えば本体価格28万6000円のヤマハ「E-Vino」を購入する場合、CEV補助金として3万1000円、東京都補助金として9万3000円(いずれも令和4年度補助額)の計12万4000円を受け取ることが可能というわけです。
なお、ヤマハ「E-Vino」の令和4年度の補助金受付はすでに終了しているので、電動バイクを安く購入したい人は、また来年の機会を狙ってみると良いかもしれません。
また、市区町村単位で実施されている場合もあります。購入検討にあたって、自身が利用できる制度を事前に確認しておくことが重要と言えるでしょう。
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