SHOEIのJ-FORCE4は軽くて・コンパクトで涼しくて静かで最高でした

●文:[クリエイターチャンネル] 相京雅行
暖かい時期に使い勝手の良いスポーツジェットヘルメットを紹介する第四弾はSHOEIのJ-FORCE4です。
実は筆者もこのヘルメットを使っているのですが、私物は酷使しているので、今回はSHOEIさんからお借りしました。
発売は2015年あたりだったと思うので、そろそろ後継モデルに期待したいところですが、今回はJ-FORCE4の魅力を伝えたいと思います。
付属品とカラーバリエーション

付属品はヘルメット収納袋、説明書、シリコンオイル、ピンロックシートが付属されています。

収納袋はヘルメットの塗装やシールドを傷つけないように裏起毛、更に縫い目も外側にする念の入れようです。

ピンロックシートは強力な防曇効果があり、気温が低かったり雨が降っている際にも効果があります。標準では付属されていないヘルメットが多いので嬉しいポイントです。

シリコンオイルは説明書によるとシールドと淵ゴムの密着を保つために定期的に塗布することが必要との事。ゴムの劣化を防ぐためにも使っておきたいところです。

説明書らしきものは2部。補足で1枚という形。
シールドや内装の脱着に関しては取扱説明書にイラスト入りで書かれており、説明書によればトップ内装は専用ですが、チークパッドは互換性があるようです。
通常XSとXXL以外は35というサイズが使われていますが、緩めにしたければ31、きつめにしたければ39の設定もあります。
認証シールは貸し出し品だからか貼られていませんでしたが、SGマーク救済制度の案内が一部入っていました。PSCとSG認証は取得されています。

過去にはグラフィックモデルも販売されていましたが、現在は単色モデルのみラインナップされており、カラー展開は6色となっています。
筆者が所有しているのは過去に販売されていたマットブルーメタリックですが、青が好きなので現行のカラーだとラグナブルーがイチオシです。
価格は2022年10月1日より値上げされて5万1700円です。
J-FORCE4のデザイン

SHOEIはエッジが効いたデザインのヘルメットが多いように思いますが、J-FORCE4も同様です。
特にベンチレーションと一体になったエアロパーツの主張が強め。頭頂部のベンチレーションはエアロパーツと一体化しており、後頭部のアウトレットはスタビライザーのような形状です。

更に後頭部左右のアウトレットに関してもエアロパーツと一体化していますが、カラーによってはハニカム柄、おそらくカーボン柄のようなパーツが採用されているのだとか。
こちらは1980円で別売りされているので、交換することも可能です。

後頭部上の部分から下に掛けてグッとクビレが入っているあたりは、恐らく帽体と一体化したスタビライザーの役割をはたしているはず。

スタビライザー下の曲面とエッジを効かせたデザインやこめかみ上あたりのエッジを効かせた形状は帽体をかなりコンパクトに見せます。
帽体も3つに分かれているので、筆者のように身長が低いユーザーにとってはマッチ棒になりにくいのも嬉しいポイントです。

SHOEIのロゴは額と後頭部にありますが、クリア塗装の上側に貼られているので剥がすこともできそうです。
J-FOURCE4の機能性

コンパクト・軽量が最大のセールスポイントのヘルメットなので派手な機能はついていませんが、ベンチレーションやシールドにこだわりを感じます。
まずベンチレーションは額のすぐ上部分と頭頂部に一か所ずつ配置されており、額部分は開けると開口部が広めですが、小さめのノブなので操作性が気になるところ。

頭頂部はエアロパーツと一体化したようなデザインなので、どれぐらいの開口部なのか見ることができませんが操作は大きめのパーツなので簡単です。

メインシールドはピンロックシートに対応しており、以前のモデルに比べて長さを延長。更に下淵はエッジを効かせて内側に織り込むと共にリブを設けています。
これによって風は外側に逃がされるはず。静粛性や巻き上げの風が低減しそうです。
インカムに関してはクリップタイプでの取り付けは問題ありませんが、両面テープで取り付けする場合にはサイドはエッジが効いているので場所が限定されそうです。
内装

