多気筒キャブのオーバーホール必需品「ジョイントパイプ」。キースターが独自開発したOリング式ジョイントで絶版車ライフも安泰だ!

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2連以上のキャブレターの多くは、隣り合うボディ同士をジョイントパイプで連結して、燃料ホースから流れるガソリンを共有しています。ボディに挿入されるパイプには、ガソリン漏れを防止するためにゴム製のOリングが組み込まれていますが、機種によってはパイプ自体にゴムがモールディングされた一体型のパイプが使われていることもあります。

この場合、経年劣化などでガソリンが漏れると、パイプそのものを交換しなくてはなりません。また絶版車の中には、ジョイントパイプが販売終了となり修理ができないものもあります。そんな現状に対応するため、キースターはOリング交換式キャブレタージョイントパイプを開発しました。

●BRAND POST提供:KEYSTER 岸田精密工業

Oリング交換可能なジョイントパイプならガソリン漏れも怖くない?

単気筒エンジン用のシングルキャブレターの場合、燃料ホースは1本で済みます。その一方で、4気筒エンジンの燃料ホースが4本になるかといえば、必ずしもそうではありません。その理由は、2連以上のキャブの多くがボディ同士を連結するジョイントパイプを装備しているためです。

2連以上のキャブは同調が崩れないよう、プレートやボルトナットで互いのボディを連結していますが、連結部分の1ヵ所に、隣り同士のフロートチャンバーをつなぐパイプも組み込まれているのです。

1番と2番キャブがひとつのジョイント、3番と4番キャブがもうひとつのジョイントでつながり、2つのジョイントの先にもうひとつジョイントを設置することで、燃料コックから出た1本のホースが分岐して各々のフロートチャンバー部分につながり、ガソリンを共有しています。4連キャブでもホースの差し込み部分が1ヵ所だけという機種もあります。

ジョイントパイプには、ボディ挿入部からのガソリン漏れを防ぐためにゴム製のOリングが組み込まれています。キャブレターからのガソリン漏れの代表はバルブシートの不具合によるオーバーフローですが、実はジョイントパイプ部分からの漏れも少なくありません。

特に絶版車、中でも長期間に渡ってガソリンを抜いた状態で保管、または放置した後にガソリンを流すと、漏れ始めることがあります。

Oリングの材料となるゴムの性質にもよりますが、ガソリンで濡れている間はウェット状態で気密性を保つものの、ガソリン漬け状態から乾燥することで硬化したりクラックが入る場合があるのです。

この場合、連結したボディを分解する必要はありますが、ジョイントパイプのOリングを交換すればガソリン漏れは止まります。製造から長い時間を経過した絶版車のキャブレターのメンテナンスやオーバーホールを行う場合、ジェットやニードルなどフロートチャンバーやボディ内部だけでなく、ボディ同士をつなぐジョイントパイプのOリング交換も、実は必須作業のひとつと言っても過言ではありません。

絶版車のキャブレタートラブルの中には、オーバーフローではなくキャブボディ同士をつなぐジョイントパイプ部分からガソリンが漏れる例が少なくない。常にガソリンが流れる(浸っている)状態ならまだましだが、パイプやフロートチャンバー内部が空になるブランク期間があると、ゴムが硬化したりクラックが入ったりして、次にガソリンを入れた際に漏れ始めるパターンが多いようだ。

ジョイントパイプを取り外すには、つながったキャブボディの分解(切り離し)が必要。4連キャブをバラバラにしたら、組み立て時は同調調整が必須なので、バキュームゲージやフローメーターが必要になる。その手間を惜しんで、ボディとパイプの隙間に耐ガソリン性の液体ガスケットを塗布するやっつけ仕事もあるが、多くの場合は漏れを止めきれない。

実際に漏れたパイプのOリングをピックツールで引っ張ると、縦方向に亀裂が入っている。ジョイントパイプのOリングが外れるタイプなら、燃調キット内にこの部分のOリングも含まれているので修復可能だ。

Oリング交換できない一体式ジョイントはガソリン漏れで全体交換が必要

パイプの端部にOリングを組み込むタイプのフューエルジョイントであれば、Oリングの劣化でガソリンが漏れた場合はOリング交換で対策できます。しかしキャブレターの中には、その手が使えない困ったものもあります。

それがジョイントとゴムシールが一体化された、モールドタイプのジョイントパイプです。

一見すると合理的で、Oリングタイプに比べて気密性も高そうに感じますが、どんなパーツにも経年劣化があることを考えると、弊害が浮き彫りになります。ちょっと考えれば分かるとおり、このタイプのジョイントパイプはOリング交換ができないので、ガソリンが漏れたらパイプ全体を交換しなくてはなりません。

4連キャブはプレートやボルトナットでしっかり連結されていますが、走行中のエンジン振動はキャブにも伝わっており、その力はパイプのシール部分にも加わっています。したがって、経年劣化によってゴムの弾性が低下すれば、振動を吸収できなくなり、ガソリン漏れを起こす蓋然性が高まります。

