SHOEI X-15 最速レビュー!新しいフラッグシップヘルメットの性能とは?

  • 2023/01/04
  • [CREATOR POST]相京雅行

●文:[クリエイターチャンネル] 相京雅行

大学時代に初めて購入したヘルメットは半キャップで、普通自動二輪の免許を取った後はバイク購入で予算を使い切ってしまい、バイク用品店で買える一番安いストリートジェットを使っていました。

社会人になってシールド付きのジェットヘルメットに買い替えた時の快適性に驚いたものですが、その後更に衝撃を受けたのは、知人からSHOEIのZ-3を譲り受けた時でした。

初めてのプレミアムヘルメットは軽くて、静かで、フィット感も最高、この時の感動を忘れたくなくて使う機会は少ないですが未だに所有しています。

いつかは仕事でもいいので、SHOEIのフラッグシップX-14を使ってみたいと思っていましたが、後継モデルとなるX-15が1月16日に発売というニュースをキャッチ!

すぐさまSHOEI広報に記事と動画にするから貸してください!とお願いしました。プレスリリース発表直後だったので、レスポンス早いですねと驚かれました。それだけ楽しみにしていたのです。

X-15の付属品

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今回は発売前のサンプル品をお借りしたため、付属品が全てそろっておらず、内容も一部変更されていますが、正しくは以下の通りです。

専用布袋、ブレスガード、チンカーテン、X-14ロアスポイラー、シリコンオイル、防曇シート、SHOEIロゴステッカー二種類、取扱説明書。

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専用布袋はSHOEIのフラッグシップモデルだけの特別なデザインを採用。X-15やX-14、ヘッドアップディスプレイ付きヘルメットのOPTICSONなどに採用されています。

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チンガード下にはチンカーテンかロアスポイラーを装着することが可能です。取扱説明書を見てみるとロアスポイラーは整流効果を高め、チンカーテンは頬回りから巻き込みの風が入ってくるのを低減し、静粛性をアップさせる効果もあるようです。

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サーキットなどでの使用ならロアスポイラー、公道ならチンカーテンの方が良さそうです。

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防曇シートはサンプル品の為ピンロックが付属されていましたが、確認したところ市販品に関してはSHOEI独自のドライレンズが採用されているとの事でした。

ピンロックと形状的には変わらないとの事なので、筆者のような不器用な人でも位置決めに困ることはなさそうです。

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ブレスガードも納品時には装着されておらず、好みによって装着すればOK。呼吸でシールドが曇るのを緩和する効果がありますし、装着した際の鼻の一部が隠れるデザインの方が格好いいように思います。

X-15の見ため

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1月26日発売時にはホワイト、艶消しブラック、艶ありブラックの3色が発売予定で、価格は7万4800円。

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3月にはグラフィックモデルが追加される予定で8万9100円となっていますが、このご時世なので発売時期は多少前後するかもしれません。

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レーシングヘルメットなので大型のリアスタビライザーデザインが特徴的で、そこに至るまでの頭頂部デザインもエッジが効いており、スポーティーなイメージを高めています。

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またスタビライザー左右には本体との間にトンネル状の空間があり、風を呼び込み流すことで空気の流れを制御しているのだとか。こちらは現在特許出願中との事です。

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スタビライザー下にはSHOEIのロゴワッペンが貼られており、アルファベット部分はラメ入りでキラキラしていて質感の高さを感じさせ、その下にはX-15のロゴステッカーも配されています。

帽体はXS・SがS帽体、MはM帽体、LはL帽体、XL、XXLはXL帽体と4つに分かれています。帽体を分けるのは型の費用がかかりますが、さすがはフラッグシップモデルといったところ。

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頬と後頭部が絞られているのも目を引きました。帽体が大きくなりがちなレーシングヘルメットですが、デザインや帽体が細かく分かれていることから、コンパクトに見えそうな印象で低身長のおじさんライダーとしては嬉しいポイントです。

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ヘルメットが黒だとあまり目立ちませんが、シールドベースはカーボン柄が採用されています。またベースには赤いレバーが装着されているのも目を引きました。

こちらはシールドが外れないようにロックしたり、脱着時に解除したりするためのシールドトリガーロックという機構です。

X-15の機能性

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まず注目したいのはシールド部分です。

前述したシールドトリガーロック、防曇シートを装着用のピンの他に、左右にボーテックスジェネレーターを装備しており、シールドサイドの整流効果により風切り音を抑える効果があります。

