カワサキモータースジャパンは、国内導入予定モデルとしていた「W230」「MEGURO S1」「KLX230」「KLX230 S」を2024年11月下旬に、「KLX230SM」を2025年1月中旬に発売予定と発表した。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:カワサキモータースジャパン
タイや欧州、北米で先行発表済みのW230とメグロS1
カワサキモータースジャパンは、新型モデル「W230」と「メグロS1」をタイ、欧州、北米に続き日本でも2024年11月下旬に発売すると発表。これと併せて、タイほかで発表済みの「KLX230」「KLX230 S」についても2024年11月に、「KLX230SM」も2025年1月下旬に発売するとした。価格やスペックについては追って発表される。
まずはW230&メグロS1の価格に予想したい。タイでの販売価格はW230=14万9900バーツ(日本円換算約66万9000円・10/11現在)、メグロS1が16万7000バーツ(約74万5000円)、さらに北米ではW230が5599ドル(約83万2000円)となっている。
タイ仕様を同じくタイで販売されている250ccクラスのZ250(18万7700バーツ=約83万7000円)と比べると、日本での予想価格は54万5000円、メグロS1は61万円ということに。
北米価格では同クラスの目ぼしい比較車両がないので、2025年型W800(1万399ドル)と比較し、価格比を日本のW800(124万3000円)に掛け合わせると、日本仕様W230の計算上の想定価格は66万9000円になる。
ちょっと幅のある予想になるが、ホンダGB350らと比較されることを考えれば60万円切りを期待したいところだ。
そんなW230&メグロS1だが、タイ仕様ほかでスペックシートも発表済みだ。エンジンはKLX230の空冷233cc単気筒をベースにバランサーを追加することで振動を抑制したほか、圧縮比を下げるなどしてレトロモデルにふさわしいパワー特性としたもの。最高出力は17.55ps/7000rpmと、KLX230Sの日本仕様2022年モデルが19ps/7600rpmだったのに比べて、出力自体はローパワーになっているものの発生回転数も下がっている。最大トルクにしても、KLX230Sの1.9kg-m/6100rpmから1.86kg-m/5800rppmになっており、同様の傾向がみられる。 ※日本仕様では232ccだがタイ仕様は233ccと表記
つまり、より低回転で扱いやすく、実用的な速度域で力を発揮するタイプといえそうだ。もちろん燃料供給はFIで、始動性や安定性を確保。触媒を内蔵した専用デザインのマフラーと相まって、最新の環境性能も備えている。
一方で、車重はW230&メグロS1ともに143kgと、樹脂パーツを多用したKLX230Sの136kgに比べるとやや重いように見えるかもしれないが、2017年に最終モデルとなったエストレヤ(海外名は一部でW250を名乗った)が161kgだったのに比べると大幅に軽量だ。
これは新設計の軽量セミダブルクレードルフレームや軽量シンプルな外装類、そして何よりコンパクトなエンジンの恩恵だろう。
各部のディテールは、さすがWシリーズ&メグロシリーズと言えるもので、アナログの速度計&回転計のツインメーターと控えめに組み合わされたLCD表示や、LEDながら円形とした小ぶりなヘッドライトユニット、シンプルな形状のダブルシート、専用設計の容量12L燃料タンクなどがシリーズ最新作を形作っている。
メグロS1は基本的にW230のデザイン変更版だが、メッキを多用した外装やモール入りでW230のシート高745mmに対し745mmとしたシート、専用エンブレム、メーターデザインなどで見事に異なる印象を与えている。
このほか、ハンドルの左右切れ角は各40度、ホイールトラベルは前117mm/後95mmといったスペックも利便性を想像させてくれる。
いずれも11月下旬に発売とのことで、正式発表は遅くとも10月末~11月初旬に行われるはず。続報を待ちたい!
↓タイ仕様のスペック等はこちら
同じ250ccクラスのZ250と価格を比較すると…… カワサキの新型モデル「W230」と「メグロS1」がついに登場! といってもまだタイで正式発表された段階だが、当然ながらジャパンモビリティショー20[…]
日本で登場したときの想定価格は60万円台か カワサキはタイに続き北米でも「W230}を発表。空冷233cc単気筒エンジンはKLX230のものをベースとしているが、レトロモデルにふさわしいパワー特性と外[…]
最新排出ガス規制に適合して復活するKLX230シリーズ
北米などで発表済みのKLX230シリーズも2024年11月下旬あるいは2025年1月下旬に発売予定とのこと。W230&メグロS1のエンジンはこのマシンのものをベースにしているが、出力特性やクランクケースのデザインも異なっている。
KLX230は前21/後18インチホイールほ装着したフルサイズトレールで、KLX230Sはより親しみやすいように車高を抑えた仕様、KLX230SMは前後17インチのモタード仕様だ。いずれもデザインは以前にラインナップされたものからリファインされており、コンペティションモデルKX譲りのシャープな外観とされた。
北米ではスペック詳細も明らかになっている。それによれば、233ccの空冷単気筒エンジンは吸気バルブ径を従来よりも4mm小さいφ33mmとしたことやECUの見直しなどにより低中速トルクを強化。燃料噴射にはφ32mmスロットルボディを採用し、正確なレスポンスを実現する。公式発表に記載はないもののエキゾーストパイプの取り回しなども変わっており、大きな範囲でアップデートを受けている模様だ。
車体は、歴史ある高張力鋼製ペリメターフレームを継承しながらサブフレームを新設計。これによってシート高を抑制しながらホイールトラベルを長くすることができ、最低地上高も稼いでいる。ユニトラック式のリヤサスペンションはリンクが更新された。
KLX230は従来よりも約1.2kg軽量なスイングアームを装備し、リヤブレーキマスターシリンダーも軽量化。また、φ37mm正立フロントフォークを装備する。ホイールトラベルは前200mm/後223mm、ホイールサイズは前21/後18インチだ。ブレーキは前φ240mmディスク(ABS仕様はφ260mm)/後220ディスクで、前後オン/オフ可能なABSを採用した。
