スーパーバイク世界選手権の2024年シーズン終了後、10月22日(火)、23日(水)にヘレスサーキットで行われた公式テストで、2日目にビモータの2人のライダーがニューマシン「KB998」で初走行。この日のラップタイムで1位-2位を記録し、3位にはカワサキ「ニンジャZX-10RR」が入った。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:bimota by Kawasaki Racing Team(X)
初日にテストライダーが走行し、2日目に本番ライダー2人が初走行!
カワサキは、KRT(Kawasaki Racing Team)によるスーパーバイク世界選手権のワークス活動を2024年いっぱいで終了し、2025年シーズンからはKRTを母体としたビモータのチームとして参戦する。チーム名はBbKRT(ビモータby KRT)だ。
スーパーバイク世界選手権の最終戦が終わり、週明けの火曜日と水曜日に来季に向けた公式テストが行われた。ここで初お披露目されたのが、BbKRTのワークスマシン「KB998」だ。
イタリアンメーカーのビモータがフレームなど車体を設計し、搭載するエンジンはカワサキ製。もちろんニンジャZX-10RR由来のワークススペックだ。
一方で、カワサキがこれまで走らせてきたワークスマシンは、サテライトチームとして長年活動してきたプッチェッティレーシングに引き継がれ、セミワークス的な立ち位置でニンジャZX-10RRのレースを継続することになっている。
火曜日の公式テスト初日、ビモータはテストライダーのフロリアン・マリノの手によってマシンをシェイクダウン。高い注目度の中、走行するマシンの姿を初めてお披露目した。
注目は2日目だ。ここで来シーズンのワークスライダーとして契約しているアレックス・ロウズ選手とアクセル・バッサーニ選手(2名とも今シーズンはKRTから参戦)が、ついにKB998を走らせたのだ。
驚くべきことに、バッサーニ選手は1分38秒48のトップタイム、ロウズ選手はこれに次ぐ1分38秒679を記録し、この日のラップタイプで1-2位に。2日間を通して見ても、初日にこの2名よりも速いラップタイムを記録したのは、予選タイヤを使用したドゥカティのニコロ・ブレガ選手のみという快挙だった。
さらに、2日目のタイムでこれに続いたのは1分39秒229を記録したカワサキプッチェッティレーシングのギャレット・ゲルロフ選手というオマケ付き。このラップタイムは2日間のテスト全体でも4番手だった。
プロジェクトの始まりとしては望外とも言える好スタートを切ったBbKRT。次回のテストは10月29日・30日にスペイン北部のモーターランド アラゴンサーキットで行われる予定だ。
アレックス・ロウズ選手のコメント
「最初にバイクでいくつかのことを試し、変更したものがバイクのフィーリングにどのような影響を与えるか確認しました。これらはすべて、レース開始時に違ったものになっているでしょう。私たちは学習プロセスを最初からやり直さなければなりません。順調なスタートを切れたので、多くのことを試すことにしました。これには時間とエネルギーがかかりましたが、かなり前向きな結果が得られました。暑い時間帯には同じペースを保つことにトライしながら、さまざまなパーツを試しました。今日は速く走ることはそれほど重要ではありませんでしたが、バイクが速いことを示すのはいつも嬉しいことです。ペースはOKですが、バイクを理解するために集中していかなければなりません」
アクセル・バッサーニ選手のコメント
「ヘレスで我々にとってのテスト初日を迎え、最初はすべてが手探りでした。チームはとてもよくやってくれましたし、バイクもよかったです。乗り心地もよかったので満足しています。やるべきことはたくさんありますが、今のところは本当にいい仕事をしています。私のベストラップは先週のヘレスレースでのスーパーポールより0.5秒速かったのですが、これの意味するところはバイクの感触が良く、プッシュできるということです。これはビモータ・バイ・カワサキ・レーシング・チームの新しい時代の始まりに過ぎませんが、良いスタートを切れるといつも嬉しいものです」
その他の多くの写真は↓の画像ページへGO!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ビモータ)
火曜日からの公式テストに向けて先行発表 ビモータ・バイ・カワサキレーシングチーム=BbKRTは10月21日、スーパーバイク世界選手権の最終戦が行われたスペイン・ヘレスサーキットでのテストに向け、来シー[…]
