第5世代のドゥカティ・モンスターに乗って、他機種では替えが利かない、唯一無二の資質を実感‼

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第5世代のドゥカティ・モンスターに乗って、他機種では替えが利かない、唯一無二の資質を実感‼

1993年にデビューした初代のような、強烈なインパクトは感じられない。とはいえ2026年型で第5世代に進化したモンスターは、ドゥカティならではのベーシックモデルという資質に、しっかり磨きをかけていたのだ。

●試乗・文:中村友彦 ●写真:山内潤也 ●BRAND POST提供:ドゥカティ

門外漢には判別しづらいものの、2026年から発売が始まった第5世代のモンスターは、第4世代とは完全な別物。DRLを装備するヘッドライトは、従来型よりシャープなデザインになった。

試乗車はビキニカウルとシングルシートカバーを装備する+:プラスで、数多くの純正アクセサリーパーツを装着。

基本設計を共有する兄弟車と同様に、モンスターは多種多様な電子デバイスを採用。エンジン特性に加えてABSやトラクションコントロールなどの利き方が変化するライディングモードは、SPORT/ROAD/URBAN/WETの4種で、クイックシフターはアップ・ダウン対応型。

前後タイヤはピレリ・ディアブロロッソⅣ。ストリートファイターV2も同じタイヤを履くが、リアはモンスターより1サイズ太い190/55ZR17(フロントはいずれも120/70ZR17)。

【主要諸元】

  • サイズ:全長 2130 全幅 820 全高1120 軸距 1492 シート高 775 [ローシート+ローサスペンション] (各mm) 
  • 車重:175kg(燃料ナシ) 
  • エンジン:水冷4スト90度V型2気筒DOHC4バルブ 890cc 
  • 最高出力:111ps/9000rpm 
  • 最大トルク:9.3kg-m/7250rpm 
  • 変速機:6段 
  • 燃料タンク容量:14L 
  • タイヤサイズ:F=120/70ZR17、R=180/55ZR17 
  • 色:赤、白、黒×灰
  • 価格:169万円~

【ライディングポジション】

近年のスポーツネイキッドの基準で考えると、775mmのシート高はかなり低めで、足つき性は非常に良好。ちなみに一昔の輸入車のローダウン仕様は、身長182cmの筆者が乗ると露骨な違和感を抱いたのだが、日本で販売される第5世代のモンスターはローダウン仕様にも関わらず、意外にスムーズに馴染めた。とはいえシート高が815mmの本国仕様なら、現状以上の運動性と快適性が味わえるだろう。

存在意義が微妙になってきた?

1993年から発売が始まったモンスターシリーズの特徴は、ドゥカティならではの運動性能と日常域の扱いやすさを、程よい塩梅で両立していることである。ただし僕としては、近年のこのモデルの存在意義は徐々に微妙になってきたんじゃないか……と感じていた。

と言うのも、1993年のドゥカティのラインアップが、スーパーバイクの888、スーパースポーツの900/750/400SSシリーズ、ネイキッドのモンスター900のみだったのとは異なり、現在の同社は、ドゥカティならではの運動性能と日常域の扱いやすさを程よい塩梅で両立したモデルを、数多く販売しているのだ。

しかも2026年から発売が始まる第5世代のモンスターは、アルミ製モノコックフレームとV2エンジンの基本設計を、2025年以降のパニガーレV2やストリートファイターV2、ムルティストラーダV2、ハイパーモタードV2などと共有しているようである(第4世代のモンスターは、パニガーレV4譲りのアルミ製フロントフレームに、937ccのテスタストレッタ11°を搭載)。となれば、モンスターの存在意義はますます薄れそうだが……。

第5世代のモンスター(試乗車はビキニカウルとシングルシートカバーを装備する+=プラス)を駆ってさまざまな場面を体験した僕は、自らの認識の甘さを反省することとなった。同様の資質を備えるモデルが増えようとも、モンスターは他機種では替えが利かない、唯一無二の資質を維持していたのである。

兄弟車よりフレンドリー

今回の試乗で、僕が最初に感心したのはフレンドリーさだった。基本設計を共有する兄弟車と比較するなら、車重が軽く、車格が小さく、シートが低いモンスターは、やっぱり明らかにとっつきがいい。以下に記す、車重(燃料ナシ)・軸間距離・シート高を見れば、兄弟車との方向性の違いが理解できるだろう。

  • モンスター…………………175kg・1492mm・775mm
  • パニガーレV2………………179kg・1465mm・837mm
  • ストリートファイターV2…178kg・1493mm・838mm
  • ムルティストラーダV2……199kg・1572.5mm・830-850mm
  • ハイパーモタードV2………180kg・1514mm・865mm

もっとも、実は当初の僕はフレーム+エンジンの基本設計の共有化によって、第5世代のモンスターは、ストリートファイターV2と同じような乗り味になったのではないか?と危惧していた。でも2台のネイキッドは、きっちりとした住み分けを行っていたのだ。

2022年に初代がデビューしたストリートファイターV2は、パニガーレV2のネイキッド仕様。兄弟車と歩調を合わせて、2025年型でフルモデルチェンジを実施。

具体的な話をするなら、まず2台はライディングポジションから異なっていて、気軽なモンスターに対して、ストリートファイターV2は戦闘的。なお日本仕様のモンスターはローダウンバージョンだが、おそらくその印象は、シート高が815mmの本国仕様でも大きくは変わらないだろう。

