レーシングキャブならではのセッティングはもちろん、フルオーバーホールもできるFCRキャブレター用燃調キット

  • 2022/05/18
  • 【BRAND POST】KEYSTER

エアークリーナーケースからマフラーまで仕様をすべて決めた上で、バイクメーカーがセッティングを決めた市販車用の純正キャブレターに対して、エンジンのチューニング内容やマフラーの仕様に応じてユーザーが自由にセッティングを決められるのがアフターマーケットのレーシングキャブレターの特長であり魅力でもあります。キャブレター用部品を専門に製造するキースターは、多くのユーザーが愛用するケーヒンFCRキャブレター向けの燃調キットを開発しています。このキットはケーヒンも用意していない部品をセットすることで、フルオーバーホールにも対応できるのが特長です。

●BRAND POST提供:キースター

純正キャブレター用と同様、FCRキャブレター用燃調キットも機種別に設定

市販車の吸気系がフューエルインジェクションとなった現在では事情が変わりましたが、かつてはレーシングキャブレターの装着は吸気系チューニングを代表する花形メニューでした。4ストロークエンジンモデルの純正装備としてポピュラーな負圧式キャブレター(CVキャブレター)は、スロットル操作で開閉するバタフライバルブと、エンジンの負圧で作動するバキュームピストンが別々に作動します。


エンジン回転数が低い状態でスロットルを大きく開けても、エンジンが空気を充分に吸い込めるようになるまではバキュームピストンが開かず、空気を吸えるようになって初めてピストンが開いて混合気が流れ出すCVキャブは、ライダーのスキルに左右されず混合気が安定するのが特徴です。


一方、ケーヒンFCRやミクニTMRに代表されるレーシングキャブレターは、スロットル操作によってダイレクトにスロットルバルブ(ピストンバルブ)を開閉します。そのためスロットル開度とエンジン回転数が調和すれば、ライダーが望むとおりのレスポンスの良さを見せつけ、スロットル全開時には混合気が流れるベンチュリー内に抵抗物がないため圧倒的なパワーフィーリングを発揮します。

FCRキャブレター|ケーヒン

登場から30年を経ても、レーシングキャブレターとして多くのユーザーに愛用されているケーヒンFCRキャブレター。角形のスロットルバルブにベアリングを使用することでスロットル操作力を軽減し、浮動バルブにより吸入負圧による張り付きを防止するなど、キャブレターとしての性能を徹底的に追求している。 [写真タップで拡大]


FCRもTMRもレース用として開発された汎用パーツであり、ベンチュリー口径と組み立てピッチを任意に設定することで、機種を問わず多くの4ストロークモデルに装着できるのが特徴です。そのため市販車用の純正キャブと異なり、パイロットジェット、メインジェット、ジェットニードルなどはセッティングパーツとしてFCR用ならケーヒンから、TMR用ならミクニからリリースされています。


製品の成り立ちとしては汎用パーツですが、4気筒用のレーシングキャブをユーザー自身でピッチを合わせて組み立てるのは現実的ではありません。そのため取扱代理店やパーツコンストラクターが機種ごとにキット化して販売されています。ここで問題となるのが、機種別のセッティングが何を基準としてるかが、ユーザーにはよく分からないということです。カワサキGPZ900R用として販売されているΦ37FCRキャブレターキットを販売するコンストラクターが、セッティングを決める際に吸気系がエアーファンネルなのかパワーフィルターなのか、マフラーが市販車の純正品なのかアフターマーケットの集合マフラーなのかによって、ベストのセッティングは異なります。


すると、そうして製品化されたキットをユーザーが自分のバイクに装着した際、吸排気系やエンジンのコンディションが開発時と異なれば、自分にとってベストなセッティングとはならない可能性もあります。だからこそレーシングキャブレターにはセッティングを自由に変更できるジェットやニードル類が揃っているのです。しかしすべてのユーザーが1個単位で販売されてるパーツを揃えて交換できるわけではありません。


そんな時に役立つのが、キースターが製品化したFCRキャブレター用燃調キットです。先述の通り、レーシングキャブであるFCRにはジェットやニードルが豊富に用意されています。しかしキースターでは、アフターマーケットで販売されている機種別FCRキットのセッティングをベースに、自社で開発したジェットやニードルをセットして、純正キャブレター用燃調キットと同様の製品として販売しているのが大きな特徴です。


具体的なセッティング要素としては、3種類のパイロットジェット、6種類のメインジェット、4種類のジェットニードルが含まれます。この入組内容によって、エアーファンネルやパワーフィルター、マフラーの仕様やエンジン本体の仕様に対して、幅広く対応できるようになっています。