ビモータ発の超スペシャル・ホモロゲマシン WEBヤングマシンでもすでにお伝えした、ビモータがSBKに参戦するというニュース。カワサキのファクトリーチームであるKRT(Kawasaki Racing T[…]
ビモータ×カワサキの新たな旅が始まる……! カワサキがワールドスーパーバイク選手権(WSBK)へのファクトリー参戦を終了し、従来のカワサキレーシングチーム(KRT)は新たなステージへと移行する──。 […]
エンジンコンセプトより適性アライメント優先のイタリアン ドゥカティに代表されるイタリア製スーパースポーツは、不慣れなビギナーには向かない個性的な乗り味のハンドリング…といったイメージがある。たしかに、[…]
それ、同じヤツ何台もつくれるのか? 病院のベッドで決まったモーターサイクルクリエイターへの道 「もうこれ以上は仲間に迷惑。あのバイクを売って仕事に集中するんだ」 趣味のアマチュアレースで何度目かの転倒[…]
最新の関連記事(レース)
火曜日からの公式テストに向けて先行発表 ビモータ・バイ・カワサキレーシングチーム=BbKRTは10月21日、スーパーバイク世界選手権の最終戦が行われたスペイン・ヘレスサーキットでのテストに向け、来シー[…]
接地感とグリップ力は別のハナシ バイク乗りの皆さんなら、「接地感」という言葉を耳にしたり、口にしたりすることも多いと思う。この「接地感」、言葉通りに受け止めれば「タイヤが路面に接している様子を感じるこ[…]
“初心に帰る”ゼッケン27番でRTLエレクトリックをデビューウィンに導く 10月13日に開催された全日本トライアル選手権の第6戦 和歌山・湯浅大会で、フジガスこと藤波貴久さんが電動トライアルバイク「R[…]
元世界チャンピオンが全日本トライアルに参戦、先行して参戦しているヤマハに挑む ホンダが開発中の電動トライアルバイク「RTLエレクトリック」で、藤波貴久さんが全日本トライアル選手権に参戦する。そんなニュ[…]
Moto2チャンピオンに向かってまっしぐら。2009年の青山博一以来の日本人世界チャンピオン誕生までカウントダウンに入った。 厳しいコンディションでもレコード更新する凄まじさ MotoGP日本グランプ[…]
人気記事ランキング(全体)
1位:50万円台でカワサキ新型「W230」「メグロS1」登場!? カワサキはタイで、ジャパンモビリティショー2023に参考出品していたレトロ軽二輪モデル「W230」および「メグロS1(MEGURO S[…]
困りごとのトップに来るのが”駐車場不足” アキッパが”バイクの日”に行ったアンケート調査では、以下のような事柄についての質問が行われた。 バイクの利用目的 バイク利用の頻度 今夏のツーリングなどバイク[…]
ランドスケープ(東京都狛江市)は、CFMOTOの新型クルーザーモデル「250CL-C」の国内販売を開始した。水冷DOHC単気筒をトレリスフレームに搭載した軽二輪モデルで、価格は61万5000円と戦略的[…]
2気筒にもオートマチック『Y-AMT』を投入!! ヤマハは欧州で新型「MT-07」を発表した。先行して登場している最新MT-09と同様に、クラッチ操作とシフト操作を必要としない『Y-AMT』仕様をライ[…]
1位:ヤマハが新フラッグシップ「YZF-R9」を正式発表 ヤマハは欧州と北米でYZF-R9を発表した。専用にセットアップされたサスペンションやブレンボ製キャリパーを標準装備。R6を上回る空力性能を有し[…]
最新の投稿記事(全体)
ハンドルとソケットが一直線になる丸形ヘッドのスイベルラチェット 丸型ヘッドの中心に支点を置くことで、ハンドルを180度振れるスイベルラチェット。ハンドルと差込部を90度にすれば通常のラチェットと同様に[…]
コヨーテミーティング、2024年は会場を変更して開催 2023年までは渡瀬川の河川敷が会場だったコヨーテミーティング。毎年多くの来客があるイベントとして定着しているが、実は2023年の秋に今回の新会場[…]
みなさん、こんにちは! 靴磨きしながら愛車のヤマハボルトで日本一周している、いとです! 「靴磨きを始めたいけど、どんなアイテムを用意すればいいのか分からない!」なんてお悩みをよく耳にします。昔はミンク[…]
現代のめっきシリンダー技術を、往年の名車や旧車エンジンに オイル交換をしっかりかつ定期的に行っていても、長年乗り続けることでどうしてもすり減ってしまうのが鋳鉄シリンダースリーブ。そんな鋳鉄スリーブに対[…]
徹底追求した足まわり。たどり着いた答えは前後17インチ化 走りを重視したハイパフォーマンスを求めるのなら、4バルブあるいはツインカムしか選択肢はないのか? そんなギモンに真っ向から立ち向かったのが、4[…]
- 1
- 2