【インディアン新生スカウト】「この価格でホントに良いの?」1250ccの新型エンジン&新フレームになったスカウト

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インディアン スカウト

ついに登場したインディアン新型スカウト。1250ccとなったエンジンは完全新設計となる逸品だ。エンジンを取り囲むフレームは、今まではアルミキャストフレームだったが、ネック部がスチールとなった。エンジン後部からシートレールにかけては従来と同じアルミ素材のキャストフレームだ。2024年7月11日に開催された説明会には、アメリカ本国より開発陣が来日し、日本のメディア、そして正規販売店にリニューアルしたスカウトを大々的に発表した。その模様をインディアン正規ディーラーであるインディアン沼津のスタッフとともにお伝えする。

●文&写真:ミヤシーノ宮下豊史 ●取材協力:ポラリスジャパン ●BRAND POST提供:HSC(インディアンモーターサイクル沼津/静岡)

会場に並ぶ新型SCOUT(スカウト)シリーズ

高性能な水冷Vツインエンジンで車体ディメンションやエンジン搭載位置にこだわってきた、クルーズ性能だけではなくスポーツ性能が高いクルーザーモデルの「スカウト」。69キュービックインチ(1,133cc)をアルミキャストフレームに搭載し、9年前の2015年にデビューした。

そして2024年7月、満を持して登場した新型スカウトは、新型フレームに新型1250ccエンジンを搭載するなどのフルモデルチェンジとなり、大々的に発表会が催された。その会場にインディアン正規ディーラーのインディアンモーターサイクル沼津/インディアンモーターサイクル静岡代表のHSC佐々木氏とともに訪れたのでレポートする。

当日は、アメリカ本国のインディアンモーターサイクルより、Aaron Jax(VPGM, Motorcycle)/Kyle Goede(Product Mgr)/Ola Stenegard(Industrial Design Director)というスカウトの開発を推し進めてきた3名が来日し、ステージ上で新型の魅力を存分に語った。

インディアンモーターサイクルの正規ディーラーだけではなく、著名なモーターサイクル関連メディア/ジャーナリスト/インスタグラマーが集まるなど、来場者の多さからその注目度の高さがうかがえた。

今回のモデルチェンジの中で目立った変更箇所は、1250ccに排気量を拡大させた新型エンジン、そしてメインフレームをアルミキャスト製からスチール製に変更された点だ。さらに、インディアンが培ってきたアメリカンクルーザーの原点とも言えるデザインも従来モデルのスタイルを受け継ぎつつ一新された。

今回のスカウトは、スカウトクラシック/スカウトボバー/スポーツスカウト/スーパースカウト/101スカウトと5モデル。従来のスカウト/スカウトボバー/スカウトボバートゥエンティ/スカウトローグの4モデルから5モデルに拡充するなどラインナップも大きく変更している。

さらに注目したいのが新型の価格だ。従来の最安値は、スタンダードモデルであったスカウト223万8000円(税込)。そして新型スカウトの最安価モデルは、スカウトボバーの196万円(税込)だ。

  • 旧スカウト:223万8000円(税込)
  • 新型スカウトボバー:196万円(税込)

一番低価格のモデルで比較すると、差額は27万80000円で、かなり安価になったのがわかる。

一方、スカウトボバー同士で比べると、

  • 旧モデル:230万8000円(税込)
  • 新モデル:196万円(税込)

差額はなんと34万8000円になり、かなりのバーゲンプライスとなった。

この価格設定は、これからインディアンモーターサイクルに乗ろうとしているユーザーにとって、かなり喜ばしい変化だ。しかし、エンジンが1133ccから1250ccへと排気量拡大し、出力は11%もアップしたのに、値段は逆に大幅に下がっている。一体これはどういうことなのだろう。

昨今の円安状態に傾いている為替相場を考えると、性能は上がっているのもの、装備/素材などのグレードを下げたのでは? と不安を感じる。はたしてその真相はどうなのか、メーカーにその旨直撃してみた。

「スカウトは日本市場における戦略車です。もっとインディアンモーターサイクルを楽しむ人を作っていきたいと考え、この価格設定にしました。実際は為替の影響/コスト向上を考えると、旧モデルより値段を上げたかったのが本音です」

