
ヤングマシンスクープがもっか大好評のホンダ新型CB400。以前からお届けしている情報を元に、バイク開発のプロの考察や助言を受けて具体的な姿を予想する「プロ予想」をお届け。第2回目はエンジン&車体編だ!
●CG製作:SRD(不許複製/All rights reserved)
エンジンもシャーシも一気に時代が進む
第1回の記事では、新型CB400がトータルバランス路線を取り、77psを発揮するカワサキZX-4Rのような高性能路線には踏み込まない…という情報に対し、プロは「バランス重視のコンセプトとすることでカワサキの土俵に乗らずに勝負できるし、高出力/高回転指向としないことでコストも有利」と指摘した。
しかし、バランス重視路線で勝負するとは言いつつも、ホンダでも競合車のスペックはチェックするし、ユーザーも旧CB400の56ps超えは当然ながら期待する。その落とし所としてプロは「70psは出してくるはず」と予測する。
【ホンダ CB400スーパーフォア(従来型)】■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 56ps 4.0kg-m 201kg ●当時価格:88万4400円〜92万8400円(生産終了)
予測①エンジン「バランス重視でも70psは堅い」
【前作はセンターカムチェーン】従来型は1986年に登場したCBR400R (NC23)の直4が源流。カムシャフトはセンター駆動だったが、新型ではコンパクトなサイドカムチェーンになる?
「旧CB400があの値段で高回転まで回せるエンジンを積めたのは、いいモノを最初に作り、それを30年も作り続けたから。長期間、多く作ればコストは下がる」とプロ。新設計エンジンの新型は高コストになるため、馬力を追求しないと予想されるが「それでも70psは出すだろう」とプロは予測する。バランス重視なら最強スペックにこだわる必要はないのだ。
それでいて公道でカワサキに負けない手法として「軽量化」に力を注ぎたいとプロは言う。高い素材を使わなくても、考え方(=設計)次第で車重は軽くできる。つまり不要なパーツや補強を用いず、設計段階から重量と剛性のバランスをて突き詰めておくということだ。
たとえばスチールフレームでも、ダウンチューブがないダイヤモンドフレームなら軽量に作れる。旧型は“ゆりかご状”のダブルクレードルフレームで、これはゆったりした操縦性が魅力。一方のダイヤモンドは、クランクケースをダウンチューブ代わりに使う剛性感やダイレクトな操縦性が特徴だ。
予測②シャーシ「ダイヤモンドフレームで完全刷新」
【さらばダブルクレードル】従来型は旧車的な鋼管ダブルクレードルフレームを採用。旋回に入ろうとする車体に対し、一瞬遅れてエンジンが付いてくるようなイメージがあり、ゆったりした操縦性を作り込みすい。
現在は軽い上、解析技術の進歩で細かな剛性コントロールも可能となった鋼管ダイヤモンドフレームが主流。並行開発中のフルカウル版と車体は共用と思われることもあり、新型CB400もダイヤモンドフレームと予想する。「エンジンマウント位置やヘッドパイプの支持方法、パイプワークが設計のキモ」とプロ。操縦性はダイレクトな方向となるが、長めの軸間距離で安定感を出すなど、ディメンションでも味付けは可能だ。
CBにはダブルクレードルの方が適しているという見方もできるが、軽さのメリットを取って今ならダイヤモンドを選ぶハズ。まずは軽量化を優先したうえで、ホイールベースやキャスター角といった車体ディメンションでも穏やかな味付けに近づけることは十分に可能だ。
足まわりに関しても当然、最新版になると予想。リヤ2本ショックはモノサスとなり、ラジアルマウントキャリパーが導入されるだろう。さらにノークラッチでも走行可能な最新メカ=Eクラッチ仕様もあると予想される(続く)
新型CB400「その他の部分」はこうなる!!
