【異形】中国製エンジンをママチャリに搭載! 果たしてどうなる? 苦難のすえ位置決め&溶接完了〈自作モペット製作記 #6〉

バイクをDIYで作ってしまおう! という「自作モペット製作記」の第6回目。フレームの形状、パイプ径がぴったり合えばボルトオンになるはずだったこのエンジン。だけどそう簡単には参りません。用意していた車両は径が合わず、エンジンの位置や角度から再考…前回はあれこれ悩んでおりましたが、今回は一気に作業を進めます!
●文:[クリエイターチャンネル] DIY道楽テツ
- 1 前回まで→最難関のステップ「位置決め」 微調整を叶えてくれる魔法のグッズ登場
- 2 マフラーは付く? ペダル/クランク/チェーンとの干渉は?
- 3 いよいよ登場、家庭でも使える100ボルト溶接機!
- 4 エンジンの前側マウントを作ります!
- 5 ガソリンタンクの位置のイメージも
- 6 フレームの本溶接!そしていよいよエンジンが載っかります~!
- 7 ついにエンジンが載りました!! でもまだ完成ではないのです~~
- 8 動画解説はこちら↓
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前回まで→最難関のステップ「位置決め」 微調整を叶えてくれる魔法のグッズ登場
バイクを自分で作る! という、ある種究極的なDIYにトライするべく、中国製の「自転車に取り付けて原付として登録できるエンジン」を半ば衝動買いしてしまいました。
本来ならボルトオンで乗せられる…という触れ込みだったのですが、用意したママチャリとはフレーム形状とパイプの太さが合わず…。干渉するフレームを切断(!)し、自家製ステーと「垂木クランプ」の組み合わせでエンジン位置を仮決めしたら、いよいよ改造の山場。エンジンを搭載するべきママチャリのフレームを溶接します!!
マフラーは付く? ペダル/クランク/チェーンとの干渉は?
さてさて、ここからが今回の本題です。エンジンを仮決めしたわけですが、本当にこの位置でいいのでしょうか? もしかして他のパーツと干渉してしまうのでは? 確かめてみましょう。
まずは恐る恐るマフラーを取り付けてみる…ちょっとナットの取り付けがやりづらいけど…付いた!! この位置ならキャブレターも設置できますし、クラッチレバーの操作も問題なくできそう。そんじゃ、お次は…。
ペダルとその根元にあるクランクが、エンジンにもマフラーにも干渉せずに回すことができるでしょうか? エンジンもペダルの両方が存在するモペット特有の課題でもあるのですが…どうやらこれもクリアできました。しかも微調整ナシ。まさに、導かれるようにこの位置へエンジンを仮止めしたとしか思えない(笑)。
次はチェーンラインのチェック。特に後ろから見て、ドライブ&ドリブンスプロケットが直線で結ばれていて、かつお互いが平行になっているかの確認は何度やっても足りないくらいです。
もしここがズレていた場合、チェーンやスプロケットの摩耗を早めるばかりではなく、最悪の場合走行中のチェーン切れ(!)を起こす危険性があるので、エンジン搭載の最後の最後まで何度もチェックするようにします。
いよいよ登場、家庭でも使える100ボルト溶接機!
いよいよ溶接です。今回は「100ボルト用ノンガスワイヤ半自動溶接機」を使います。強度を優先するのであれば、母材への溶け込みが強力な「アーク溶接」のほうが向いてますが、今回はフレームなど薄い素材も溶接するので、ノンガス半自動溶接を多用していきます。
まずはクランプ。これはエンジンの前マウントが確定したのちに、本決まりのステーを作るか、もしくはこのまま溶接して位置を固定しちゃってもいいかなと考えてます。
強度を考えるのならば、もっと大本であるエンジン側がM6のボルト二本で留まっているほうが気になるくらいですからね~。パワーないとはいえ、せめてM8は欲しいところです。
そんなわけで、垂木クランプとL字アングルを本溶接。これによって、エンジンの上下の移動はできるものの、マウント角度と左右の位置は確定されまました。
溶接して、とりあえずプラサフで塗装したクランプ部分。
エンジンの前側マウントを作ります!