では実際に走っての印象はどうかと言うと、ストリートファイターV2も、2025年型以降は相当にフレンドリーになっているのだ。とはいえ、低中回転域でのエンジンの扱いやすさや、前後サスペンションのしなやかさでは、やっぱりモンスターのほうが上だと思う。

もちろんその一方で、峠道をムキになって飛ばした際の手応えは、エンジンが高回転高出力指向で(最高出力は、モンスター:111ps/9000rpm、ストリートファイターV2:120ps/10750rpm)、前後サスペンションがややハードなストリートファイターV2のほうが良好である。このあたりのサジ加減はなかなか絶妙で、基本設計が共通でも、2台のネイキッドは似て非なる世界を構築しているのだ。

スクランブラーとは別物

ここまでの文章は、ストリートファイターV2との比較がメインになったけれど、モンスターの比較対象と言ったら、価格帯が近いスクランブラーシリーズを考える人が少なくないだろう。ではモンスターとスクランブラーに、どんな違いがあるのかと言うと……。

2015年から発売が始まったスクランブラーは、トリレスフレームに空冷Vツイン搭載するネオクラシックモデル。

モンスターを基準にするなら、スクランブラーの803cc空冷Vツインはさらに低中回転域重視で(最高出力は73ps/8250rpm)、トレリスフレームや前後サスペンションは、ここぞという場面での手応えより、常用域でのしなやかさを重視しているようである。

誤解を恐れずに表現するなら、どんなに扱いやすくても、ドゥカティならではの爽快感や高揚感が堪能できるモンスターに対して、スクランブラーはそのあたりにあまり執着せず、扱いやすさに特化している印象なのだ。

ベーシックモデルとしての資質

丸一日の試乗を終えた後、僕の頭に浮かんだのはベーシックという言葉だった。もちろん、何を持ってベーシックと考えるかは人それぞれだが、V4シリーズと比べれば価格が格段に安く、パニガーレV2・ムルティストラーダV2・ハイパーモタードV2のように用途を限定する気配が無く、ストリートファイターV2よりフレンドリーで、スクランブラーシリーズよりスポーティなモンスターは、ドゥカティのベーシックモデルだと僕は思う。

テーパータイプのハンドルは、ほとんどフラットバーと言いたくなる形状。日本人の多くは、もう少し絞りが欲しいと感じそうである。

先代より16%大型化された5インチTFTディスプレイは、2種類のパターンを準備。写真はROADモード。

タコメーターを中央に据えたROAD PROモード。右には電子デバイスのレベルを表示。

もっとも改めて歴史を振り返ると、モンスターはずいぶん前からそういう位置づけだった気がするけれど、1993年の登場時が異端のモデルだったせいか(あのドゥカティが、アップハンドルのネイキッドを作るなんて⁉……という声が多かった)、これまでの僕は近年のモンスターの本質を理解できなかったのだ。

“バイソンバック”と命名されたガソリンタンクは、従来型よりアグレッシブな雰囲気。左右にはエアインテークが備わるが、これは第二世代モンスター(696)の燃料タンクに設けられたエアインテークダクトのオマージュで、ハンドル切れ角を確保するためのくぼみをエアインテーク風デザインに仕上げたものだ。

シートは前後一体型で、シングルシートカバーを取り外せばタンデムが可能。なお日本仕様のシートは、内部のウレタンが薄いロータイプ。

シート下は電装系でギッシリという印象だが、ETCユニットの設置は不可能ではなさそう? メインシートの下にはボッシュの6軸IMUやABSモジュールが収まっている。

だから冒頭で述べたように、存在意義に疑問を抱いていたのだが、ベーシックモデルの資質に磨きをかけた第5世代のモンスターを体験した現在の僕は、技量や体格に関係なく、多くのライダーにオススメしやすいドゥカティの筆頭は、このモデルだと感じている。

2025年からドゥカティが各機種への導入を開始した新世代V2エンジンの特徴は、バルブの制御を一般的なスプリングで行っていることと、カムシャフトの駆動にチェーンを使用していること(かつての主力だったテスタストレッタ11°は、バルブの制御がデスモドロミック式で、カムシャフトはコグドベルトで駆動)。

同じエンジンを使用するパニガーレV2やストリートファイターV2の最高出力は120ps/10750rpmだが、日常域の扱いやすさを重視するモンスターは111ps/9000rpm。

φ43mm倒立式フロントフォークはショーワSSF-BPで、調整機能はナシ。ブレーキ関連パーツはすべてブレンボ製で、フロントはφ320mmディスク+ラジアルマウント式対向4ピストンキャリパー。

リアブレーキはφ245mmディスク+対向2ピストンキャリパー。試乗車が装着するテルミニョーニ製サイレンサーは純正アクセサリーだが、スタンダードも同形状。

スイングアームは近年のドゥカティで普及が進んでいる、独創的な中空構造。リアサスペンションは直押し式で、ショーワ製ショックユニットはプリロードの調整が可能。


※本記事はドゥカティが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。