KESTER|FCRキャブレター用燃調キット

セッティング変更に必要なパイロットジェット、メインジェット、ジェットニードルはもちろんのこと、ニードルジェットやフロートバルブ、バルブシートやパイロットスクリュー、トップカバーやフロートチャンバーガスケット、ガソリンやエアベントパイプのOリング、インターミディエイトボディ用のガスケットまで含まれたFCRキャブレター燃調キット。本文でも触れているとおり、市販されている機種別FCRキットの内容を基本としてジェット類のセッティングを決めている。 [写真タップで拡大]


これらのセッティング要素に加えて、トップカバーガスケット、フロートチャンバーガスケット、加速ポンプダイヤフラム、フューエルジョイント部パッキンなど、メンテナンスで重宝するパーツも入っています。ガソリンに触れた後で長期間不動状態を経ることでフューエルジョイントのパッキンが硬化、収縮するとガソリン漏れの原因となり大変危険です。本来セッティングとメンテナンスは別の要素ですが、経年劣化が進行しているキャブも少なくない現状に対して、キースターはメンテナンスの必要性にも着目しています。


さらに特筆すべきなのは、メーカーが非分解としている部分に組み込まれたガスケットもキースター独自で開発し、キットに同梱している点です。

FCRキャブレター|分解

メインボディ(左)にボタンヘッドボルトで固定されているインターミディエイトボディ(右)は、ケーヒンでは非分解としている部分。両者の間に組み込まれる特殊な形状のガスケットは部品設定されていないので、分解してダメージを受けていても燃調キットがなければ対応しようがない。とはいえガスケットが傷んでエアーやガソリンの混入を許せば、ジェット類でセッティングしても本調子にならない場合もある。 [写真タップで拡大]


FCRキャブはメインボディ、インターミディエイトボディ、フロートチャンバーの三層構造となっていて、ボタンヘッドボルトで組み立てられたメインボディとインターミディエイトボディは非分解設定となっています。両ボディの合わせ面には、エアーとガソリンの通路を区別する特殊な形状のガスケットが組み込まれていますが、非分解となっているため部品の設定がありません。


ガスケットの素材はもちろん耐ガソリン性なので、正しく使用すれば問題はありませんが、洗浄時に強力なケミカルを使用することで膨潤、劣化することがあるのです。中古パーツとしても人気が高いFCRキャブは、商品化にあたり強力な溶剤でクリーニングされる場合もあります。その際に内部のガスケットがダメージを受けると、ジェットやニードルでセッティングを行ってもどうしても調子が良くないということもあり得るのです。


こうした実情に対応するため、キースターはこの部分のガスケットを独自に製作し、完璧なオーバーホールができるようになったのです。ゴム製のガスケットに関しては、以前から自社内でフロートチャンバーガスケットやOリングを製造しており、耐ガソリン性ゴム素材の取り扱いについて知識と経験が豊富なので、耐久性にも問題はありません。

FCRキャブレター|ガスケット

キースターが独自で開発したインターミディエイトボディ用ガスケット。セッティングに文句がなくても、経年劣化でシール性を失ったガスケットを交換するだけで調子が回復するFCRキャブは少なくない。 [写真タップで拡大]

FCRキャブレター|分解

メインジェットで計量したガソリンが吸い出されるメインノズルだけでなく、インターミディエイトボディを取り外すと細かな通路がいくつもあることが分かる。長期放置でワニスが詰まったり、ガスケットが膨潤して通路を塞げば、本来の性能が発揮できなくなるであろうことは容易に想像できるだろう。 [写真タップで拡大]


純正キャブレター用燃調キットがキャブレター1個ずつで製品化されているのに対して、FCR用燃調キットはヤマハSR400などのシングル用は税込8250円、4気筒用はキャブ4個分1セットで税込3万800円で販売されています。


幅広いセッティングを実践できる自社製造のジェットやニードルと、メンテナンスやオーバーホールに対応できるオリジナルパーツを組み合わせたFCRキャブレター燃調キットは、レーシングキャブならではの高性能を手軽に引き出すことができる製品です。

FCRキャブレター|分解

好調さを維持するにはスロットルバルブのベアリングや浮動バルブ、フロートチャンバー内の定期洗浄が大切なのはもちろんだが、キースターのFCR燃調キットがあれば真の意味でフルオーバーホールが可能となる。ジェットやニードルでセッティングを行っても今ひとつ納得できる結果が得られないなら、インターミディエイトボディに踏み込んでみるのも良いだろう。 [写真タップで拡大]

※本記事はキースターから寄稿されたものであり、著作上の権利および文責はすべて寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。

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