フレームをアルミからスチールに変更したのはコストを下げたかったから? といういやらしい質問に対しても、回答は「NO」。素材の変更に冠してコストを下げようとした意思や影響はなく、パワーに対する快適性や操縦性を絶妙にバランスをとり、そしてカスタムビルダーたちがフレームに溶接したりするカスタムをしやすいように狙った結果とのことだ。

OLA STENEGARD氏による新型スカウトデザインのプレゼン模様。こだわりが細部にまで行き渡っている。

会場の中央には、新型101スカウトとそれのオマージュ元になった1929年型の101スカウトが展示されていた。

発表会会場では新型スカウトがずらりと並び来場者を迎えた。発売されるすべてのモデルとオプションのカスタマイズパーツ装着車が展示されていた。

【INDIAN 101 SCOUT】今回新たにラインナップに加わった101スカウト。これはそのオプション装着車。ノーマルは1人乗り仕様だが、これは2人乗りできるようにタンデムステップが追加され、タンデムシートが一体化されたガンファイター風シートを装着している。さらにステップはミッドコントロール仕様に変更されていた。●価格:268万円(税込) ※オプションパーツ費用は別

【INDIAN SPORT SCOUT】ビキニカウルを纏ったスポーツスカウト。このモデルも新たに追加され、代わりにRogue(ローグ)がラインナップからなくなった。スタンダード/リミテッド/リミテッド+テックの3グレードが用意されている。写真のストームブルー色はリミテッドとリミテッド+テックのみ。スポーツスカウトと101スカウトのみ19インチサイズのフロントホイールを装備し、他の16インチモデルに比べ軽快なハンドリングを実現している。●価格:スタンダード202万円/リミテッド217万円/リミテッド+テック224万5000円(税込)

【INDIAN SCOUT CLASSIC】メッキリム/ワイヤースポークホイールが煌びやかなスカウトクラシック。こちらもスタンダード/リミテッド/リミテッド+テックの3グレードが用意されている。写真のモデルはサドルバッグ等を追加したカスタムモデル。なお、はじめからサドルバッグ/ウインドシールド/パッセンジャーピリオン/TFTメーター等を装備したスーパースカウトがラインナップされている。●価格:スタンダード201万円/リミテッド216万円/リミテッド+テック228万5000円(税込) ※オプションパーツ費用は別
【INDIAN SUPER SCOUT】●価格:241万円(税込)

今までのスカウトとの1番の差異
新型エンジン&新型フレーム

設計を旧モデルから一新し開発したエンジンは、各部の見直しだけではなく、1133ccから1250ccに排気量がアップした。10%も拡大されたことで、トルクは97Nmから108Nmにアップするなど、かなり変化している。一方、101スカウトのみ特別仕様にチューニングされたエンジンを搭載していて、こちら11%のパワーアップをしている。

下記に数値を書き出してみた。すべての数値が向上しているのがわかる。

  • 排気量:[旧]1133cc→[新]1250cc
  • ボアストローク:[旧]99×73.6mm→[新]104×73.6mm
  • 圧縮比:[旧]10.7:1→[新]12.5:1
  • 最高出力:[旧]100hp→[新]105hp(101スカウト111hp)
  • 最高トルク:[旧]97Nm→[新]108Nm(101スカウト109Nm)
  • 最高トルク発生回転数:[旧]5600rpm→[新]6300rpm(101スカウト6300rpm)

さらにスリッパークラッチを採用し、クラッチレバーの操作性を大幅に向上している。

新開発されたスピードプラス1250Vツインエンジン。水冷4バルブDOHC60度Vツインエンジン。

この新型エンジンを搭載するフレームも一新された。従来のアルミキャストフレームからスチールパイプフレームに変更された。しかし素材が変更されたのはエンジン上部とフロントまわりのみ。エンジン後端のマウント部/シートレール部は従来通りアルミキャストのままだ。

フレームにエンジンがぶら下がる構造は同じままなので、より低い位置にエンジンを搭載するスカウトならではの低重心構造は従来通りだ。先にメーカースタッフに確認した通り、ネック部/上部/エンジンフロント部フレームをスチールすることで、カスタムビルダーによるカスタムの発展性を期待しているという。今後ネック角を変更したカスタム車両がカスタムシーンを賑わすことになることだろう。