その際に小さなOリング交換で対応できるのか、ジョイントパイプ全体を交換しなくてはならないのかでは、修理コストに大きな差が出ます。

さらに絶版車にとって問題なのは、純正部品はいつか販売終了になる可能性があるということです。Oリングは汎用性の高い標準部品を使っている場合が多いので、たとえ純正部品の番号で販売終了となっても、内径と外径とリングの太さから互換品を探すことも可能です。

しかしジョイントとシールが一体化されたパイプは、Oリング単体に比べて検索が難しく、パイプ部分からガソリンが漏れて純正部品が販売終了になると、そのキャブレター自体がその先使えなくなる絶望的な状況に直結します。

まれに、ジョイントパイプ挿入部分の外側から耐ガソリン性の液体ガスケットを塗り込んであるキャブレターを見る機会がありますが、それは決して手抜き作業ではなく、Oリング交換ができない一体式ジョイントタイプのキャブレターという可能性もあるのです。

往年の名車・カワサキZ1/Z2のキャブレタージョイントパイプは、1番と2番キャブの間、3番と4番キャブの間の2ヵ所にあって、2本の燃料ホースが燃料コックに差し込まれている。

ジョイントパイプの芯はキャブボディと同様のアルミダイカスト製で、外側をゴムコーティングしているような構造。

挿入部分は2列のリング形状になっているが、Oリングのような別部品ではなく、パイプ部分と一体構造となっている。

そのため、経年劣化や摩耗でシール性が低下した場合、T字形のジョイントパイプ自体を丸ごと交換しなくてはならない。Z1/Z2は今も純正部品が供給されているのでまだ良いが、販売終了となってしまったら代替部品と置き換えるのも容易ではない。

アルミ削り出しジョイントとOリングの組み合わせで“この先”のメンテナンスが可能なジョイントパイプを開発

こうした現状に対応するため、私たちはモールドタイプのパイプをOリングタイプに変更できるキャブレタージョイントパイプを開発しました。

燃調キットやバルブシート蘇生キットなど、絶版車用キャブレターの寿命を延ばし、好調さを維持するためのパーツを開発するキースターにとって、純正部品の販売終了によって使えなくなってしまうキャブレターを救うことは、サステナビリティの観点からも重要と判断しました。

端的に言えば、セッティングやメンテナンスでせっかく燃調キットを活用いただいているのに、ジョイントパイプに液体ガスケットを塗って差し込むスタイルというのが、いかにもバランスが悪いというのも開発理由のひとつです。

今回製品化したのは、カワサキZ1/Z2用、同Z750/Z1000用、スズキGSX250E用の3タイプです。このうちZ750/Z1000用とGSX250E用については、純正部品が販売終了となっており、ジョイント部分からガソリンが漏れているキャブにとっては必需品となるパーツです。

一方カワサキZ1/Z2は、さすがに人気機種とあってか現在も純正部品が入手可能です。しかし純正部品は今もなお(というか純正部品だけあってか)、1970年代と同様の一体式のモールドタイプです。

たとえば、これまで50年近くジョイントパイプから漏れなく無交換で過ごしてきたのであれば、純正部品を使用しても良いかもしれません。しかし、私たちが製作したOリングタイプのジョイントパイプを使用すれば、今後ガソリンにじみや漏れが発生してもOリング交換だけで対処でき、メンテナンス性が大幅に改善します。

さらに、キャブレタージョイントパイプは外側から見えない部分にあるので、ノーマルスタイルを維持しながら中身をアップデートできる点は、純正仕様にこだわるオーナーにとっても利点があるはずです。

実は、Oリング交換タイプのジョイントパイプを使用するキャブレターの燃調キットには、ジョイントパイプ用のOリングが入っています。その点においてモールドタイプのジョイントパイプを使用するキャブレターユーザーの方は若干不利な面がありますが、オリジナルジョイントパイプは他機種でも展開していく予定なのでご期待ください。また、リクエストがあれば参考にさせていただきますので、お知らせください。

キースターは、これからもキャブレターを愛する皆さんに役立つ製品の開発に努めて参ります。

カワサキZ1/Z2用キャブレタージョイントパイプ。純正部品の形状やサイズを踏襲しながら、アルミボディにOリングをセットする構造を採用している。これによって、Oリングの硬化や摩耗でガソリンが漏れた場合も、Oリングを交換するだけで修理できる。

純正部品との比較。素材や加工方法の違いによって見た目は異なるが、機能は同等。燃調キットで実績のあるOリングを使用しているので、性能や耐久性に不安はない。

Oリングのみ交換できるのが最大のポイント。後年のキャブでは当たり前の構造を採用することで、必要に応じたメンテナンスが可能となる。

適度なフリクションとともにキャブボディに収まるOリング仕様のジョイントパイプ。純正部品が販売されているものの、将来を見越せばキースター製ジョイントパイプに分があるのは間違いない。

純正部品が販売終了となっているカワサキZ750/Z1000用パイプ。キャブレター型式はミクニVMだが、Z1/Z2用とは部品構成が異なる。1~4番キャブがすべてパイプでつながり、2番と3番の間のニップル1ヵ所に燃料ホースが接続される。

空冷2気筒エンジンを搭載したスズキGSX250E用ジョイントパイプ。純正キャブはこちらもミクニ製だ。

燃調キット等最新情報、部品の注文はホームページにてご確認ください。


※本記事は岸田精密工業 キースターが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。