予測③Fフォーク&ブレーキ「倒立&ラジアル化は必然」
【前作は正立がぴったりだったが…】従来型(写真)は正立フォーク+アキシャルマウントの4ポットキャリパーというオーソドックスな組み合わせ。ただしセッティングは絶妙で、スキルを問わず扱いやすく、スポーティさも兼備していた。
しなやかで穏やかな乗り味に仕立てやすいのは正立フォーク。 CB400のキャラ的には従来型どおり正立の方が適していると考えら れるが、限界性能や見映えでは倒立フォークに軍配が上がる。先述のフルカウル版との共有化もふまえれば倒立化は手堅いところ? 倒立となればブレーキキャリパーはラジアルマウントとしてスポーティさも追求すると予想したい。
予測④リヤサスペンション「モノショック化も確実視」
1992年の初代以来、リヤ2本サスを採用し続けてきた従来型。近年、ネオクラ以外のバイクで2本サスの採用例はほぼなく、新型もモノサスと考えるのが妥当だろう。
“バイクらしいスタイル”のため、あえてリヤ2本サスを採用していた旧型。しかしスタイル以外にメリットは薄く、繰り返すようにフルカウル版との共用化もふまえれば1本サス化は間違いないと予想される。
予測⑤クラッチ「主力ホンダ車にEクラッチはマスト」
Eクラのシステムはシンプルで、重量はわずか2kg。DCTより圧倒的に軽い。スポーティーなマニュアル操作とラクちんなクラッチ操作レスの走りを両立。 ただしシフト変更はライダーが行う必要アリ。
CB&CBR650Rに初採用されたEクラッチは、ノークラッチで走行でき、ひとたびクラッチレバーを握れば瞬時にマニュアル操作へ移行する最新機構。ホンダは今後のFUNモデルは基本的にEクラッチを導入する意向を示しており、新型CB400も搭載はテッパンだろう!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA] | 新型小型二輪 [251〜400cc])
2025モデルの新車「GB350C」のイメージが… ネオレトロスタイルの単気筒ロードスポーツ・GB350をベースとして2024年にリリースされた「GB350C」は、前後にディープフェンダーを採用したク[…]
サスペンションカバーやディープフェンダーなど、外装はほぼ専用品の“C” ホンダは、2024年秋にブランニューモデルとして発売した「GB350C」にニューカラーを設定し、一部仕様も変更した2025年モデ[…]
みんながCBを待っている! CB1000Fに続く400ccはあるのかないのか ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「[…]
8/1発売:ロイヤルエンフィールド「ハンター350」 2025年8月1日より受注を開始するのが、ロイヤルエンフィールドの新型「ハンター350」だ。注目すべきは、従来モデルから5万円以上の値下げが敢行さ[…]
2025モデル「GB350/S」が華やかになって新発売! 原点的なスタイルとそれにふさわしい味わい深い走りによって、年齢や性別を問わず、幅広いライダーに支持されている大人気バイク「GB350」シリーズ[…]
人気記事ランキング(全体)
ホンダ「CB1000F SE コンセプト」が鈴鹿8耐で世界初公開! 8月1日より予選が始まった“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会のホンダブースにて、CB1000F SE コンセプト[…]
日本では400だが、グローバルでは500(451ccエンジン)のエリミネーター 欧州でエリミネーター500/SEに新色が登場した。日本仕様でプラザエディションとしてラインナップされる『メタリックインペ[…]
キャッチニッパー :作業後のゴミが減り掃除が楽になる、切れ端を飛ばさないキャッチ機能付き 配線や結束バンドを切断した際に切れ端が飛び散るのは仕方がないというのが一般的な常識に対して、一方の刃にプレート[…]
鮮やかなブルーでスポーティな外観に 欧州においてスズキ「ハヤブサ」が2026年モデルへと更新された。アルティメットスポーツを標ぼうするマシンは基本的に2025年モデルを踏襲しながら、レギュラーカラーが[…]
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
最新の投稿記事(全体)
旅として楽しむ、ほっこりラリーイベント 「MOTHER LAKE RALLY」は、2023年に初めて開催され、今年で3年目を迎えるイベントだ。単なる速さや距離を競うラリーとは一線を画し、そのコンセプト[…]
RH1250S スポーツスターS:ダウンドラフト吸気の水冷Vツインを黒で統一 121HPを発揮するレボリューションマックス1250Tエンジンをオールブラックにし、精悍さを強調するデザインとなった202[…]
世界の二輪市場にBSA復活を知らせる2台の新型車 BSAブランドが再び動き出したのは2016年。自動車や二輪車、物流や不動産など多角的に事業を展開するインド/マヒンドラ・グループが、新たに起ち上げたク[…]
夏場は100℃超えも珍しくないけれど… いまやバイクのエンジンは“水冷”が主流。安定した冷却性能によってエンジンパワーを確実に引き出すだけでなく、排出ガス/燃費/静粛性の面でも水冷の方が空冷より有利な[…]
400cc4気筒ブームの立役者、第3世代の直4を実現したカワサキの戦略 Z1/Z2系からZ650のザッパー系に続くカワサキ直4の第3弾がZ400FX。1980年代初頭に日本で巻き起こった空前のバイクブ[…]