引き続きまして、お次はエンジン前側の取り付けを決めます。パイプクランプが活かせそうなので、いちどパイプをクランプさせた状態でその前後をなんとかフレーム溶接ででっち上げ(笑)ればいけそうな感じですね。これは、アレコレ考えて形状を決めます。
ガソリンタンクの位置のイメージも
また、決めるといえば、取り付けはまだ先になりますが、ガソリンタンクも取り付けなければなりません。これもまた、ベース車がクロスバイクなどの三角フレームならばわりとすんなり付いてしまいそうなのですが、ここでもネックになるママチャリのフレーム。
バイクっぽい場所に取り付けるには、ステーを新規に作る必要【1】があり、フレームに沿って斜めに取り付けるとガソリン容量が著しく少なく、しかも熱が伝わってしまいます【2】。あとは荷台に乗せる【3】か…荷物が載せられなくなるのが難点ですね。
【1】このように取り付けるにはステーを新造する必要があります。手間は掛かりますが、シートポストまでパイプを通してしまえば比較的簡単に取り付けられます。ですが、そうなるとそもそも最初から三角フレームの自転車を選べばよかったんじゃ? となってしまうんですよね~。
【2】個人的には、ステムのところから斜めにガソリンタンクを取り付けてみたいですね~。タンク容量が著しく減ってしまうのが難点ですが、なんかこう、ヤマハのバイク「ポップギャル」みたいでちょっと可愛い気がいたします。でも、この場合はエンジン熱がもろ伝わって危険ですかね???
【3】一番手間なし、そして確実なのは後ろの荷台の上。これが一番加工が少ないし安心感もあるのですが、荷物が載せられなくなるのが欠点ですね~。
フレームの本溶接!そしていよいよエンジンが載っかります~!
ともかく、マフラーもペダルもチェーンもOK。フレームパイプ取り回しが決まったら、ここからは度胸一発。エンジンはこの位置で確定として、フレームの溶接を行います。まずは仮溶接を行ってから、ひたすら本溶接。平面の溶接は簡単なのですが、このパイプの突合せ溶接はぐるり360度全周にわたるので地味に難しかったりします。穴も開きやすいですが…なんとかクリアー。
溶接する様子。光に反応する自動溶接面があれば、仮溶接がラクにできるようになります。
ついにエンジンが載りました!! でもまだ完成ではないのです~~
フレームが冷めたのを確認して、サビ防止に軽くサフェーサーを吹き付けて…完成! それではじっくり見ていただきましょう。
全体図は御覧の通り!!
できるだけ低い位置に、すんなりと収まったような気がする…いやいや、収まっているハズなのに、なんでしょうかこの拭い切れない違和感(笑)。何度見ても、アレ? って思ってしまいます!!
とはいえ、最初からクロスバイクをベースにしていればサクサク作業が進んだはずですが、こうしてママチャリのフレームに載っているのを見ると、個人的な見解としては「ママチャリで正解だった!」と思ってしまいます。
これですよ、これ! この、やる気あるんだかないんだか、パワーがあるんだかないんだか、速く走る気合があるんだかないんだかといった「違和感」だらけのフォルムが欲しかったんだなと、今更ながら自分の本音に気づいてしまいました~。
なんか、これにチェーンつないでガソリンタンクとキャブレター取り付ければ動き出しそうですが…さにあらず!!! もう少し(いや、少しじゃないか?)、まだやるべき事があるのです。
でももう、フレームの溶接といった大規模な難関(改造)は無しでゴールまで突っ走れる(ハズ)なので、このままの勢いで次回もガシガシ組み立てていきますよ~!
今回もご視聴ありがとうございました~!(続きます)
動画解説はこちら↓
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