
空冷ボクサーエンジンを積むBMWのヘリテージシリーズには、現在排気量1801ccのR 18(アールエイティーン)シリーズと、1169ccのR 12(アールトゥエルブ)の2ラインが存在する。R 12シリーズの中でもスポーツクルーザー的な車体キャラクターとBMW Motorradの象徴であるボクサーエンジンのフィーリングを味わえるのが今回紹介するであるR 12だ。
●試乗・文:谷田貝 洋暁 ●写真:真弓 悟史 ●BRAND POST提供:BMW Motorrad
撮影車両のカラーリングは、メテオリック・ダストⅡ・メタリック (H0L) Option719で価格は258万円~。この他、車両にはSOULFUELコレクションサイドバッグ(スモール、右側用/7万1720円)などのオプションを装着している。
クルーザースタイルが特徴的なBMW Motorrad R 12
アップライトなポジションで気楽に乗れるR 12。
BMW MotorradのR 12で特徴的なのは、誰がみても高級車と直感的にわかるスタイリングと細部の作り込みだ。今回の試乗車がスタンダードモデルではなく上級仕様で特装が施されているOption719ということもあるが、カスタムバイクのような細やかな作り込みにほれぼれしてしまう。
乗って楽しいR 12は、眺める楽しさにも溢れている。
例えばフランジレス仕上げのタンクや上質感のある塗装、ステンレスの素材感が美しい左出しマフラーなどなど。乗る、走るという行為の前に“所有すること”それ自体が楽しみとなるようなそんな存在なのだ。
手間はかかるが燃料タンクと溶接跡がフランジレス仕上げだったり、ボクサーツインから伸びるエキパイのラインだったり……、見ていて飽きないR 12。
360度、どの方向から眺めても隙がなく、細かなパーツにクローズアップしても、デザイナーの意匠がきちんと感じられるような作り込み。最近のバイクにありがちな、「この辺りの作り込みがアマイのは、大量生産、コストダウンのためだから仕方ないよね……」なんて“大衆車臭さ”がいっさい感じられない。こんなバイクが相棒となれば、乗るたび、磨くたびにオーナーは幸せになれるはずだ。
フロント19/リヤ16インチというホイールサイズに低めのシートを組み合わせたスポーツクルーザースタイルが特徴的なR 12。
クラシカルなナリだが中身は最新! BMW Motorrad R 12
空冷エンジンにスポークホイールとトラディショナルなスタイルのR 12であるが、トラクションコントロールにABSと装備も最新で、写真のOption719仕様やツーリング仕様にはクイックシフターやヒルスタートコントロール、クルーズコントロールシステムなども装備する。
R 12は走らせても味わい深い。そのキャラクターはスポーツクルーザーであり、ミもフタもなくぶっちゃけさせてもらえるなら、“ハーレーダビッドソンのスポーツスター風スタイル”ということ。それも現行モデルではなく、空冷エンジン時代のスポーツスターに通じるようなトラディショナルな雰囲気がR 12からは色濃く感じられる。
例えば、フロント19/リヤ16インチのホイールサイズ構成であり、ミッドコントロールのステップポジション、段付きのガンファイター風シートなどなど。随所にアメリカンスタイルのスポーツクルーザーを思わせる要素が散りばめられている。極め付きはライディングモードで、なんと2種類のモードは「Rock」と「Roll」。つまりドイツ車でありながらアメリカ文化の象徴である“ロックン&ロール”にちなんだ名称を採用していたりするのだ。
ライディングモードは2種類で「Rock」&「Roll」。「Rock」の方がスパイシーで「Roll」の方が穏やかな出力特性となっている。
ただ走りに関しては、ドイツの雄、BMW Motorradらしさがエンジンをかけた瞬間から存分に味わえる。スタータースイッチを押せば、車体の左右に張り出したボクサーツインがブルンと車体を揺らしながら始動。アイドリング中に軽くスロットルをあおってブリッピングすれば、縦置きクランク特有のトルクリアクションで車体が軽く左右に揺れたりもする。
トルクリアクションが出るなんてことを書くとR 12が乗りにくいバイクのように思われてしまうかもしれないが、そんなことはなく、走り出してしまえばこのトルクリアクションを感じるような場面はほぼない。
とにかく重心を低くするべく生み出されたボクサーツインは、路面に吸い付くような安定感があり、高速コーナーでの滑空するような車体フィーリングはBMW MotorradのRシリーズならではといったところ。
左右にシリンダーヘッドという重量物が張り出すボクサーツインは、低重心化によるメリットが大きい。
BMW Motorrad R 12のスタイリング
撮影したR 12のカラーリングは、メテオリック・ダストⅡ・メタリック (H0L) Option719。
主要諸元
- サイズ:全長2210 全幅830 全高1110 軸距1520 シート高754(各mm)
- 車重:230kg(装備)
- エンジン:空冷4スト水平対向2気筒DOHC4バルブ 1169cc 95ps/6500rpm 11.2kg-m/6000rpm
- 変速機形式:6段リターン
