
「通信距離の限界」「接続人数の壁」「ブランドの壁」。これらすべての制約にとらわれない次世代スマートIoTヘルメットインカム「EVA Rモデル」が、ASMAXとEVANGELION RACING(EVA RACING)の公式コラボレーションとして登場した。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:カスタムジャパン
距離もブランドも関係なし!50人同時通話を実現
EVA Rモデルは、EVANGELION RACINGをモチーフとした特別デザイン(初号機A/B、2号機A/Bの全4モデル)をまとい、ナイトランでも存在感を放つカラーリングLED(呼吸パルス調)を搭載しており、目を引くデザインが特長だ。
加えて、単なるコラボアイテムではない性能の高さも見逃せない。EVA Rモデルの最大の武器は、「CloudTalk(クラウドトーク)モード」だろう。従来のBluetoothインカムは通信距離が数キロに限られ、複数人通話にも限りがあったが、CloudTalkはこれらの制限にとらわれない。
専用アプリ「ASMAX WORLD」を使用することで、各ライダーのスマートフォンを中継端末化。携帯電話回線(4G/5G)を経由してASMAXクラウドサーバーに接続し、最大50名までのリアルタイム音声チャットルームを構築可能としているのだ。これにより、携帯の電波が届く場所なら距離制限なしで通話が可能となっている。
さらに特筆すべきは、他社インカムとの接続が容易になったことだ。CloudTalkはASMAX専用インカムだけでなく、日本国内で主流のB+COM、SENA、Cardoなど、主要な他社Bluetoothインカムユーザーでもアプリを経由することで同一ルームに参加できる。
従来のメッシュ通信が同一ブランドでしか接続できないという制約(SENA同士、Cardo同士など)を解消し、ブランド間の壁を越えたオープンな“音声SNS”的体験が可能というわけだ。
ただし、CloudTalkは携帯電話回線網(4G/5G)の電波を使い、データ通信料を利用するため、圏外では従来通りBluetooth/Meshを利用する必要がある点は注意しておこう。
デュアルチップ構成が生む、シームレスなハイブリッド通信
ASMAX独自の「ハイブリッド通信構造」も機能的だ。近距離~中距離では、Mesh通信による安定したグループ通話を行い、数kmを超えるエリアではCloudTalkモードが自動的に補完する。この2つの通信技術がシームレスに切り替わることで、ライダーは距離を意識せずに仲間と話し続けられる、新しい通信体験が得られる。
内部には、最新世代のBluetooth 5世代チップを2つ割り当て、オクタコアCPU(8コア)を搭載。1基をオーディオ制御専用に、もう1基を通信・ノイズ制御に割り当てる「デュアルチップ構成」により、同時処理能力と安定性を大幅に向上させている。
走りに集中できる!完全ハンズフリー操作と高音質設計
走行時の利便性を高める機能も充実している。EVA Rモデルは、ASMAX独自の音声認識エンジン「Hi Max(ハイマックス)」を搭載。これはクラウド接続を必要とせず、オフラインで瞬時に反応するローカルAIアシスタントだ。
ボタン操作の代わりに「Hi Max」と呼びかけるだけで、通話・音量・音楽操作・モード切替などが、声だけで操作可能となり、手も視線も走りに集中できる。
音質面では、大口径40mmネオジウム・スピーカーを搭載。一般的なインカムよりも約20%大きい空間設計(サウンドキャビティ構造)により、低音の厚みと中高域の抜けの良さを両立させた。
さらにASMAX独自のアコースティック・チューニング技術で、通話中でもBGMが自然に減衰し、会話終了後に自動で音楽がフェードインするなど、音まわりも最適化されている。ハイスピードでも快適に通話できるENCノイズリダクション機能も当然装備だ。
ライダー視点のスマート構造:マグネットでカンタン着脱
インカムの着脱も容易。本体ユニットは薄型マグネットベースに固定され、工具不要・両面テープ不要でヘルメットから簡単に着脱が可能。駐車時や充電時に片手でスッと外せるため、盗難防止やメンテナンス性にも優れている。ベースはわずか数ミリ厚の金属プレートで、ヘルメットの外観を損なわない設計だ。
デザインも機能も先進的なEVA Rモデルのメーカー希望小売価格は3万5000円(税込)。ASMAXは中国のブランドだが、輸入総代理店は日本のカスタムジャパンが務めているので、安心の2年保証も付帯するぞ。
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