房総フラワーラインをバイクで満喫|絶景ルート・道の駅・開花情報・見頃ガイド

房総フラワーラインをバイクで満喫|絶景ルート・道の駅・開花情報・見頃ガイド

南房総を代表する海沿いの絶景ロード「房総フラワーライン」。冬から春にかけて咲く菜の花と青い海のコントラストは、バイクツーリングでしか味わえない特別な景色です。本記事では、房総フラワーラインのおすすめルート、バイクで立ち寄りたい道の駅、開花情報や見頃の時期などを詳しくご紹介します。


●文&写真:ヤングマシン編集部(カイ

房総フラワーラインとは?バイク乗りに人気の理由

房総フラワーラインは、千葉県の房総半島南端をぐるっと周遊する約46kmのルートです。千葉県館山市下町交差点から南房総市和田町までの海沿いを巡り、上掲のGoogle mapのルートでは観光スポットをいくつか経由することで約51kmの道のりになりました。

ゆっくり景色を楽しみながら食事や休憩を挟んでも、およそ2〜3時間で全ルートを走破できるため、ツーリング初心者からベテランまでのんびりエンジョイできるコースであり、房総半島は冬でも温暖で走りやすく、ツーリングシーズンが長いことでも知られています。年間を通して楽しめるのも、房総フラワーラインが人気の理由です。

房総フラワーラインはその名が示すように、春は菜の花、夏はマリーゴールドが道沿いを飾り、ただ走っているだけでも楽しめます。鮮やかな四季の花と、海のマリンブルーが魅せる絶妙なコントラストがライダーの心を掴んで離しません。

房総フラワーラインは、千葉県の房総半島南端をぐるっと周遊する約46kmのルートです。千葉県館山市下町交差点から南房総市和田町までの海沿いを巡り、上掲のGoogle mapのルートでは観光スポットをいくつか経由することで約51kmの道のりになりました。

館山市内から房総フラワーラインはスタート。今回は県道で言うところの257号線を西へ、洲崎灯台を目指す反時計回りで進む。道すがら「房総フラワーライン」の標識が設置されているものの、その数は多くないので見逃し注意。右の写真は房総フラワーラインの東端。

房総フラワーラインのおすすめバイクルート

ルート概要と見どころ

都内からだと、東京湾アクアラインを利用して木更津を経由し、そのまま東関東自動車道館山線を南下。終点から国道127号線をひたすら南に進みます。館山市街に入ってから国道128号線との分岐を西に向かい、同様に国道410号線の分岐を南下、さらに県道257号線に分岐して西へ向えば房総フラワーラインのスタートです。

また、東京湾アクアラインを使わず、神奈川県の久里浜から富津市の金谷港まで東京湾フェリーに乗って11.5km/40分の船旅を楽しむプランも魅力的です。実はこのルート、東京湾アクアラインが大渋滞した際のエスケープルートにも使えるので覚えておいて損はありません。

館山市街は信号も交通量も多いため決して快適ではありませんが、「内房なぎさライン」と合流したあたりから流れはスムーズになり、やっとツーリングが始まったという気分になれるでしょう。

高低差のあるワインディングを少し進めば、房総フラワーライン上の観光スポット第一弾、房総半島最西端の「洲崎灯台」にたどり着きます。そして海沿いに走り続けると、昭和61年に「日本の道百選」に認定された、伊戸から相浜までの約6Kmの道に繋がります。

ここは美しい砂浜の平砂浦海岸沿いにあり、海岸と道の間には冬季の強い南西風を防ぐためクロマツ林が広がっています。この砂防用の松林と砂浜の美しさから、平砂浦海岸は「白砂青松 100選」に選ばれ、現在では房総フラワーラインの一部として人気のツーリングスポットになっています。

房総フラワーラインは信号も少なく海沿いの景色を楽しみながら快適なライディングを楽しめますが、しばらく進むと海岸線から離れて内陸を進みます。シーズン毎に路肩に植えられた菜の花などの花々が目を楽しませ、フラワーラインの名前通りの景観が続きます。

やがて国道410号線に合流したあたりから海沿いに戻り、太平洋を東に臨みながら北上。途中、房総半島最南端の「野島崎灯台」に寄り道するのも良いですし、ルート上にある海鮮食堂で食事を摂るのも楽しみのひとつになります。

