
1992年に登場し、幾度かのモデルチェンジを経ながら400ccネイキッドカテゴリーを長らく牽引し続けてきたホンダCB400スーパーフォア。惜しくも2022年10月の生産終了とともに、約30年の歴史を終えてしまったが、今でも復活を望む声が大きい人気モデルだ。その変遷を振り返りたい。
●文:ヤングマシン編集部
1992年モデル:新世代のホンダロードスポーツ
【HONDA CB400SUPER FOUR[1992 model]】主要諸元■全長2085 全幅735 全高1080 軸距1455 最低地上高125 シート高770(各mm) 車重192kg(装備) ■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 53ps/11000rpm 3.7kg-m/1000rpm 変速機6段 燃料タンク容量18L ■タイヤサイズF=110/70‐17 R=140/70‐17 ●価格:58万9000円〜 ●色:白×赤、青、黒 ●発売日:1992年4月23日~
滑らかな曲線と面で構成された、力強くボリューム感のある18Lの燃料タンク形状に、独立したサイドカバー、そして躍動感ある跳ね上がり気味のリアカウル。すっきりとした外観を表現しながらも、精悍で迫力ある個性的なフォルムを実現した初代CB400スーパーフォアは、1992年4月23日から順次発売された。
カラーリングは 3種類のシンプルなソリッドカラーと、2種類のシックなツートンカラーの計5色展開だった。価格はソリッドカラーが58万9000円、ツートンカラーが59万9000円の設定だった。
1999年モデル:量産バイク初の油圧制御可変バルブ搭載
【HONDA CB400SUPER FOUR[1992 model]】主要諸元■全長2050 全幅725 全高1215 軸距1070 最低地上高130 シート高760(各mm) 車重188kg(装備) ■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 53ps/11000rpm 3.9kg-m/9500rpm 変速機6段 燃料タンク容量18L ■タイヤサイズF=120/60ZR17 R=160/60ZR17 ●価格:60万9000円〜 ●色:銀、青、黒 ●発売日:1999年2月23日
1992年の発売開始以来、400ccネイキッドの世界で王座を維持してきたCB400スーパーフォアは、その地位を盤石にするべく、1999年型でフルモデルチェンジを敢行。その最たるアップデートが、動弁系に採用された可変バルブ機構、ハイパーVTECだ。
これは1983~1985年型CBR400FのREVや、4輪のVTECとはまったく異なる構成で、当時のスポーツバイクの主流だった直打式カム&バルブのままで(REVと4輪のVTECはロッカーアーム式)、油圧を用いて1気筒あたりの作動バルブ数を2→4へ切り替えていた。
「直押しタイプ」としては量産車世界初の機構「ハイパーVTEC」 1992年の発売開始以来、400ccネイキッドの世界で王座を維持してきたCB400スーパーフォアは、その地位を盤石にするべく、1999年[…]
2005年モデル:ハーフカウルの「スーパーボルドール」追加
【HONDA CB400SUPER BOL D’OR[2005 model]】主要諸元■全長2040 全幅725 全高1155 軸距1410 最低地上高130 シート高755(各mm) 車重195kg(装備) ■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 53ps/11000rpm 3.9kg-m/9500rpm 変速機6段 燃料タンク容量18L ■タイヤサイズF=120/60ZR17 R=160/60ZR17 ●価格:73万5000円〜 ●色:白×赤、黒 ●発売日:2005年3月30日 ※[]内はABS
高速走行時の風圧の軽減と、走行安定性の向上を実現するモデルとして、CB400スーパーフォアをベースとしたハーフカウル装備の「スーパーボルドール」がこの年から登場。発売は2005年3月30日だった。スーパーフォア、スーパーボルドールともに、カラーリングは、ツートーンタイプにキャンディブレイジングレッド、ソリッドタイプをブラックを設定。これらのスタンダードな2色展開のほか、カラーオーダープランとして10色が設定されており、合計14色の中から好みに合わせた選択が可能だった。
2018年モデル:熟成のマイナーチェンジ
【HONDA CB400SUPER FOUR[2018 model]】主要諸元■全長2080 全幅745 全高1080 軸距1410 最低地上高130 シート高755(各mm) 車重199[201]kg(装備) ■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 56ps/11000rpm 4.0kg-m/9500rpm 変速機6段 燃料タンク容量18L ■タイヤサイズF=120/60ZR17 R=160/60ZR17 ●価格:81万5000円〜 ●色:白×赤、青、黒 ●発売日:2017年10月20日 ※[]内はABS