筆者愛用中のSHOEI Z-8のシールドにも採用されている機構ですが、確かに前モデルのZ-7と比べても風切り音は低減している印象はあります。

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シールドはセンターロック式を採用していますが、樹脂パーツをスライドさせることでシールドをロックさせるレーシングシールドロックを併用することもできます。

転倒時の不意なシールド解放を防いでくれるための物なので、特に高速走行時などには使っても良いかもしれません。

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ベンチレーションは口元に縦に二つ、頭頂部は横に三つ並ぶ形で用意されています。

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口元は上を開ければシールドの曇りをとるためのデフロスター、下側を開けると口元や頬の部分に風が入ってきそうです。

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頭頂部は真ん中、左右にそれぞれレバーがついていますが、特に左右のレバーは小さいのが気になりました。

また新品だからか開けた後、締める時に少し抵抗がありました。サンプル品には付属されていませんでしたが、商品版にはシリコンオイルが付属されるはずなので、使ってみても良いかもしれません。

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顎紐に関してはラチェットバックルよりも軽量なDリングが採用されています。レーシングヘルメットなので軽さを優先した判断は歓迎したいところです。

X-15の内装

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内装や帽体部分にも様々な機能が見受けられます。

内装はトップ、チークパッド左右、顎紐カバー左右、スピーカーホールを埋めるイヤーパッド左右の合計7点が取り外し可能です。

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頬や額など皮膚に触れる部分には肌触りの良い起毛素材が採用されており、その他の部分には給水速乾性に優れたハイグラという素材が採用されています。

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トップ内装はなんと面ファスナーで各パーツが繋がっており、6点のパーツに分離させることが可能。

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フロント、サイド、リアは外側の一層を剥離することが可能で部分的に緩くすることができます。

またオプションのTYPE P調整パッドハードやTYPE P調整パッドソフト(それぞれ1100円)を購入すれば自分でフィッティングを調整することができます。

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ただ個人的にはSHOEIのオフィシャルショールームや全国のテクニカルショップで施工してもらえるパーソナルフィッティングをお勧めします。

3000円前後の有料ではありますが、専門の講習を受けたスタッフが計測器でサイズを詳細に図り、ジャストフィット内装を作ってくれるサービスです。

僕が使っているSHOEIのヘルメットはZ-3以外は全てパーソナルフィッティング済ですが、実際にスタッフが行う作業を見れば3000円以上の価値はあるとわかるはず。

ちなみに新規購入時に同時に申し込めば3000円前後ですが、後から持ち込みでお願いすると6000円前後になるので新規購入時がお勧めです。

チークパッドはX-14と比べて更にフィット感が向上しているのだとか。先日お借りしたOPTICSONのチークパッドも極上のフィット感だったので期待したいところ。

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耳の上に当たる部分を触ってみると多少パッドが薄くなっている事にも気が付きました。これは眼鏡ライダーへの配慮でしょう。

実際にヘルメットを被った状態で眼鏡をかけてみましたが、多少抵抗はあるものの、比較的スムーズに眼鏡をかけることができました。

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内装を外した帽体に目をやると、インカム用のスピーカーホールが用意されていました。こちらは直径4cm程度。インカム未使用時はイヤーパッドを装着することができます。

インカム用のスピーカーホールが用意されていても、イヤーパッドが用意されていないヘルメットがありますが、インカム未使用時には風切り音になってしまうこともあるので、装着しておきたいところです。

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口元はハイドレーションチューブを挟めるようになっていますが、筆者が所有しているキャメルバックのチューブは収まりませんでした。また飲み口がL字型になっているので顔に当たります。

オプションでハイドレーションチューブが用意されているので、そちらを使った方が良さそうです。チューブは内径7φ、外形10φなので対応したパックや飲み口を用意しましょう。なお飲み口に関してはキャメルバック社のビッグバイトバルブが推奨されています。

X-15の重さ

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今回はX-15のマットブラックMサイズの重さを図ってみました。