房総半島の南端をつなぐ房総フラワーラインは、激しい太平洋の荒波が作り上げた奇岩を見るのにも向いている。また、房総半島の最西端&最南端の灯台を一度に観光することができるのもこのルートならではだろう。

走りやすさ・路面状況

基本的に房総フラワーラインは片側1車線。しかし道幅はそれほど狭い箇所もなくカーブも緩やかで初心者でも安心してライディング可能。週末や連休は観光客のクルマも多いので安全運転を心がけよう。

景観が良いのでよそ見にはくれぐれも注意したいが、さらに海沿いは強風に晒されること多いためライディング時に風で煽られるような服装は避けるべき。

また、砂浜から飛んでくる砂によって路面コンディションが悪いケースも少なくない。砂がのった路面では急ブレーキや急ハンドルでいとも簡単に転倒することがある。常に路面状況に注意し、スピードの出しすぎなどの無理なライディングも禁物だ。

強い南西風を防ぐためのクロマツ林が広がる平砂浦海岸脇を通る。約6kmのストレートは本州ではなかなかお目にかかれないもので、房総フラワーラインツーリングのハイライトのひとつだ。

バイクで立ち寄りたい!房総フラワーライン周辺の道の駅

道の駅ちくら 潮風王国

南房総には10箇所以上の道の駅があります。それぞれ特色をもっているので、見かけたら何回でも立ち寄りたいもの。

房総フラワーライン上では、「道の駅ちくら 潮風王国」が南房総市千倉町にオープンし、ライダーやドライバーを迎えてくれます。カフェやショップ、レストランでは千倉ならではの物産が利用され、特に地元で水揚げされた魚介類が人気。

乗船できる漁船のレプリカ「第一千倉丸」が敷地内に停泊しており、休憩や散策に向いた広大な芝生広場や、道をはさんで山側にある千田の花畑など、のんびり過ごすのもオススメです。バイク専用駐車スペースがあるのも見逃せないポイントですね。

●千葉県南房総市千倉町千田1051
Tel: 0470-43-1811

房総フラワーラインのルート上にある道の駅ちくら 潮風王国。カフェやレストラン、ラーメン、海鮮市場などのテナントを擁し、隣接する広大な芝生広場や磯遊びに適した千田海岸など、ツーリングの休憩スポットに最適だ。

道の駅ローズマリー公園

房総フラワーラインをさらに北上していくと、ヨーロッパ風の庭園とおしゃれなカフェが人気の「道の駅ローズマリー公園」があります。

シェイクスピアが晩年を過ごした家を再現した中世ヨーロッパ調の建物が特徴で、季節ごとに目を悦ばせる様々な花が咲く庭園も人気です。手軽に異国情緒を感じられるだけでなく、農産物直売所や房総名物を取り揃えた「はなまる市場」もぜひ立ち寄りたい場所です。

「食のテーマパーク」を謳う地産の花や農産物を販売する「はなまる市場」は、旅行客だけでなく地元の人々からも人気。中世ヨーロッパの家屋を再現した建物はいずれも雰囲気満点で、異国情緒を堪能できる。

施設内には色とりどりの花々が咲く庭園を併設。南房総市に合併する前の丸山町はローズマリーの故郷である地中海のクレタ島やキプロス島と同じ北緯35度に位置し、栽培に適したローズマリーを核とした公園を整備している。

房総フラワーラインの開花情報と見頃はいつ?

房総フラワーラインの代名詞とも言える花はなんといっても菜の花。例年1月中旬~3月上旬が見頃で、道の両脇を鮮やかな黄色の菜の花がどこまでも続き、春の訪れを体感させてくれます。

ただし菜の花の開花は気象条件によって前後しますので、ツーリングに出発する前に最新の開花情報を確認することをおすすめします。

菜の花以外でも春はポピー、夏~秋はマリーゴールドなども場所によっては楽しめますので、季節を問わず”フラワーライン”を満喫できることでしょう。

温暖な気候の房総半島は春の訪れも早く、菜の花の開花は通常1月中旬から3月上旬が見頃となる。もちろん気象条件によって開花時期が前後することもあるので、事前に確認したい。