ライバルがこぞって生産終了するなか、貴重な直4・400ネイキッドとなっていたCB400スーパーフォア(SF)&スーパーボルドール(SB)。2017年10月20日発売の2018年モデルでは、各部の熟成と、平成28年度排出ガス規制の法規対応が実施された。
SFに丸型LEDヘッドライトを採用したほか、SBともに共通で前モデルから3psのパワーアップを実現。新マフラーは、同時に直4らしい伸び感のあるサウンドも実現した。サスペンション内部も軽快なハンドリング性能をさらに熟成。もちろんヘルメットホルダーほか各部の使い勝手も向上していた。
排出ガス規制に合わせつつパワーアップ&各部熟成 ライバルがこぞって生産終了するなか、貴重な直4・400ネイキッドとなっていたCB400スーパーフォア(SF)&スーパーボルドール(SB)。2017年10[…]
2019年モデル:ABS標準装備+新カラーの実質ファイナル
【HONDA CB400SUPER FOUR[2019 model]】主要諸元■全長2080 全幅745 全高1080 軸距1410 最低地上高130 シート高755(各mm) 車重201kg(装備) ■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 56ps/11000rpm 4.0kg-m/9500rpm 変速機6段 燃料タンク容量18L ■タイヤサイズF=120/60ZR17 R=160/60ZR17 ●価格:86万8320円〜 ●色:黒、青、赤 ●発売日:2018年11月26日
発売は、2018年11月26日。2019年モデルには、ABSが標準装備された。防風効果の高いハーフカウルを装着したスーパーボルドールの方は、ABS、スポーツグリップヒーター、ETC2.0車載器を標準装備した2タイプが設定され、利便性を高めていた。
2019年モデルのカラーバリエーションは、躍動感あるホワイトとブルーを主体色にレッドのストライプを採用した「アトモスフィアブルーメタリック」と、重厚感のある「ダークネスブラックメタリック」を新たに設定。従来色の「キャンディークロモスフィアレッド」と合せて3色展開となった。
2020年には限定カラーモデルが販売されたものの、通常ラインナップとしては2019年モデルの仕様が、生産終了となる2022年10月までそのまま継続。CB400スーパーフォア/スーパーボルドールの実質的なファイナルモデルとなった。
ABS標準装備で安全性能アップ 発売は、2018年11月26日。2019年モデルのスーパーフォアには、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が標準装備された。防風効果の高いハーフカウルを装着したス[…]
2020年限定モデル:マットシルバー登場
【HONDA CB400SUPER FOUR[2020 model]】主要諸元■全長2080 全幅745 全高1080 軸距1410 最低地上高130 シート高755(各mm) 車重201kg(装備) ■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 56ps/11000rpm 4.0kg-m/9500rpm 変速機6段 燃料タンク容量18L ■タイヤサイズF=120/60ZR17 R=160/60ZR17 ●価格:91万7400円 ●色:銀 ●発売日:2020年1月17日
2020年モデルは、2020年1月17日に発売。新たなカラーリング「マットベータシルバーメタリック」をまとった、2019年12月16日から2020年5月31日までの受注期間限定生産だった。
このスペシャルカラーは、マットベータシルバーメタリックを主体色としながら、燃料タンクとシートカウルにローコントラストのストライプを採用。併せて、シリンダーヘッドと前後ホイールをブラウンゴールドで引き締め、スポーティーながら落ち着いた雰囲気を演出していた。販売計画台数は、たったの400台だった。
125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限[…]
新型CB400は2025年秋登場!?
新開発の400cc4気筒エンジンを搭載し、CB400スーパーフォアの後継機として、ホンダ新型CB400は開発中。2025年秋頃とされる正式発表前から登場が待ち望まれている1台だ。ホンダ2輪の総責任者である二輪・パワープロダクツ事業本部長の加藤稔氏も、ホンダ新ヨンヒャクの存在を認めていることもあり、嫌が応にも期待が高まるというもの。ヤングマシンでは、某メーカーで30年以上にわたって車両開発に携わってきたエキスパートに、さまざまな角度からその車体構成を予想してもらったこともある。新情報が出るまで、こちらをチェックして妄想を膨らませておこう。
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先代譲りの緻密さは最新電脳で究極化?! 旧CB400はハイパーVTECやABSこそあったものの、従来型(NC42)の登場は2007年だけに、近年の最新電脳デバイスは皆無だった。しかし新型CB400は電[…]
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