内装はトップ、チークパッド左右、顎紐カバー左右、イヤーパッド左右の合計7点が脱着可能です。

内装の肌が触れる面は、東レ製のキュープという吸湿速乾性と接触冷感性能を兼ね備えた素材を採用しています。

トップ内装を見てみると額のベンチレーションからの風を導入するためにクッションに穴が空いています。また頭頂部のベンチレーションからの風が通るための道もしっかり用意。

サイドのエアアウトレットあたりと内側の一部には差し色で赤が採用されていて見た目も楽しませてくれます。

頭頂部と他の部分ではクッションの色が切り替えられていますが、触ってみると硬さ自体が異なり、少しの差ですが頭頂部の方が多少硬いように感じます。
トップベンチレーションの取り付けは後頭部のボタン2点と差し込みにて。
チークパッドはかなり厚みがあり頬にしっかりフィットする形状で、特に首回りは厚みがマシマシで密着度を高めることで静粛性を高める狙いがありそう。

こめかみの部分はソフトタイプのウレタンを採用することで、眼鏡のツルを通しやすくしているとの事でしたが触ってみると一段薄くなっているように感じます。
目に見える被り口の部分には合皮を採用したり、一部の色を切り替えて赤にしているのも見逃せません。

顎紐カバーは凝った形状になっており、不思議に思って顎紐を見てみたところ、根本部分は万が一の際に切れたりしないように一本補強が入っていました。
カバー自体は肌が触れる面は触り心地の良い裏起毛、裏側は見た目の良い合皮を採用しています。

帽体側にはスピーカーホールが設けられていますが、インカム未使用時にはイヤーパッドをつけておくことで風の反響音などを防ぐ効果があります。
取り付けに関してはマジックテープなどではなく、差し込みになっているので脱着を繰り返しても問題ありません。
重さ

J-FORCE4のMサイズ、ラグナブルーの重さを測定してみました。
結果は1298gなので一般的なスポーツジェットヘルメットと比べても軽量です。
※ヘルメットは重さに個体差があります。また単色とグラフィックモデルだと使う塗料やステッカーの量が異なるため、後者の方が重くなる傾向があります。
サイズ・フィット感

筆者はARAI、Kabuto、SHOEIいずれもMサイズ。
普段使っているSHOEIのヘルメットはMサイズにパーソナルフィッティングでパットを追加しているので、J-FORCE4もMサイズで問題なしでした。
チークパッドはしっかり頬から首にかけてフィットするものの、圧迫感がないのでインカムなどの通話は快適です。
CBR250RRで実走チェック

今回は試乗インプレ用にお借りしていたCBR250RRで実走チェック。
当日は晴れで天気は良好、気温は高めだったのでベンチレーション効果をチェックするには最高でしたが、風が強く静粛性をチェックするには微妙な状況でした。
ところが走り出して初めに感じたのはスポーツジェットヘルメットとは思えない静粛性。

時速40kmぐらいまでは巻き上げの風がヘルメット内に入ってくることがなく、時速60kmを超えたあたりから顎下をかすめるぐらいになりました。
高速道路で時速70km~80kmぐらいまではだしてみましたが、状況はあまり変わりませんでした。風切り音も小さく、静粛性には驚くばかり。
高速道路では風が強くてスピードも上げられないような状況でしたが、ヘルメットは安定しており車線変更などで頭を左右に振っても抵抗を感じることはありませんでした。
ベンチレーションは額の開閉ノブが小さい事を懸念していましたが、グローブをした状態でも開閉は問題なし。
肝心の効果はというと低速走行時でも風が入ってくるのを体感でき、高速走行時には頭に汗をかいていたこともあり気化熱によって冷たく感じるほどでした。
軽量コンパクトだけじゃない
重量を図れば他のスポーツジェットヘルメットと比べても軽いですが、被ってみても軽さを体感できます。
写真を撮ってみてもコンパクトな帽体は映えますが、それだけではありません。
静粛性やベンチレーションの効果などヘルメットの基本性能が高く、インナーバイザーやラチェットバックルなどにコダワリがない人にとっては使い勝手最高のヘルメットの一つといえるでしょう。
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