結果は1514g。

大型のリアスタビライザーを採用していますが、フルフェイスヘルメットとしては決して重くありません。

SHOEIのラインナップでいえば、Z-8より少し重く、GT Air2に比べると少し軽いぐらいです。

※ヘルメットの重さは塗装の仕方などで変わってくるので、個体差が発生します。

X-15のフィット感

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僕の頭はSHOEIだけでなく、Arai、KabutoなどのヘルメットもMサイズでピッタリ。そのため今回もMサイズをお借りしましたが、もちろん問題なしでした。

ただ基本的にサイズ感は問題なくても、チークパッドのフィット感や被りやすさはヘルメットによって異なります。

あまり被り口が狭いヘルメットに関しては、顎紐を引っ張りながらでないと被れなかったりしますが、X-15は狭い感じはしません。比較的被るのは楽です。

チークパッドは頬に沿うようにしっかりとフィットしますが、圧迫感は少なめで潰れる感じはありません。インカムなどの通話時もストレスにはならないでしょう。

X-15を被って街中・高速道路を走ってみた

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ヘルメットの性能は乗っているバイクや天候によって感じ方が違います。今回は車両はYZF-R1、天候は晴れですが風が強い日に試用テストしました。

まず被って感じたのはヘルメットの軽さ。普段使っているヘルメットと比べて200g程度重いのですが、重量バランスが良いのか数値ほどの違いを感じません。

シールドの開口部は広く、ブレスガードもコンパクトなので視界が広く確保されています。防曇シートの曇り止め効果は十分で、走行中に曇ることはありませんでした。

センターロックに関してはヘルメットを被り、グローブをつけた状態での操作が想定されている印象で、被っていない状態で操作するよりもスムーズでした。

また転倒などの際に不意に開かないようにするためのレーシングシールドロックの操作性も問題なし。走りながらでも操作できるので、たとえば高速道路走行中だけロックするような使い方もできます。

チークパッドのフィット感に優れており、チンカーテンをつければ顎下からの巻き込みの風も少ないため、ヘルメットの密閉性が高いように感じましたが、風が強かったからか静粛性に感じては感動するような性能は感じませんでした。

ただ、ヘルメット内にマイクを仕込んで動画も撮影していましたが、走行による風の音やバイクのエンジン、マフラーの音などがかなり小さくなっていました。

頭頂部のベンチレーションは低速走行でも風の流入が多く、真夏でも蒸れることはないでしょう。口元に関しては、風が入ってくる感じはありませんが、空気が循環しひんやりする感じがありました。

空力に関しては、300km/l以上で走行するレースでの使用も想定されているので、公道走行で前からの風の抵抗を感じることはありません。

ただ逆に言えば公道走行に関しては、SHOEIの他のフルフェイスヘルメットと空力的な違いを大きく感じるのは難しいと言えます。

全てが5点満点のヘルメットではありません

SHOEIのフラッグシップという事で全てがパーフェクトなヘルメットを想像してしまうかもしれません。

ただサーキットでの使用を想定しているので、公道走行に関していえば他のヘルメットの方が優位な点もあります。

例えば軽さはSHOEI Z-8の方が優れていますし、空力は公道走行ではZ-8やGT-AIR2と大きく違いを感じることはありません。

そのためお勧めしたいユーザーとしては

  1. レーサーが使うようなヘルメットを所有する喜びを感じたい
  2. サーキットなどでの走行を検討したい
  3. X-15の形が好きだ
  4. 内装の調整は自分で行いたい
  5. モトブログなど動画配信をしたい

といったところ。

4つ目までは特に説明の必要もないと思いますが、筆者的にはモトブログなどで使うのにも最適なヘルメットと感じました。

モトブロガーの顔ともいえるヘルメットは特徴がないと視聴者に覚えてもらえません。大きなスタビライザー付きのグラフィックモデルは目立つこと間違いなし。

またマイクをヘルメット内に仕込んだ撮影でも、外部の音が入りにくく、チークパッドの圧迫感も少なめなので、喋りながらの撮影も苦になりません。

筆者はSHOEIのZ-7、Z-8を所有しており、主観ではZ-8は歴代ナンバー1性能のヘルメットと感じていますが、チークパッドの締め付けがきついので、喋りながらの撮影はZ-7を愛用しています。

そろそろZ-7も限界に近いので、好みのグラフィックが出たらX-15を動画撮影用に購入するかもしれません。



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