
バイクの楽しみ方は、ツーリングに出掛けたり、サーキットを走ったり、カスタムしたりと人それぞれ。レースの楽しみ方も、現地に赴いて観戦したり、配信で視聴したりと多種多様。いろいろな向き合い方がありますが、今回は「100均のハンガーでMotoGPサーキットを作ってしまう」という、大のバイク好きさんを紹介します!
●文:ヤングマシン編集部(風間ナオト) ●写真:NCコージ
なんと“MotoGP全サーキット”を100均ハンガーで再現!
筆者はまったく門外漢なのですが、なんでも鉄道ファンには「乗り鉄」「撮り鉄」「模型鉄」など、趣味や嗜好によって、たくさんの棲み分けがあるんだとか。
同じようにバイクも、ツーリングに出掛けたり、サーキットを走ったり、カスタムしたりと楽しみ方は人それぞれ。レースの楽しみ方も、現地に赴いて観戦したり、配信で視聴したりと多種多様。いろんな向き合い方がありますが、今回は100均のハンガーでサーキットを作る、激レアさん(?)をご紹介しましょう。
偶然、X(旧Twitter)で目にしたNCコージ(@kojiRVFNC35)さん。自作のサーキットハンガーをSNSに投稿し始めたきっかけは「針金ハンガーを曲げたら鈴鹿サーキットを作れるのでは?」と何気なく思ったから。「軽い気持ちで曲げてみたら上手に曲げられたのでXに投稿してみました」とのこと。
現在、2025年にMotoGPが開催される全サーキットのハンガーを開幕戦から順を追って鋭意制作中。今のところ、第13戦オーストリアGPが行われるレッドブルリンクまでが完成。簡単な説明を加えて、Xに絶賛投稿中です。ハンガーで描かれた滑らかな曲線を眺めると、コースの情景や繰り広げられるバトルが目に浮かぶ、高いクオリティーに驚かされます。
大阪在住のNCコージさんはRVF(NC35)をこよなく愛するバイク好きで、DIYでNC35をイジり倒して、もう1台RVFを制作中という剛の者。普段は化学工場などの設備保全、回転機の整備等をされています。
これまでは普段あまりMotoGPを観ていなかったものの、サーキットハンガーを作るようになってからは以前より観戦するようになったそう。
NCコージさんは「ALCHEMY WORKS」名義にて古い車種のウォーターポンプ整備も請け負っている。
サーキットハンガー制作だけでなく、副業でウォーターポンプ整備も請け負われているので、こちらについても尋ねてみました。
「愛車(RVF)のウォーターポンプが廃盤だったので分解整備したことをSNSに投稿したところ反響が大きかったんです。レーサーレプリカ全盛期に販売された車種のウォーターポンプは約30年前の物でもう限界がきていますし、素人には分解ができない車種も多く、メーカーからの部品供給もストップしています。そんな困ってる方々の声に答えたく、廃盤のウォーターポンプを整備して、まだまだ走って楽しんでもらおうと思い、活動しています。」というお返事。
こんな言葉からもNCコージさんの深いバイク愛が伝わってきますね。
制作方法は“手曲げ”! 作るのが難しかったサーキットは?
コーナー数自体が多く、かつ細かく曲がりくねったコーナーが多いニュルブルクリンク複合コース。
サーキットハンガーの制作方法は、バイク好きなら反応せずにはいられない“手曲げ”!
かかる時間は1時間程度だそうで、「これといったコツはないのですが、何回も曲げて慣れれば上手くなります。シケイン等の細かい部分はペンチを使用していますが、ペンチで挟んだ部分はビニール皮膜が凹んでしまって少し見た目が悪くなるので、できる限り素手で曲げています」とのこと。
立体交差のある鈴鹿サーキットが一番お好きだそうで、コースの全長とハンガーの全長が合わなければ何回もやり直しとなるため、コーナーの数自体が多く、かつ細かいコーナーが多いニュルブルクリンク複合コースがもっとも作るのが難しいそうです。
Xでのプレゼント企画には予想を大きく上回る応募数が!
4mmのアルミ棒を使っての試作にも挑戦している。
また、しばらく前にはXでサーキットハンガーのプレゼント企画を実施。
「プレゼント企画には約280名の応募がありました。100均ハンガーを曲げただけの作品なので多くても30名ほどかな? と思っていたのでビックリしました。今までXのフォロワーさんはバイク乗りの方がほとんどだったのですが、この企画がきっかけで四輪車でサーキットを走られている方やF1好きの方々からも多くフォローしていただきました」と振り返ります。
当選者10名の中には、今でも小椋藍選手が練習に訪れるMotoUP 桶川スポーツランドに通われている方もいたそうで、サーキットに行った際、同施設の桶の社の長こと、松崎社長にプレゼントしたら喜ばれたというエピソードも。
最近は4mmのアルミ棒を使っても試作。「100均やホームセンター等で曲げれそうな物を物色するようになったので、今後、100均ハンガー以外での制作も増えるかもしれませんね。F1サーキットや国内のローカルサーキットなど、リクエストがあればいろいろチャレンジしていこうと思ってます」と意欲を見せるNCコージさん。
MotoGP全サーキットが揃うのが楽しみですね!
すでに制作済みのMotoGPサーキットハンガーを一挙公開!!
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