- 燃料タンク容量:14ℓ
- ブレーキ:F=ダブルディスク R=ディスク
- タイヤ:F=100/90-19 R=150/80-16
- 価格:191万1000円~
BMW Motorrad R 12の足着き&ポジション
シート高754mm。R 12シリーズには他に、ネイキッドスタイルのR 12 nineT(795mm)、アドベンチャースタイルのR 12 G/S(860~875mm)があるが、このR 12が最もシートが低く足着き性がいい。身長172cmの筆者で両足の踵がべったりつくか付かないかという程の足着き性のよさ。上半身のポジションも大きすぎず、窮屈さもないジャストなサイズ感。ステップはいわゆる“アメリカンクルーザーでいう”ミッドコントロールで、上半身もほんの少しだけ前傾するアップライトなポジション。体格を選ばない乗りやすさがある。
BMW Motorrad R 12のディティール
クラシカルな丸目1灯のライトだが、光源はヘッドライトやウインカーをはじめ全てLEDを採用。日本仕様は、グレードにかかわらずオートキャンセルウインカーやETC2.0も標準装備し、3年保証も付いている。
兄弟モデルのR 12 nineTが前後17インチホイールを装備するロードスターモデルなのに対し、R 12はスポーツクルーザーの定番、フロント19&リヤ16インチホイールを採用。サスペンションストロークは前後90mm。
スポーツクルーザーらしいアップライトなポジションを作り出すアルミテーパーハンドル。アルミ削り出しのバーエンドミラーやレバー、マスターシリンダーキャップは特別仕様のOption719のみの装備。
ライディングモードは2種類で「Rock」&「Roll」。グレードによって、クルーズコントロール、ヒルスタートコントロール、グリップヒーターといった装備が異なる。手前のキー穴はハンドルロック用。
アメリカンのガンファイターシート風に仕立てられた段付きシート。Option719仕様は高級なタックロール風仕上げとなり、シート下(ボルト留め)にはETC車載器(標準装備)がある。
ティアドロップ形状のスチール製タンクは、かつてのトースター・タンクをイメージしたクラシックなデザイン。容量14ℓ(リザーブ3.5ℓ)を確保し、今回の実走燃費16.7km/ℓだと230kmくらいは走れることになる。
電子制御装備はトラクションコントロールやABSを標準装備とし、Option719仕様とツーリング仕様にはクイックシフターやヒルスタートコントロール、クルーズコントロールなどが追加装備される。
日本仕様はスマートキーシステムのキーレスライドが標準装備。ハンドルロックやタンクキャップの操作には、内蔵のメカニカルキーによる操作が必要。
左右に張り出すシリンダーが特徴的な空冷ボクサーエンジン。R12nineTとR12の排気量は同じ1169ccだが、R 12 nineTは最高出力109ps/7000rpmで、R 12が95ps/6500rpmとなり、使えるライディングモードの種類や数も異なる。
BMW Motorradが好んで採用するシャフトドライブは、メンテナンスサイクルが長く、チェーンドライブのような頻繁な注油が必要ない機構だ。
車体右側にはリヤショックのプリロード調整ダイヤルがある。調整すると大きくキャラクターが変わる。
サイレンサーは左側2本出し。リヤホイールは16インチでタイヤ幅も150mmとミドルクラス並みで軽やかなロール方向の動きが軽やか。
ゴールドに輝くOption719ホイール Classic。クラシカルなワイヤスポークの見た目ながらチューブレス仕様となっている。
随所のビレットパーツやゴールドのワイヤースポークホイールなどは、Option719仕様ならではの特装品。ちなみに写真のメテオリック・ダストⅡ・メタリック (H0L) Option719はSTD比+58万9000円の258万円。
ライディングモードにアメリカ文化の象徴である「Rock」&「Roll」を使用するなど、随所にアメリカンを意識する装備が見受けられるR 12。リヤフェンダーの形状がアメリカン風でストップランプ&ウインカー一体式のテールランプもハーレーダビッドソンが好んで採用する手法だ。サイドバッグはオプションのSOULFUELコレクションサイドバッグ(スモール、右側用/ 7万1720円)。
まとめ
BMW Motorradらしい快適性も存分に味わえるR 12は、高速道路と使った超ウ距離ツーリングにも使いやすい。
アメリカのモーターサイクルを代表する“スポーツクルーザー”スタイルをBMW Motorradなりの解釈で体現したのがR 12。754mmという低めのシート高は万人向けで、車両重量も230kgとBMWのモデルの中では軽め。そして何よりBMW Motorradのお家芸であるボクサーツインのフィーリングがこれでもかと味わえる1台となっている。
撮影車のカラーリングは、R 12 メテオリック・ダストⅡ・メタリック (H0L) Option719。
※本記事はBMWが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。


