フレーム中央、ちょうどシート前部にてフレーム素材が切り替わる。フロントはスチール、リアはアルミキャスト製となる。

新型と旧型の比較

下記に、新型と旧型のスカウトボバーの写真を並べたのでその違いをよく見て欲しい。エンジン/フレーム以外にも、全体のデザインや細部などさまざまな箇所が変更されている。リミテッド&リミテッド+テックグレード/101スカウト/スーパースカウトに3種のライドモードが加わったのも大きな違いで、リミテッド+テック/101スカウト/スーパースカウトのみTFTメーターが装備される。

なお、旧型は店頭在庫がなくなり次第終了となるので、旧型が欲しい方は早急にディーラーで相談を。

新型スカウトボバー ●価格:スタンダード196万円/リミテッド●価格:211万円/リミテッド+テック(黒/赤)●価格:185万円/リミテッド+テック(青/ブロンズ)223万5000円(税込)

旧型スカウトボバー ●価格:ブラックメタリック230万8000円(税込)

左が旧型、右が新型(101スカウト)。1133ccと1250ccという排気量の違いだけではなく、外観上の差異もかなり大きい。注目したいのがヘッドの形状と質感。エキゾーストパイプの取り回しも大きく異なる。

エンジンフロント部のフレーム形状の違いに注目してほしい。左が旧型のアルミキャストフレームで、右が新型のスチールパイプフレーム。両モデルともにラジエター位置に変更はないが、それを囲むフレームの形状が大きく異なる。

エキゾーストパイプの取り回しも違うが、一番の違いはサイレンサーの数だ。左の旧型は途中で繋がってはいるものの2本出し、新型はエキゾーストパイプが集合し1本出しとなっている。

新型スカウトにもTFTメーターが装備するようになった。左が旧型のアナログタイプで、右が新型に装備する4インチTFTディスプレイメーター。しかし、装備されるのはリミテッド+テックグレード/101スカウト/スーパースカウトのみ。他は従来と同じアナログタイプとなる。

旧型と新型スカウト、どちらが買い?? 正規ディーラー インディアンモーターサイクル沼津にストレートに聞いてみた

今回の発表会に一緒に訪ねたのは、インディアンモーターサイクル沼津/静岡の母体である「エイチ・エスシー」の代表を務める佐々木社長。沼津店は2024年1月にオープンしたばかりで、正規ディーラーの中では一番新しいショップ。しかし、その姉妹店である静岡店は2016年オープンで、新生インディアンの歴史とともに販売/メンテナンス/チューニングの実績を積んできたショップだ。単刀直入に旧型と新型に対しての質問をぶつけてみた。

エイチ・エスシー代表・佐々木社長

Q1)新型のセールスポイントは? とくに旧型より優れているところを教えてください。

A)佐々木さんの回答:リミテッド&リミテッド+テックグレード/101スカウト/スーパースカウトに限りますが、なんといっても走行モードの切り替えができるようになった点です。

もともと旧型スカウトに搭載されていたエンジンは、とても高いポテンシャルを持っていました。比較的乗りやすいマイルドなセッティングで販売されていましたが、インジェクションチューニングを施すとかなり激変します。

新型は走行モードでその切替が可能となり、そのポテンシャルがチューニングを行わなくても感じることができます。チューニングした旧型スカウトは、しようと思えばウイリーするのも簡単なほど過激でしたので、かなり期待しています。

Q2)逆に旧モデルならではの良さを教えてください。

A)佐々木さんの回答:インディアンモーターサイクルは、どの車種でも本当に故障などのトラブルが少ないブランドで、とても安定感があります。旧スカウトは10年の熟成でしっかり練り上げられたオートバイです。アメリカ製のバイクでここまで完成度の高いブランドは圧倒的であると感じています。

旧型の高剛性のアルミキャストであることも魅力的です。新型発表後も旧スカウトが欲しいというご要望もすでにいただいており、インディアン自体のとても高いクオリティに驚かされています。

インディアンをはじめ、モータービークルを年間数百万台製造している巨大メーカー・ポラリスという会社の技術レベルは、ホンダ/ヤマハ/カワサキとも十分肩を並べるものだと確信しています。

なお、旧型は店頭新車在庫に限り30万円分のアクセサリープレゼントキャンペーンを実施しているので、自分仕様にカスタムをしたい方にはおすすめです。

SPECIAL CUSTOM CAMPAIGNの詳細はこちら

Q3)店頭展示、販売はいつから? 試乗車はありますか?