前後17インチホイールやφ37mm倒立フロントフォークを採用するモタード仕様のKLX230SMは、同様にリヤサスのリンクを更新したことなどによりリヤホイールトラベルを伸長し、よりハードなスプリングをセット。ホイールトラベルは前188mm/後223mm。ホイールは前後17インチで、フロントブレーキはφ300mmのセミフローティングディスクを採用した。
海外仕様のKLX230シリーズはいずれもヘッドライトをLEDとし、ライディオロジーアプリを介してスマートフォンと連携する機能も獲得している。日本仕様も同じスペックでの導入を期待したい。
北米における価格はKLX230が3999ドル(約59万4000円)、KLX230SMは5599ドル(約83万2000円)。KLX230の安さが光り、前述のW800を基準にした計算では日本仕様の予想価格が47万8000円になるが、為替レートなどもあるので50万円台前半に収まれば御の字といったところだろうか。
↓北米仕様の詳細はこちら
エンジンをアップデート、足まわりも強化した! ヘッドライトはともにLEDとし、ライディオロジーアプリを介してスマートフォンと連携する機能も獲得している。 価格は、KLX230Sが4999ドル(約73万[…]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
コンパクトな車体に味わいのエンジンを搭載 カワサキの新型モデル「W230」と「メグロS1」がついに正式発表! ジャパンモビリティショー2023に参考出品されてから約1年、W230は白と青の2色、メグロ[…]
シート高を5mm下げながらリヤサスを伸長 カワサキはKLX230シリーズをモデルチェンジ。11月27日発売のトレールモデルに続き、2025年1月13日にスーパーモトモデル「KLX230SM」を発売する[…]
サスペンションをロングストローク化しつつ抑えたシート高を両立 カワサキはKLX230シリーズをモデルチェンジし、2025年モデルとして発表した。以前のモデルは、標準仕様が2019年10月、車高を下げて[…]
消えてしまったセロー250の穴をカワサキが埋める?! カワサキの新トレッキングマシン「KLX230 シェルパ」が発表された。発売は2024年11月27日で、ボディカラーは全3色のラインナップだ。 ベー[…]
1位:ホンダ「新型CB400」SFルックで2025年秋にデビューか? 堂々の1位は、2022年に惜しくも生産終了した名車、ホンダCB400SF/ボルドールの後継モデルについて。途絶えていた400cc、[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI] | 新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
コンパクトな車体に味わいのエンジンを搭載 カワサキの新型モデル「W230」と「メグロS1」がついに正式発表! ジャパンモビリティショー2023に参考出品されてから約1年、W230は白と青の2色、メグロ[…]
コンパクトな車体に味わいのエンジンを搭載 カワサキの新型モデル「W230」と「メグロS1」がついに正式発表! ジャパンモビリティショー2023に参考出品されてから約1年、W230は白と青の2色、メグロ[…]
北米で新型4気筒Zと思われるティーザー動画が公開された カワサキが日米でティーザーを展開しはじめた。まず、10月30日に正式発表と予告している北米カワサキのYoutube動画では、『EVOLUTION[…]
日本で登場したときの想定価格は60万円台か カワサキはタイに続き北米でも「W230}を発表。空冷233cc単気筒エンジンはKLX230のものをベースとしているが、レトロモデルにふさわしいパワー特性と外[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
人気記事ランキング(全体)
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことがわかった[…]
125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限[…]
電熱インナートップス ジャージタイプで使いやすいインナージャケット EK-106 ポリエステルのジャージ生地を採用した、ふだん使いをしても違和感のないインナージャケット。38度/44度/54度と、3段[…]
第1位:X-Fifteen[SHOEI] 2024年10月時点での1位は、SHOEIのスポーツモデル「X-Fifteen」。東雲店ではスポーツモデルが人気とのことで「とにかく一番いいモデルが欲しい」と[…]
コンパクトな車体に味わいのエンジンを搭載 カワサキの新型モデル「W230」と「メグロS1」がついに正式発表! ジャパンモビリティショー2023に参考出品されてから約1年、W230は白と青の2色、メグロ[…]
最新の投稿記事(全体)
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
一般人でも許される現行犯逮捕とは? 「逮捕」とは、犯罪の容疑がある人の身柄を強制的に拘束する手続きです。 原則として、事前に裁判官の審査を受けて許可を取り、令状の発付を得てからでなければ、たとえ警察で[…]
バイクのスピード感をイメージさせる象徴的なグラフィックモデル登場 ネオテック3のグラフィックモデル第3弾となるアンセムは、バイクを走らせているときに感じる風を思わせる、スピード感ある模様が特徴だ。ブラ[…]
バイクのパーツと“夜行”をポップアートに描いたホットでクールなグラフィックモデル Z-8 ヤギョウは、ネオンカラーなどの極彩色で彩られた現代ポップアートなグラフィックが特徴だ。グラフィックにはタイヤと[…]
グローバル展開では『500cc』のほうが有利になる地域も ホンダ「GB350」シリーズといえば、直近ではクラシカル要素を強化したGB350Cも新登場し、走りのフィーリングまで変えてくるこだわりっぷりが[…]
- 1
- 2