ツーリング中に立ち寄りたい絶景・撮影スポット

野島崎灯台

房総半島最南端から太平洋を望むパノラマが有名な野島崎灯台は、地上から構造物の頂部まで29m/平均水面上から灯火まで36m/地上から灯火まで24mの高さを誇る八角形の灯台。

中に入って踊り場から海を臨むことができ、太平洋の雄大なパノラマが楽しめます。付近には駐車場も整備され、お土産物屋や食堂もあり、房総フラワーラインから少し寄り道するカタチになりますが、ぜひ抑えておきたい観光スポットです。

房総半島最南端に位置する野島崎灯台。中に入って見物することも可能で、雄大な景色を眼下に臨む。周辺には整備された遊歩道もあり、散策にも適したスポットだ。

周囲は国定公園に選定され、様々な奇岩やモニュメントも見どころ。海辺にはきれいな夕日で人気の「ラバーズベンチ」と呼ばれる白いふたりがけのベンチが海に向かって設置されている。

洲崎灯台

房総半島最西端に位置する洲崎灯台は、コンクリートづくりの灯台としては初期型に当たることから国の登録有形文化財に指定されています。条件が揃えば富士山と夕景を同時に楽しめるため、人気の高いビューポイントです。

高さは約14.75mあり、初点灯が1919年という100年以上の歴史がある灯台とは思えないほどきれいで、こじんまりした可愛い灯台はぜひ立ち寄りたいもの。あまり観光地然としていない素朴さも特筆です。

100年以上も東京湾の入口を守ってきた洲崎灯台。シンプルなデザインが好ましい。ちなみに洲崎灯台のある岬はその周辺でマーガレットの栽培が盛んだったこともあり「マーガレット岬」の別名もある。

ここからは富士山や東京都心などの眺望が期待できる。灯台入口にはオートバイにも対応する有料駐車場もあるので安心だ。灯台までの細い階段も風情があるのでぜひ立ち寄りたい。

岡本桟橋(原岡桟橋)

房総フラワーラインに向かう途中、南房総市の海岸にある「岡本桟橋(原岡桟橋)」は全国でも珍しい木製の桟橋がエモーショナル。

1921年(大正10年)に漁業用として整備された歴史ある桟橋で、どこかノスタルジックさを感じさせる佇まいが人気となり、特に夕日を背景に撮影する人が絶えません。

岸から伸びる木製の桟橋で有名な「岡本桟橋(原岡桟橋)」。板の隙間から海面が見えるため少々スリリングな気分も味わえる。西に向かって桟橋は伸び、夕日との組み合わせがエモい。

桟橋だけに手すりもなく、余計な装飾もないため無骨な雰囲気。周辺には「原岡海水浴場」や「多田良北浜海水浴場」が点在し、海水浴と合わせて訪れるのもアリ。

房総フラワーラインツーリングの注意点とアドバイス

 絶景が続く房総フラワーラインは、得てして路肩にオートバイを停めて撮影したくなるもの。しかし道幅は特別広くはないので、できるだけ道の駅や駐車場を活用して路上駐車は避けましょう。特に菜の花の開花シーズンは交通量も増えるため、慎重な対応を心がけましょう。

 また、全ルートの半分以上は海沿いを通るため、特に冬は強い風に注意してください。他より温暖だとはいえ、服装にも注意を。

信号の少ない快走ルートですが、ハイシーズンはクルマも増えます。混雑を避けるなら早朝~午前中の出発がおすすめです。特に館山市の市街地は交通量が多く信号も多いので、できるだけ早い時間にパスするのが無難です。

房総フラワーラインのルート上、もしくは少し道を逸れれば駐車場や道の駅が点在しているので、景色を楽しんだり休憩する際は積極的に利用したい。

まとめ

房総フラワーラインは冬でも温暖で、菜の花や海の絶景を楽しめる関東屈指のツーリングルートです。特に平砂浦海岸付近は気持ちの良い直線が続いて走る楽しさを満喫させてくれます。

道の駅での休憩や開花情報を事前にチェックしながら、絶景スポットを巡るルートを計画して、安全で楽しいバイク旅を満喫してください。

走ると同時に色とりどりの花や景色を楽しめる房総フラワーライン。このツーリングルートは首都圏からのアクセスも良好な上、年間を通して利用できることも特筆事項。ぜひこの快走ルートを次のツーリング計画に加えてみたい。

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