販売は7月13日から始まっています。インディアンモーターサイクル沼津/静岡(HSC)ではフラッグシップモデルの101スカウトの展示車をご用意していますので、実際に実物をご覧いただくことができます。

Q4)一番人気となりそうなモデルとカラーはどれになると思いますか?

やはり101スカウトですかね、コーポレートカラーでもあるインディアンレッドが鮮烈ですが、実物を見ていただくと理解していただけるかと思いますが、ホワイトもすごくカッコよい。個人的にはホワイト推しです。

旧型スカウトの1133ccエンジンはマイルドなフィーリングだったが、ひとたびチューニングを施すと過激な性格に様変わりしたという。新型はトルクや最高出力の数値が上がったことに目が行きがちだが、佐々木さんが一番注目しているのはモード切り替えができる点。このモードセレクターが装備されているグレードの購入をおすすめしたいとのことだ。

絶妙なバランス感を狙い、フレームがスチール製に。乗り味などの性能面だけではなく、溶接ができる素材としてのスチールが選ばれていてる。カスタムショップの一面も持つ同店としては、カスタムの幅が広がった点にも注目している。

最高上位モデルとなる101スカウト。走りに特化したスペシャルパーツ満載

それではインディアンモーターサイクル沼津/静岡の佐々木代表がすすめる101スカウトの詳細に迫ってみよう。発表会ではレッドとホワイトが展示されていて、ホワイトには定番カスタムとして選ばれそうな、よりスポーティーなポジションとなるミッドコントロールキットと、パッセンジャーとのツーリングを楽しめるタンデムシート/タンデムステップを装着していた。

カタログ上の101スカウトの説明には「再誕」「軽快」「プレミアム」の文字が入っている。初代インディアンが誕生し間もなく登場した101スカウトと同名を冠し、その新生101スカウトは最新の技術/パーツがふんだんに使われているものの、そのスタイリングは初代をしっかり踏襲したアメリカを代表するアイコニックなデザインとなっている。

この101スカウトとスカウトスポーツのみ、フロントホイールの外径が19インチ。どちらもキャストホイールだが、101スカウトは切削面が美しい5本スポークのホイールだ。フロントサスペンションはフルアジャスタブル倒立フォーク、リヤはピギーバック付きのフルアジャスタブルツインショックだ。

そして、フロントブレーキには4ピストンのブレンボのラジアルマウントキャリパーを装備。しかもWディスクとなり、101スカウトのみに搭載された111hpを発揮するスペシャルなエンジンのパワーをしっかりと受けとめ、スポーティーにライディングを楽しむことができる特別な足まわりを装備している。

インディアンモーターサイクル沼津/静岡では、この101スカウトを店頭に展示。他のインディアンディーラーにも、このモデルだけではなくいろいろなモデルが入荷しはじめ、2024年8月3日(土)/4日(日)には全国のディーラーにて一斉試乗会が予定されている。各店の展示在庫や試乗可能モデルの情報は直接問い合わせを。

発表会に招待されていたバイクメディアで活躍しているバイク女子・指出瑞貴さん。この日の翌日にテストライドを予定していて、旧型と比べどのぐらい変化したのかを楽しみにしているそうだ。過去、旧型を乗ったこともあり、とくに注目したのが低重心からくる安定性。この点に注目したいとのこと。

LEDライト(全モデル共通)をすっぽり覆うビキニカウル。旧モデルではスカウトローグ(Scout Rougue)のみ装備されていた。倒立フォーク/Wディスク/ブレンボラジアルマウントキャリパーも101スカウトのみの特別装備だ。

赤く縁取られたインディアンのロゴ。ホワイトとレッドの2種のカラーリングが用意されている。リヤサスペンションもフロントと同じくフルアジャスタブル式で、走り方や好みに合わせてセッティングが可能。

ややアップポジションとなるハンドル。メーターは4インチTFTメーター。モード切り替えはこのメーターかハンドル左手側のスイッチで制御可能。テールランプはリアウインカーと共通でLED式。


※本記事はHSCが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。